あと5年の光
こんにちは。女子ロービジョンフットサル選手のノアです。視覚障害をもちながらフットサルをプレーしています。
今回はちょっと、目の話をしたいと思います。というのも、先日1年半ぶりに視力検査や視野検査をしたからです、結果は前回と比べて落ちていました。
もともと両眼性網膜細胞腫という病気で、片目の視力が残ったのも奇跡でした。子供のころは他の子と同じように遊んで勉強して、生活していました。しかし治療の影響で少しずつ視力は落ちていっていました。高校生くらいの時に少し不便さを感じ始め、大学生の時に拡大読書器や白状を使い始めました。それでもまだ視力は0.1くらいあったので、特に不安感などは感じていませんでした。
留学に来る前、2023年の夏に検査した時は視力0.05程度で、ある医者はこれで下げ止まりだと言い、他の医者は30歳くらいまではもつだろうと言っていました。
そして先日の視力検査の結果は0.02
1年半前の半分、4年前の1/4、同じペースでおち続けていました。わかっていたことではあるけど、実際にに数字にして、限りなく0に近づいているのを目の当たりにすると、やっぱり落ち込みます。シンプルに計算して、2年後は0.01,5年後くらいには失明していることになります。
あと5年。30歳になるころには光を失っているかもしれない。
そう考えると、いくらわかっていたこととあいえ、不安で仕方ありません。
検査に行って2日間くらいはほとんど眠れませんでした。
でも、3日目にはいつもの自分に戻っていました。
その2日間に何があったかというと、
まず、検査の次の日に語学学校のクラスメイトが深くきかずにコーヒーを買ってくれ、
日本にいる家族と電話をし、
その次の日に語学学校の先生が元気が出るようにある小説を紹介してくれ、
他の先生がとても暖かい言葉をかけてくれ、
夜の試合、健常者のフットサルで今シーズン初得点を決めました。
どんなに落ち込んでいても、いつも通り学校に行き、練習と試合に行った結果、
人のあたたかさとフットボールの魅力に改めて気付くことができました。さらに、こんなに見えていないのに健常者の中でも得点できるということが私の中で大きな自信になりました。
そして今、検査から4日、いつも通り楽しい日常を送っています。
前に進むためには、落ち込む時間があってもいい。
そのおかげで、自分にとって大切なものを再確認できる。
不安がゼロになったわけではありません。
でも、みえなくなっても自分の大好きなフットボールは続けられるし、助けてくれる人もたくさんいます。
最近つくづく、自分は運がいいと思います。
自分の好きなことがあって、周りの人に恵まれて、これさえあればたいていのことは乗り越えられます。
自分にフットボールがあってよかった。
優しい人に囲まれてよかった。
私はついてる。