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【天皇賞(春)血統全頭診断】フランス志向のスピードと伸びが要求される天皇賞(春)

こんにちは。競馬予想家 ノアです。

この記事ではG1天皇賞(春)の血統全頭診断をお届けしていきます。

過去の好走血統と比較しながら考察しておりますので読者の皆様は予想する際の参考にお役立てください。

「全ての競馬ファンにとって『血統』をもっと身近に」をテーマにこの記事は作成しています。

その為、血統のクロスやインブリード、アウトブリード等の専門用語の使用を可能な限り削減し、簡単な言葉に変換しております。その中で元の専門用語と厳密な意味での整合性が取れていない部分も出てくるとは思いますが、ご了承ください。

この記事で取り上げる血統への見解や評価のすべてが結果に直結するわけではありませんが、「こうやって血統は考えればいいんだ!」という1つの指針になれるように、また「血統」に興味を持っていただける入口となれるように精一杯やらせていただいておりますのでぜひ最後までご覧頂けると嬉しいです。

この記事は血統について興味のある方や、血統適性を把握したうえでレース予想に役立てたいという方向けのコンテンツとなります。

競馬予想家ノアの最終的な印や見解、買い目に直結するような内容をお求めの方の期待には添えないと思いますのでご注意ください。

自分で予想する際に何か1つ指針が欲しい、そこで「血統」を使いたいといった方に向けた記事になっておりますので、読者の皆さんはそこをご理解の上、ご覧ください。

血統の見方や考え方が掴めた、また来週も読みたい!など思っていただけましたら記事へのスキやアカウントのフォローよろしくお願いします。


血統評価について

本記事では出走予定馬の血統適性を★~★★★の3段階で評価しております。評価の詳細は以下の通りとなります。

★★★:対象レースにおける注目血統を内包しており、且つ牝系や近親からも非常に血統適性が高い馬

★★:対象レースにおける注目血統を内包している馬

★:対象レースにおける注目血統を内包しておらず、血統適性が非常に低い馬

天皇賞(春)の血統傾向


2012年以降の天皇賞(春)で連対した18頭(阪神開催除く)のうち、16頭はディープインパクト、ハーツクライ、ステイゴールド系種牡馬の産駒。この3大種牡馬以外で連対したのはキタサンブラックのみ。

ステイゴールド、ハーツクライに共通するのは母系にトニービンやディクタスといった欧州血統の中でも「フランス指向の伸びに優れる血統」を内包しているサンデー系であるということ。ディープインパクト産駒で勝利したフィエールマン(2勝)や昨年勝ち馬のジャスティンパレスも母系には欧州血統の色濃く持っていた。

欧州血統のなかでもフランスで生産・育成された血統はスタミナや馬力よりもスピード能力に優れており、天皇賞(春)ではこの「フランス指向のスピードや伸び」が重要。(フランス競馬の代表レースでもある凱旋門賞でもスタミナと馬力に優れるサドラーズウェルズ系やロベルト系が不振である一方でトニービンやキングマンといったスピード能力の高い血統馬が好走しているのも良い例)

3大種牡馬=ステイゴールド、ハーツクライ、ディープインパクトの産駒はダービーにピークを持っていくのであれば母系に米国血統を内包させ体力の完成を早めるほうが有利。しかし、天皇賞(春)で好走するような母系に欧州血統を持つタイプは古馬になって体力の完成を迎えるため、ダービーに比べて欧州血統を内包する馬が好走する特殊な(分かりやすい)血統傾向になるのが特徴。

フランス血統として注目したいのが、トニービンを筆頭とした欧州型ナスルーラ系。

2012年にはトニービンを持つ馬が掲示板を独占し、3連単は145万馬券の大波乱。2015年7番人気2着のフェイムゲーム、10番人気2着のカレンミロティックはどちらも父がトニービンを持つハーツクライ。昨年3着のシルヴァーソニックも母父にトニービン。

2016年、2017年、2018年と3年連続で馬券になったシュヴァルグランや2020年3着のミッキースワローもトニービンを持つ血統馬。

今年の天皇賞(春)もこの傾向に大きな変化はないと思っていますので、3大種牡馬とトニービンを筆頭としたフランス指向のスピードや伸びに優れた血統に注目して、血統全頭診断を行っていきたいと思います。

注目血統:
①3大種牡馬=ディープインパクト、ハーツクライ、ステイゴールド系の産駒
②欧州血統のなかでも、フランス指向のスピードや伸びに秀でた血統(トニービンなど)


サリエラ

血統評価:★★★
血統短評:
サリエラの父は当レースに相性の良いディープインパクト。母サロミナがニジンスキー×デインヒルで欧州型の牝系である点も当レースで好走するディープインパクト産駒の配合パターンに該当しています。
近親にはサラキアやサリオスがいる牝系で、この牝系は馬体重によってタイプが大きく2分されるのが特徴。サラキアは父ディープインパクトで馬体重が450キロ以下だった牝馬。このタイプは直線での瞬発力やスピード能力、伸びに優れている。一方サリオスは父ハーツクライで馬体重500キロを超える大型の牡馬。このタイプは母系のノーザンダンサーの影響が強く、先行して押し切るようなスピードの持続力に優れている。
サリエラは父や自身の性別からもサラキアに近いタイプで前走の馬体重も+10キロで432キロ。
このことからも天皇賞(春)で要求される欧州的なスピード能力や伸びに優れるタイプだと思いますので血統適性は非常に高い1頭だと思っています。

ヒンドゥタイムズ

血統評価:★
血統短評:
ヒンドゥタイムズは父に3大種牡馬を持っておらず、牝系や近親からも欧州的なスピード能力や伸びは薄いタイプですので当レースへの血統適性は低い血統馬となっています。

プリュムドール

血統評価:★★
血統短評:
プリュムドールの父はステイゴールド系のゴールドシップ。当レースの注目血統に該当しています。しかし、天皇賞(春)で好走するステイゴールド系産駒は(昨年3着のシルヴァーソニックがそうだったように)母系にも欧州的なスピード能力や伸びを強化した配合血統の方が向いている。その点、プリュムドールは母系に欧州型ナスルーラ系や欧州的なスピード能力や伸びに優れた血統を内包していないため評価は★★としました。

ワープスピード

血統評価:★
血統短評:
ワープスピードは父に3大種牡馬を持っておらず、牝系や近親からも欧州的なスピード能力や伸びは薄いタイプですので当レースへの血統適性は低い血統馬となっています。

ブローザホーン

血統評価:★
血統短評:
ブローザホーンは父に3大種牡馬を持っておらず、牝系や近親からも欧州的なスピード能力や伸びは薄いタイプですので当レースへの血統適性は低い血統馬となっています。

ディープボンド

血統評価:★★★
血統短評:
ディープボンドは既に昨年このレースで好走していますので当然血統適性は高い1頭。
父キズナは当レースに相性の良いディープインパクト系種牡馬。母系にもLyphardやノーザンダンサーといった欧州血統を内包する点も当レースで好走するディープインパクト産駒の配合パターンに該当しています。しかし、昨年は欧州要素に秀でた血統馬の出走が少なかったため相対的に有利な状況ではありましたが、今年のメンバーは比較的当レース向きの血統馬が多い印象。そのなかでの競争になった際に何番手で評価すべきなのかは馬場やローテを考慮した上で最終的に判断したいと思っています。

タスティエーラ

血統評価:★★★
血統短評:
タスティエーラの父サトノクラウンは3大種牡馬には該当していませんが、その父Marjuが現役時代にSt.ジェイムズパレスS(1,600m)を快勝。同レースの勝ち馬にはキングマン。日本でも産駒のシュネルマイスターがNHKマイルを勝つなど東京芝にも適応するスピード、直線での瞬発力を武器にする産駒を輩出する種牡馬で凱旋門賞ではキングマン産駒のペルシアンキングが2020年に好走。そのキングマンと同じSt.ジェイムズパレスSを勝利しているMarjuの血を持つタスティエーラも欧州的なスピード能力や伸びに優れている可能性は高く、天皇賞(春)への適性は高い。
更にタスティエーラはクラフティワイフ牝系。近親にはカンパニーやトーセンジョーダンなどがおり、古馬になってもう1段階パフォーマンスを上げる一族。
個人的には3歳時のダービーでのパフォーマンスは展開利が大きく、この馬の本来の良さが出たレースではないと思っているので、古馬になった今、真のこの馬の良さを発揮し好走してくれることに期待しています。

ゴールドプリンセス

血統評価:★
血統短評:
ゴールドプリンセスは父に3大種牡馬を持っておらず、牝系や近親からも欧州的なスピード能力や伸びは薄いタイプですので当レースへの血統適性は低い血統馬となっています。
父ゴールドアクターはロベルト系種牡馬。母母父にはイギリス生産馬であるテンビーを持つ血統ですから欧州血統ではあるもののスタミナと馬力に優れたタイプで当レースとの適性はズレてしまっている印象です。

シルヴァーソニック

血統評価:★★★
血統短評:
シルヴァーソニックは既に昨年このレースで好走していますので当然血統適性は高い1頭。
父オルフェーヴルは当レースと相性の良いステイゴールド系種牡馬。ステイゴールド系産駒は父に加えて母系でも欧州的なスピード能力を補完するような配合がベスト。シルヴァーソニックの場合は母父にもトニービンを内包しておりますのでこの点からも当レースへの血統適性は非常に高い1頭だと思っています。

サヴォーナ

血統評価:★★
血統短評:
父キズナは当レースに相性の良いディープインパクト系種牡馬。
しかし、この馬の場合母父スニッツェルがスプリント大国オーストラリアで活躍した種牡馬ですのでフランス指向の伸びよりもスプリント的なスピードの持続力に優れたタイプ。当レースへの血統適性でいうとベストとは言えない配合だと思っています。

マテンロウレオ

血統評価:★★
血統短評:
父ハーツクライは当レースに相性の良い3大種牡馬。
ハーツクライ産駒に関しては母系にかかわらず当レースで好走していますので血統で予想する方は必ず抑えておきたい1頭です。

ドゥレッツァ

血統評価:★
血統短評:
ドゥレッツァの父ドゥラメンテは日本の主流血統でディープインパクトやハーツクライが走りやすいレースでは等しく高い適性をみせる種牡馬。
しかし、この天皇賞(春)に関しては私は例外だと考えています。
その理由として、ドゥラメンテ産駒が好走するレース(ディープインパクトやハーツクライ産駒が走りやすいレース)では元々、サンデー系と同じくキングマンボ系の好走歴があることがほとんど。
例として、ダービーやジャパンカップではディープインパクトやハーツクライと同様にドゥラメンテ産駒も高い適性を示していますが、この2つは元々キングカメハメハ産駒やルーラシップ産駒といったキングマンボ系種牡馬の産駒が好走しているレース。
一方、天皇賞(春)は古くからキングマンボ系種牡馬の成績が奮わないレース。ディープインパクトやハーツクライが好走しているからといってドゥラメンテ産駒も同じく高評価するのは危ないと考えています。
また、ドゥレッツァの場合は母がスプリント大国オーストラリアの名牝でスプリント的なスピードの持続力に優れるタイプ。前向きさのある血統ですので今回の距離延長ローテも不安だと思っています。(菊花賞も距離延長ローテで暴走気味に先行。鞍上の好騎乗がなければ結果は変わっていたでしょう)

スカーフェイス

血統評価:★★
血統短評:
父ハーツクライは当レースに相性の良い3大種牡馬。
ハーツクライ産駒に関しては母系にかかわらず当レースで好走していますので血統で予想する方は必ず抑えておきたい1頭です。

テーオーロイヤル

血統評価:★
血統短評:
テーオーロイヤルは父に3大種牡馬を持っておらず、牝系や近親からも欧州的なスピード能力や伸びは薄いタイプですので当レースへの血統適性は低い血統馬となっています。
父リオンディーズにサドラーズウェルズ、母父にマンハッタンカフェ、母母父にはロベルト系の血を内包しており非常に重厚でスタミナと馬力に優れた血統構成。急坂のある阪神コースでの長距離戦ではこの馬の良さが活きると思いますが、京都競馬場で行われる天皇賞(春)ではよりスピード能力の高さや直線での伸びが要求されると予想していますので評価はしづらい印象です。

メイショウブレゲ

血統評価:★★
血統短評:
メイショウブレゲの父はステイゴールド系のゴールドシップ。当レースの注目血統に該当しています。しかし、天皇賞(春)で好走するステイゴールド系産駒は(昨年3着のシルヴァーソニックがそうだったように)母系にも欧州的なスピード能力や伸びを強化した配合血統の方が向いている。その点、メイショウブレゲは母系に欧州型ナスルーラ系や欧州的なスピード能力や伸びに優れた血統を内包していないため評価は★★としました。

チャックネイト

血統評価:★★
血統短評:
父ハーツクライは当レースに相性の良い3大種牡馬。
ハーツクライ産駒に関しては母系にかかわらず当レースで好走していますので血統で予想する方は必ず抑えておきたい1頭です。

スマートファントム

血統評価:★★
血統短評:
スマートファントムの父ハービンジャーは3大種牡馬に該当しておらず、イギリス生産馬で当レースで評価したい欧州血統とは異なるタイプ。
しかし、この馬の場合は母系に持つ欧州型ナスルーラ系プリンスリーギフトの血に注目しました。
2012年以降の天皇賞(春)※阪神開催除く で連対した18頭のうち唯一3大種牡馬に該当しなかったキタサンブラックは母父にプリンスリーギフト系のサクラバクシンオーを持つ馬。この血を内包することで当レースへの血統適性は相当に高まると思いますので楽しみな1頭です。

ハピ

血統評価:★
血統短評:
父キズナは当レースに相性の良いディープインパクト系種牡馬。天皇賞(春)で好走するディープインパクト系の産駒は欧州血統との配合が目立ちますが、この馬の場合は米国血統との配合ですのでやはりダート適性が高いタイプ。

血統評価上位馬(★★★該当馬)

・サリエラ
・ディープボンド
・タスティエーラ
・シルヴァーソニック


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