第七章 融合しちゃったんだってば!③
「……もう寝た?」
「ううん、起きてる」
「なんか、寝れない」
珀ちゃんは、ムクッと起き上がり、窓辺に寄りかかった。
「千尋、オレの事、どれくらい好き?」
「え……?そりゃ、大好きよ。誰にも珀ちゃんは譲れない。もう、公認カップルになっても構わない。玲には、引っぱたかれるかもしれないけど……。それよりも、あたしにとっては、珀ちゃんがいなくなる方がよっぽど辛いもの」
「オレさ、多分、千尋が思ってるその百倍くらい、今千尋の事好きだ。どうしよう……自分の気持ちに、コントロールが聞かなくて」
「コントロールなんてしないで。その百倍、全力であたしを愛してよ」
「千尋……千尋に触れても、いい?」
「え?!そんなのって、事前に聞くもんなの?!てっきり、自然の流れかと……」
「自然の流れに越した事はないけど……千尋がまだ決心がつかないなら、いつまででも待つよ」
「決心……?」
「めちゃくちゃ、千尋の事抱きたい。けど、千尋に触れるの、怖いんだ。千尋、オレのせいで汚れちゃうような気がして……」
「汚れないよ。珀ちゃんの愛の洗礼を受けるだけだわ……」
「千尋……」
キスをした。
優しいキス。
何度も何度も、唇を重ね合わせて……。
珀ちゃんの手は、あたしのほっぺを抑えていたけれども……。
あたしの耳にキスをして。
あたしのおでこ、まぶた、ほっぺ……ありとあらゆるところにキスをして……。
今度は、あたしの首筋にキスをして。
珀ちゃんの唇は、どんどん下の方へ……。
前開きのシャツのボタンを、一つずつ外されていった。
珀ちゃんは、キスをしながらあたしのブラのホックを外した。
どうするんだっけ。
どうするんだっけ。
感覚を集中すれば、良かったのよね?
珀ちゃんの手が、あたしの胸に触れた。
一瞬、びくっとする。
「大丈夫?」
「う、うん……気にしないで」
気持ちいいんだか何なんだか、もう頭では考える事が難しい。
ただ、この上なく恥ずかしいし、くすぐったいし、やっぱり気持ちなんていいわけがない。
胸にキスをされる。
恥ずかし過ぎて、思わず顔を手で覆った。
「恥ずかしい?」
「うん、とっても……」
「千尋の身体、すっごい綺麗……本当にもう、我慢できないから」
珀ちゃんは、またあたしの唇にキスをした。
キスをしながら……。
あたしは、寝る時はパンツ一枚だから……。
パンツの上から、優しく珀ちゃんの指が触れた。
また、身体がびくっとなる。
「怖い?」
「ううん、そんなとこ、触られた事なんてないもん……やっぱり、すごく恥ずかしいよ」
「大丈夫だよ」
あたしの髪を、珀ちゃんは優しく撫でる。
パンツの中に、手が入ってきた。
ぎょ、えー……。
思わず、珀ちゃんのその手首を掴んでいた……。
「やだ?」
「恥ずかしいの!こんなとこ、珀ちゃんに見られるなんて……」
「じゃあ、タオルケット被せる。それなら、いい?」
「うん……」
足元で丸まっているパンツが、脱がされた。
珀ちゃんの指が……。
優しく優しく、あたしの中に入ってくる。
ひゃあーっ……!
「ちょ、ちょっと痛い……かも」
「マジ?ごめん!もっと優しくするね」
あー……この恥ずかしさったら、口では言い表せられない!
お願いだから、もうやめてえ!
声を大にして、叫び出したい気分だ。
珀ちゃも、服を脱ぎ始めた。
「千尋?」
「はい……」
「痛くないようにするからね。千尋に、痛い思いはさせないって約束したもんな」
「うん……」
あたしの身体に、覆いかぶさる珀ちゃん。
あたしは、珀ちゃんの背中に抱きついた。
「いっぱいいっぱい濡らしたから、大丈夫だからね」
「はい……」
思わず、ぎゅっと眼をつむった。