第七章 融合しちゃったんだってば!④
珀ちゃんが、あたしの中に少しずつ少しずつ入ってくる感覚が、伝わってきた……。
「痛い?」
「ううん……ま、まだ……平気……」
珀ちゃんは、そのまま、少しずつ少しずつあたしの中に侵入してくる。
「痛くない?」
「ちょっとだけ痛い気がしないでもないけど……平気……」
また……キスの嵐。
本当に、ゆっくりと……。
珀ちゃんの愛情の全てが、注ぎ込まれているかのような錯覚に陥る。
「痛くない?」
「うん……」
「やばい、すごい気持ちいい……我慢、できないかも。千尋と、やっと一つになれたね」
「……」
「千尋は、気持ちいい?」
「もう何が何だか……けど、幸せ。気持ちいい……珀ちゃんと、一つになれてる事が……」
「千尋の中、すっごい気持ちいいよ。千尋、愛してるよ」
「あたしも……」
「絶対に、千尋の傍にいるから。信じて、これからも着いてきて」
「うん、信じてるよ……」
二人で見つめあって、微笑んだ。
「ごめん……避妊してない。千尋の中に出しちゃった」
「えっ?!」
「だって……我慢、できなかったんだもん。妊娠したら、赤ちゃん産もうな♪」
「バカ!なんて事してくれたのよ!」と、今までであれば怒鳴りつけてやるところだが……。
あたしも、もう朽ち果てていた。
「千尋、おいで」
腕枕から、横を向いて抱きしめられた。
「どうだった?初めての感想」
「恥ずかしくて……何が何やら……けど、思ったよりも痛くなかった」
「気持ちよかった?」
「うん……」
「エッチする度に、もっとどんどん気持ちよくなっていくよ」
「そうなの?」
「うん。緊張で、千尋の身体力入りまくってたから。もっと、身体を全身脱力させるんだ。そうしたら、オレの全てを受け入れられるようになって、もっと気持ちよくなるから」
「分かった……」
「千尋、大好き。愛してる。もっともっと、千尋の事大事にしようって思った。大事にするからね」
「あたし、変なところなかった……?大丈夫だった?」
「すごく綺麗だった。だから、必死で我慢した笑」
「あ……血、出てるかな?」
起き上がり、敷布団を確認してみる。
うっすらと、血が付いていた。
「千尋は?オレの事、好き?」
「大好きよ……きっと、一生珀ちゃん以外の人とはエッチしないわ」
「バカ。きっとじゃなくて、絶対だろ」
「そうね笑」
二人とも裸のまま、抱き合って眠りについた。
とうとう……処女、喪失。
珀ちゃんと、エッチしてしまった。
それは……。
なんと、甘美でこれ以上ないくらいの幸せな時間だったのだろう。
無論、恥ずかしさや戸惑いで、半分くらいは記憶がなかったけれども……。
珀ちゃん、ずっとあたしの傍にいてね。
そのまま珀ちゃんの寝顔を見つめながら、あたしも深い深い眠りの世界へと落ちていった。
次の日。
珀ちゃんよりも早く起き、急いでシャワーを浴びた。
何だか、股が痛い……。
股ずれしているような……。
下っ腹も、やけに痛い。
身体が、変化しているの?
これが、大人になるっていう事……?
あたし、大人になったんだあ……。
珍しく、朝ご飯を作ってあげようと思った。
まあ、パスタかオムレツしか作れないんだけれども。
「千尋、おはよ」
「おはよう。タイミングよく起きたわね。今ね、パスタ作ってるの。すぐできるから、シャワー浴びてきたら?」
う……。
恥ずかしくって、とてもではないけれど珀ちゃんの顔をまともに見る事ができない。
後ろから、ぎゅうっと抱きすくめられた。
「起きたら隣いないから、また家出したのかと思った」
「するわけないでしょ。バカね」
耳に、キスをしてくる。
「くすぐったいー!」
二人でじゃれ合って……とっても幸せなんだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?