20代最後に社会的卵子凍結をしたお話🐣
はじめまして、現在30歳で会社勤めをしています。タイトルの通り、昨年29歳の時に社会的卵子凍結をしました。
周囲にこの話をしたところ、興味を持ってくださる方がとても多く、実際にご自身も実行に移したという方もおり、意外と社会的卵子凍結の経験談は必要とされているのかもと感じたので、よく聞かれることベースでnoteにしてみることにしました。
人生の選択肢の1つとして考える方の一助になればいいなと思います!
(初noteなので読みづらいかもですが、ご容赦ください。。)
*あくまで私個人の経験談なので、価値観が合わないと思われたり、医療的に間違ってる部分もあるかもしれません。あくまで私と近しい女性の方々の参考になれば程度に思っているだけなので、本格的な検討はしっかりと医療機関で相談してください!
*読まれる方が今置かれてる状況によっては不愉快な気持ちや辛い気持ちになる可能性もあるかと思いますので、あくまで自己判断で読み進めていただけますと幸いです。
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①そもそも社会的卵子凍結ってなに?
キャリアやそのほか人生プラン的に、今は子供を持つという選択をしない方が将来を考えて卵子凍結を選択することを”社会的卵子凍結”と言うようです。(不妊治療やその他何らかのご病気を起因とする場合は医療的卵子凍結と私の行っていた病院では言ってましたが、もしかすると一般的な表現ではないかもしれません)
②なぜ卵子凍結したいと思ったの?
理由は大きく3つあります。
1.私は今現在子供を持ちたいとは思っていないものの、将来的にそういう気持ちになることはありえるなと考え、その際に自然妊娠が難しい可能性も考慮して凍結しておきたかったから。これが動機としては一番強いです。
2.加えて、私の会社では不妊治療について会話が男女や年齢問わず盛んに行われる文化で、26-7歳あたりの時の上司(男性)がまさにパートナーの方と不妊治療に取り組まれてて、「今は仕事に夢中で、それを頑張りたい気持ちはわかる。ただ将来子供を持つかどうかはともかく、若いうちから準備できることはしておいたほうがいい」と何度か話してくれたことでセミナーに参加したり、リサーチするようになり、合理的だなと思ったから。直接的な理由というよりはきっかけですね。
3.最後は、30歳手前になると一部の方々から結婚やパートナーについて追及され、「まぁ、好きにしたらいいけど、女性にはタイムリミットがあるからね」と締めくくられるのが悔しいなと思っていました。とはいえ科学的に事実でもあります。タイムリミットによって焦って何かを選択してしまうこともありそうで、怖いなと思ってました。「凍結してあるから大丈夫」と言えれば/思えれば、納得感を醸成できるかなと思ったです。(子育てには体力がいる話もありますが、リソースの問題ならやりようはあるかなと思うのです。)
③周囲はどういう反応なの?会社には説明したの?
両親含め家族は大賛成でした。友人知人ですと、私の所感ですが、女性は年代問わずとても肯定的でした。男性も30代以上くらいの方々は比較的肯定的(否定的な人がいなかったわけではない)。あと老若男女問わず合理性を重視する価値観の方々からは、素敵だね!と言われます。
一方、一部20代男性は「ちょっと引く」という方が一定いたように思います(そんな人ばかりではないですが!)。「その判断が正しいのは頭では理解できるけど、自分の彼女がって思うと無理かも」とか言われたような記憶があります(うろ覚え)
ちなみに26歳頃に不動産を購入した際も一部の同年代男性からは「引く」「無理」「結婚できないよ」と言われたものの、30代になると「良い選択したよな〜」と意見が変わっていたので、人生経験値によって変動するのかもと思いました。
そして会社にはガッツリ報告してました!上司(男性)にも「私は将来のために卵子凍結をしたいので、ちょこちょこ病院に行くためにお休みをいただくこともあると思います。」と普通に言いました。おそらく上司は驚いたと思いますが、私の会社は外資系ということもあり、多様性の重要性が常日頃から説かれていたり、私の部署にはいなかったですが、他の部署では「不妊治療のため、しばらく残業は一切できないし、急に休みます」と宣言する方々もいたので、驚いたかもしれませんが、そういった面は一切表に出さず「わかりました、必要なことは適宜共有してくださいね」と言ってくださりました。
こういったことは相談したい側もオープンに堂々と異性の同僚や上司に言わないと相手もわからないだろうと考えていて、それを言うことに抵抗感がないのも大きいと思います(生理痛でお休みします、とかもフラットに言います)。
④病院はどうやって探したの?
かかりつけ医の先生にニキビの薬をもらったついでに「卵子凍結したいんですけど、おすすめの病院教えてほしいです」と聞きました笑
「直接は知らないが、信頼できる産婦人科の病院を紹介するから、そこの先生に相談してほしい」と言って紹介状を書いてくださり、その産婦人科の先生にご紹介いただいた病院でお世話になりました!(どこの病院か気になる!!という方はご連絡ください)
⑤高くないの?保険は使えるの?
体の状態や病院にもよりますが、大体40-60万くらいだと思います。
確かに高いですが、不妊治療には数百万単位でかかると聞いていたので同じくらいを想像していたため、身構えていたほどではないと思いました。
少なくとも、人生の選択を広げられると考えたとき、私にとっては十分魅力的な投資でした。全身医療脱毛や高級バッグや旅行に30-40万かけるなら、卵子凍結を選んでもいいんじゃないか、と個人的には思っています。
ちなみに維持費も年間5万前後かかりますが、これも光熱費や通信費と同じくらいと自分に言い聞かせてます笑
保険は適用外で100%自費でした。医療的卵子凍結の場合は一部補助や保険などもあるそうですが、社会的卵子凍結は自費です。
蛇足ですが、私自身は少子化が国としての課題なら、出生までいたる確率が高いであろう卵子を有した10代後半から凍結を選択できるよう補助をしてくれればいいのに、と思ってました。
この話を病院を紹介してくださった産婦人科の院長にしたところ、とても興味深い話を聞いたのでついでにメモっておきます🐣
どうやら卵子凍結を健康な女性に推奨するような政策は産婦人科学会としてはすべきでないとしているそうな。だれもが簡単に卵子凍結をできるようになってしまうと、例えば高齢と言われる年齢になり急に寂しくなって子供を作ってしまうような選択ができてしまい、ヤングケアラーを増やしてしまう、といった子供を不幸にしてしまうような別課題が生じる可能性があるからだそうです。なので現状、社会的卵子凍結は自分で情報取捨選択し、金銭的負担を継続的に負える方にとっての選択肢とすることは、生まれてくる子供たちのためのスクリーニングだったりもするそうです。
私もこの件について自分で調べたわけではないので、もしかすると私がお話したお医者さんの個人的な見解も含まれているのかもしれませんが、「なるほどな~~~」と思いました。
日本がもっと国全体で子育てをするような国ならいいのかもしれませんが、少子化対策のために凍結してもらえばいいと安易に推奨できないことには納得感がありました。
そして突然こんな疑問を投げかけてきた患者に真摯に答えてくれた先生はとても良い人だなと思いました笑
⑥実際どういうプロセスなの?どれくらい時間かかるの?痛くないの?
確か期間はトータル1か月くらいだったと思います。まずスクリーニング検査としてアレルギー、子宮状態、卵巣年齢*などの確認をし、検査結果からGO/NOGO判定をしていただきます。GOの場合、1年間は有効とのこと。
*卵巣年齢:卵子の個数は有限で、排卵とともに減っていくので、大体は年齢相応の残存数ですが、これが年齢ごとの平均より多いと”卵巣年齢が若い”少ないと”卵巣年齢が高い”となるそう。ただ、残存個数が多くても卵子1つずつの質自体は年齢とともに受精しづらくなっていくので、多ければ良いわけではないそう。更に、平均より多いというのはうまく排卵できていない可能性もあり、自然妊娠しづらいといったこともあるそうです。
ので、迷ってる方も卵巣年齢だけはチェックしておいて、極端に少ない場合は卵子凍結を検討するというのでも良いのではと思います。卵巣年齢チェックだけだと、少なくとも私がかかった病院では血液検査のみで、結果も1週間くらいで出ました!
GO判定をもらい、プロセスが始まると、まずは卵巣刺激として排卵誘発剤の投与がはじまります。私の場合は週に何度かお腹に自己注射をしました!
(方法も色々あるらしいですが、長くなるので割愛します!)
誘発剤の利用から1-2週間ほど様子をみて、卵胞の育ち具合を調節しながら、手術日を決めます。私の場合は一時期育ち過ぎて遅らせたりしたので1.5週間ほどかかりました。
手術は局所麻酔で、モニターで自分の卵さんが吸い出されていく様子を見ながらでした。吸われた卵さんたちは隣の部屋で成熟しているかどうかチェックされ、「たまご1,2,3,確保ー!!!」みたいな号令が聞こえました。全体的にシュールすぎて途中から笑ってしまってました🐣
ちなみに膣から卵巣に麻酔を刺すのですが、めちゃくちゃ痛かったですね!手術中も鈍痛があり、痛かったです!でも看護師さんや先生が励ましてくださるし、状況がシュールすぎたので、乗り越えました。病院によっては全身麻酔もあり、眠ってる間に終わるそうで、もしまたやることがあったらそっちがいいなとは思います。。
術後点滴してもらいながら2時間ほど寝かせていただき、おいしいクッキーをもらって、そのあと無事凍った卵さんたちの写真をもらって帰宅でした。意外と回復したので、電車で帰りました!
⑦何個採卵すればいいの?どうやって使うの?
採卵時年齢と採卵数が受精確率を決めるパラメーター(あくまで目安)だそうで、もしご興味ある方は調べてみていただきたいのですが、確か当時29歳だった私は10個前後取れればsureだろうと言われた記憶があります。
片方の卵巣が子宮の裏にあったのですが、もう片方から9個成熟卵を採卵できたので、無理に子宮を貫通して採取する必要はないだろうとその場で話し合って片方からしか採取しなかったので、合計9個を凍結しています。卵を補完する管の補完可能数の関係で、採れ過ぎると維持費が高くなったのもあります。ちなみに、こういった臨機応変は相談ができるのは局所麻酔の利点だったなと思います。
いざ使うぞ!と言う際は、解凍して、精子とくっつけて受精させ、受精卵をお腹に戻して、育てるそうです。
今後もしパートナーと話し合って、子供を授かりたいと思った場合はまず自然妊娠にトライするつもりです。それでもどうしても難しい場合に使いたいなと思ってます。
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ここまで読んでくださって、ありがとうございました!
良く聞かれることをまとめたつもりですが、長くなってしまった。。
何か個人的に聞きたい方がいましたら、ご連絡ください:)
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