小休憩の文化
父は大工で子供の頃はよく現場に行って手伝いをしていた。
高いところが好きで足場の一番上まで行って、景色を眺めるのが好きだった。
でも、父の手伝いで一番好きだったのは”休憩”だった。
現場で働く職人は10時と15時に小休憩を取る。
施主さんがお菓子やジュースを差し入れてくれたり、父が好きのもの買っていいぞとジュースを選ばせてくれたりする。
現場に手伝いに行くとお菓子やジュースを貰えるとちょっと嬉しかった。
社会人になってからも実家に帰るとたまに現場に手伝いに行くと
その文化は健在で、決まった時間になると作業の手を止めて
ゾロゾロと職人が集まって、休憩を始める。
子供の頃はこの文化を特に何も思わなかったけど
今考えると、すごくいい文化だと思う。
人間の集中力が持続する限界は90分と言われているし
8時から12時までの4時間をぶっ続けで働くより
午前、午後で1回ずつ小休憩をとった方が作業効率は上がると思う。
作業の大半は1人で行うことが多いし
大工以外にもさまざまは業種が関わっている現場。
そんな現場だからこそ、小休憩の時間があることでそれぞれの業種との情報交換の時間にもなる。
アメリカでは職員が休憩できるようにハンモックがあったり、昼寝の時間を作ったりしている企業もあると聞く。
仕事に集中して取り組むには、緩急が必要なんだと思う。
それを昔から取り入れている”職人文化”はスゲーなと感じた。