立った姿勢で演奏・歌唱する時に考えるべき下半身の影響
立った姿勢で演奏・歌唱すると息や声が上手く出せないことはありませんでしょうか。
また何も持ってなければ上手くできるのに、楽器を持つことで上手くできない場合はその楽器の重さや持ち方によって姿勢(特に上半身や頭頚部)が変わっている可能性があります。
本やトレーナーさんによっては「背筋を伸ばして姿勢を正せば良い声やたくさん息が吐けますよ!」等と言うこともあると思いますが、背筋(上半身)の土台となる下半身からの影響も考える必要があります。
例えば普通に立った姿勢で背筋を伸ばすのと、膝を軽く曲げて背筋を伸ばすのとでは力の入りどころや実際に身体の動く部位は違ってきます(私は膝を曲げると腰に力が強く入ります)。
いわゆる良い姿勢を取ってみても上手く声や息が吐けない場合、原因が下半身にあるかもしれません。
そこで今回は立った姿勢で演奏・歌唱する時に大事な下半身の影響についていくつかお伝えします。
足幅による骨盤側方傾斜
骨盤の両脇を普通に立った状態で触ってみた時と、足幅を狭くしたり広くして触った時では左右の骨盤の高さが変わっていませんでしょうか?
良い姿勢を保つ上半身の筋肉をどれだけ鍛えても、背骨の付け根である骨盤の傾きが変わることで背骨や肋骨の動き(呼吸に必要な肺が囲まれている)も変わっていきます。その結果、力の入り方や伝わり方も変わってきます。
また上半身の姿勢は左右対称でまっすぐであることは無く、どんな人でも多少なりとも左右差はあるものです。
足幅によって上半身の左右差から生じた骨盤の傾斜が整う場合、必ずしも脚の付け根から真っ直ぐ下に脚が伸びていなくても問題はありません。
声や息を吐きやすい脚の幅を意識してみましょう。
足裏のマメや靴の擦り減りによる骨盤回旋
足の裏にマメがある人や靴の擦り減り方に偏りがある人は、マメのある部分や靴のすり減っている部分に体重が多く乗っている可能性が高いです。
仮に左足の親指と右足の小指の付け根にマメがあり、右足の靴の踵外側・左足の靴の踵内側が擦り減っていた場合、体重は体の真ん中では無く右半身寄りに乗っている可能性が高いです。
同時に足首を後ろから見た場合に足首は右側へ転がるような形で捻れている可能性もあります。
その場合、体や骨盤は右側へ捻りやすいと思います。
多少の捻れであれば問題無いですが、体の捻れが大きくなる事で動きに偏りが生じやすくなります。
靴や中敷、体重の乗り方などについても注意を向けてみましょう。
今回はここまでのお話となりますが、何か1つでも皆様の演奏活動の手助けになれば幸いです。
それではまた!