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エクササイズ編:立った姿勢で演奏・歌唱する時に考えるべき下半身の影響〜圧力を利用したバランス編〜

 前回の投稿でお話しした床反力は基本的に支持面となる足の裏の範囲で生じますが、実際には目に見える支持面よりも狭い範囲で床反力は生じています。

 足の裏を縁取った線の面積が見かけ上の支持面積になりますが、実際にはそれよりも狭い範囲がバランスを取るために利用される面積となります(画像は一例)。

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 その理由として、私の経験的に

・足の裏にマメができている人はそのマメの部分で踏ん張っていることが多い 

・立っている時に足の指が浮いている人は指先で踏ん張ることができず足指の付け根までの範囲でしか踏ん張ることができない

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等のことがあります。

このような場合に行うエクササイズを以下にお伝えします。

足の裏でお椀を作るように動かす(ショートフットエクササイズ)

足の裏でお椀を作るような運動を行います(手の動きに置き換えると顔を洗う時に水を掌に貯める時の動き)

この状態から

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足の裏でお椀を作るように動かします(指の関節の角度に注意)

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この時に使われる筋肉は足部内在筋という足の裏の中に位置する筋肉になります。

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 (以前、運指や押弦についての記事の中で掌の中に位置する内在筋の話をしましたがそれの足バージョンと思ってください。)

 足の裏で踏ん張るなら足の指を曲げる運動をすれば筋力がつくんじゃないかと思う人もいるかもしれませんが個人的にはあまりオススメしません。

理由として、

1. 足の指を曲げる運動で筋力をつけてもそれはあくまで足の指が曲がった時に力を発揮する運動の仕方であり、実際の足の裏の大きさ分の支持面よりも狭い範囲でしか床反力を利用できない

画像の動かし方だと指が曲がってしまい踵から指先までの距離が短くなってしまう

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2. 足の指を曲げる筋肉は土踏まず周辺を通るため、この筋肉が硬くなってくると土踏まずが下に沈み込みにくくなり、衝撃を和らげる機能が低下する。この状態が続くと足底腱膜炎という足の裏の筋肉の炎症にもつながりかねない 

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ことが挙げられます。

 また、ある研究では

「立位での床反力中心位置が、踵から足長の約30〜60%の範囲より前方に逸脱すると、母趾外転筋の活動が増加した」藤原勝夫ら:立位姿勢における足圧中心位置およびその規定要因に関する一考察. 姿勢研究,1984,4(1):9-16

という報告もあり、曲げ伸ばしという前後の動きだけでなく横方向への動きも重要になってきます。

 そこで必要になるのが母趾外転筋という親指を人差し指とは反対側に広げる筋肉です。

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足の趾を反らさずに開く(母趾外転筋エクササイズ)

 母趾外転筋を使いながら横方向への安定性を高めるエクササイズとして、

 足先が床から離れないようにしながら横に開く運動を行います。

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 足先が床から離れてしまうと足の指を反る筋肉も使われるため、床に接している足の裏の範囲が狭くなってしまいます(画像のように指を反る筋肉は足先まで付着しています)。

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 上記のエクササイズを行った後に、立った姿勢で前後方向への体重移動や楽器を持ってみてください。

 その際に姿勢が大きく崩れる事なくバランスを取れていれば、足の裏からの床反力を利用したバランスの取り方が上手くなったという事になります。



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