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ユキちゃんの爆裂ロリコンファザコン偏愛章~⑤~

私が突然「結婚できますか?」などと言ったことに少し驚いてはいたようですが、いつもの戯れ言だと思ったのでしょう。実際それは先生を困らせたいだけのキツめの戯れ言でした。「そうだね、沖縄辺りにでも行こうか」しかし愚かな私は一瞬、期待してしまいました。
振り返った私の目から涙が流れていることに気付いた先生は、慌てて訂正し始めました。「そんな風に想ってくれていたなんて思わなかった。ごめんね。嬉しいよ。でも、先生はもう歳だからすぐにユキを一人にしてしまう。それに、家のローンがあるから…」その先はもう聞いていませんでした。

車に戻っても延々泣き続ける私に先生は涙を拭いてみたり膝枕してみたりジュースを飲ませてみたり色々してくれましたが、涙の止め方は私だって分かりませんでした。「もうやだ」とだけ言えました。その日は涙が止まらないまま人目のつかない場所で車から降ろされ、歓楽街を歩き回って、キャッチや変なお兄さんにたくさん話しかけられ、ようやく涙も心も渇き切ってから家に帰りました。

それからは先生と会うと勝手に涙が出るようになってしまいました。車でも、ご飯を食べていても涙が出ます。性行為はいつだってたった1回抱き締めてもらうためだけに痛みを我慢する儀式で、私が泣いていても先生は続けるので無理矢理されている気分になりました。それでも、私が幾度と無く「もう会うのを止めたい」と言うと先生が泣いて説得してくるので、私はその説得に負け続けていました。

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