大阪の泥棒(7)
大阪の泥棒は仲間に語る。
「人との繋がりを育む」とか「未来を切り拓く」とか……。
この者は「きりひらく」という言葉を「切り拓く」と表現しているようだが、普通は「切り開く」と表現する。
この者が「切り開く」を「切り拓く」と表現する理由はわからないが、わざわざこんな変わった表現をするということは、もしかしたらこの者は「拓」という文字に思い入れがあるのかもしれない。
だから、私はこの「拓」という文字に犯人捜査の手掛かりをつかめるのではないかと思っている(と言うか、犯罪者を取り締まるのはそもそも誰の仕事?……もう一度聞く。犯罪者を取り締まるのはそもそも誰の仕事?……何度でも聞く。犯罪者を取り締まるのはそもそも誰の仕事?……)。
大阪の泥棒は犯罪仲間との関係を育んで、未来を切り拓きたいらしい(と言うか、犯罪者の未来って服役じゃないのか?……)。