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突然の長期休暇とキックボード師匠との出会い -キックボードで160キロ旅したら、路面形状を一瞬で見極めるスキルがついた話-1

突然1ヶ月の長期休暇が

僕はもともと学生時代から、海外バックパック旅行したり、自転車で数百キロ旅行したりと冒険的な旅が好きです。けれど社会人になり子供ができると、なかなか長期休みが取りづらくなり、いつしか「そんな冒険旅行はもうできない」と諦めていました。

そんなとき、前職の会社をやめてnoteに転職することに。はい。来ました。転職したことがある方ならわかると思いますが、来たんです。夢の「有休消化」。まるまる1ヶ月分休めることになりました。

突然1ヶ月休みになる、というときに「したい!」と考えることが、その人にとってのライフワークなのでしょうが、まっさきに思い浮かんだのは「冒険旅行がしたい」でした。

独身時代から大学の友達と自転車で、東京-名古屋、仙台-東京、能登半島一週など、3泊4日ぐらいで数百キロのロングライドをしていたのですが、またそれをやりたい。

早速、その友達にLINEで連絡しました。「実は転職することになったんだけど、また休みとって自転車旅行しない?」結果、既読スルー。しょうがないですよね、向こうは長期休み取れない過去の僕と一緒。むしろムカついた可能性が高い。

では一人でいこう、と考え妻におそるおそる「3泊4日で自転車旅行行っていい?」と打診。そうすると、14年間、前職で頑張ってきたことを妻は尊重してくれたのでしょう。「いいよ」と菩薩の返事。まだ小さい子供二人がいる中、ほんとありがたい・・・・・・!

ただし一つ条件がありました。

「自転車買うのだめ」

今までまずまずの自転車を持っていたのですが、1台はアパートの駐輪場に置いておいたら盗難。もう1台は電動ママチャリの稼働に負けほぼ乗る機会なく駐輪場の肥やしになり妹に譲渡。

妻にとって自転車は無駄金の極地で、購入を許してくれませんでした。

僕にすれば「人力移動」は冒険旅行に欠かせないもの。自転車に代わる移動手段を探さなければなりません。

キックボード師匠に出会う

そんな中、朝の子供の送り迎え中にキックボード師匠に出会いました。

年は40代、眼鏡をかけた中肉中背の男性。カジュアルだが真面目さを感じさせる風貌で、颯爽と赤い大人用キックボードを乗りこなしていました。

おそらく自宅から駅までをキックボード通勤しているのだと思いますが、子供に聞いたところ、通学路に出現するので結構有名だったらしいです。

皆がどこか疲れた雰囲気で下を向いて駅に向かう中、師匠は軽快なスピードで「カラカラカラカラ」と音をたて、雑踏を追い抜いていく。

大人がキックボード恥ずかしくないのかな。でも意外と早い。ちょっと羨ましいかも。と思った後、「これだ!」と閃きました。

キックボードで冒険旅行をしたい!

その日、僕はFRENZY205DBという、大人用キックボード をAmazonでポチりました。

マッチョな医大生をメンターに

キックボードが届くやいなや、早速子供と嫌がる妻を誘い、近所の公園に向かいました。子供はmicroのキックボードを持っているので先輩です。

漕ぎ出してみると予想以上にギクシャク。長距離ロングライドに備え両足で交互に漕ぐ方法を練習したのですが、利き足じゃない方がスポーツできない芸人級にカクカクと不自然で、子供と妻に爆笑されました。

無駄にプライドの高い僕の心は傷つき、旅へのテンションが下がります。

ぶつぶつ言いながら「キックボード 旅行」でネットサーフィン。その時、出会ったのが、冬なのにTシャツ一枚でキックボードを乗り回すマッチョな兄貴でした。

鹿児島から神奈川までキックボード旅行をチャレンジしている医大生。(その後、医者になったようで、旅行系YouTuberではコアなファンがついている方っぽい)

キックボードにペットボトルホルダーやバックパックをつけカスタマイズ。力強くロングライドをこなす、メンターの姿がそこにはありました。また、その人以外キックボードで旅している人は、探せた範囲では1、2名しか見当たらず、かなりのレア冒険であることも確認しました。そりゃ普通の人は自転車でしますよね。

仲間のおかげでテンションが復活し、Amazonでペットボトルホルダーと自転車ライト、チェーンを一気ポチ。キックボードスキルには依然として不安があるものの、装備面を充実させ、冒険旅行の計画を立てることにしました。

南紀白浜から伊勢神宮に向かうパワースポットの旅へ

今までした自転車旅行では、最終的には日本一周になるように出発地と到着地を重ねる形でルートを作ってきました。

今回選んだのは、南紀白浜から紀伊半島をめぐり伊勢神宮に向かった後、フェリーで愛知に向かう300キロほどのコース。自転車であれば1日で80−100キロ漕げるので、3泊4日でちょうど良い塩梅ですが、キックボードではおそらく難しい。逆に自転車に比べ、折り畳んで持ち運べる機動性を生かした輪行(自転車をバックに入れて電車やバスなどを利用すること)前提で計画しました。

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持ち物は最小限。服は毎日宿で洗う前提で2セット、雨や防寒用のウィンドブレイカーと電子機器類だけにしました。

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順調に準備を整え、1日あたりの移動距離と宿泊場所に当たりをつける。まずは南紀白浜空港からキックボードで海岸線に出て、観光名所の奇岩群を見てスタートダッシュ。

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羽田までキックボードを畳んで輪行

と思って、空港に行ってみたら、台風10何号に当たっていきなり暴風雨に見舞われました。大丈夫かな、この旅。

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南紀白浜空港。そもそも人が少ない

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