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「中日のゴメス」

 その昔中日ドラゴンズにいたゴメスという外国人選手が妙に印象に残って、父親が持ってたPCエンジンのパワーリーグって野球ゲームで(確か'93版かと思う)その選手とか友達の名前で適当にエディットしてたんだけど、PCエンジンにつながるコントローラがひとつしかないんで、ずっと一人遊びしてたっていうオチのない記憶がある。

 時期的には僕が幼稚園から小学校に上がる2000~2002年ごろだったろうか。ブラウン管の画質に日焼けした色黒の姿で映っていた。

 当時の映像をYouTubeで探してみると、あの腰をすこし突き出した前傾姿勢でピッチャーの投球をじっと見るようにしながらバットを構えた姿に見覚えがある。

 とはいえテレビでその姿を見た回数は二度も三度もない気がする。本当にたまたま父親が見ていたテレビ中継に映っていた、その「中日のゴメス」という選手が、僕とプロ野球とを結び付ける最初の赤い糸のようなものだったとでも言おうか。

 あの頃は松井秀喜がメジャーに行けばニューヨークヤンキースの帽子を被り、松坂大輔が人気者になれば西武ライオンズの青い帽子が好きになる、流されやすい子供だった。

 幼稚園では将来の夢は野球選手だと言い、小学校に入って卓球を少しばかりやったら卓球選手になるのだと言う、その程度の夢しか持ちあわせがない子供だった。

 鳥取には市民球場にプロ野球チームが来ることはあるが、都会のようにボールパークを楽しむ文化もなく、プロ野球そのもの……つまり生の試合観戦に親しみを持つ機会はほとんどなかった。

 だけど改めてオタク派閥の偏見を脱ぎ捨ててこのスポーツに目を向けるとき、ある種の刷り込みによってなのか僕の頭の中にしっかりと根を生やしている「中日のゴメス」という記憶がまるで灯台のようになって、僕にプロ野球への興味関心を与え続けている。

 たとえば今年発売された「プロ野球スピリッツ2024-2025」など実在球団が題材のゲームで、今の僕がアバターを入団させるとしたら松坂投手がいた西武ライオンズではなくゴメス選手がいた中日ドラゴンズになるはずなのだ。

 しかしながら今の中日ドラゴンズがどんな顔ぶれなのかも僕は知らないし、レオ・ゴメスなんて言ったところで細かすぎて誰にも伝わらないだろうと思っていたが、Xを見る限り今でも中日ファンやその好打に辛酸を舐めさせられた巨人ファン等は彼のことを覚えているそうだ。曲がりなりにも4番を張った助っ人外国人だから、ということだろうか。

 すべての権利関係をクリアするか、「FIRE PRO WRESTLING WORLD(ファイプロW)」のようにユーザー作成の選手をオンラインサーバーにアップロードする方式などで、もっと往年の選手を当時のオーダーで楽しめる野球ゲームがあったらいいのにな……と思うが、そればかりは「ウイニングポスト」シリーズのようにはいかないのだろう。

 もしもTCGの「プロ野球カードゲーム ドリームオーダー」にゴメス選手が参戦したら、デッキを組むこともやぶさかではないが……ちょっと今はスタートデッキにすら手が出ない。

 何を隠そう、先日中古屋で「ベストプレープロ野球Ⅱ(以下ベスプレ)」というファミコンソフトを購入し、これを使った遊びを考えているところなのだが、ベスプレは言わば野球ファンの中でも相当マニアックな「データ型」の楽しみ方をするゲームであるため、まず野球の仕組みを知らないといけない。
 なので各種配信サービスへの登録も見越して、今は野球とは何かを知る旅の道半ばだ。

これは無印のプレイ動画だが、Tチームの専用BGMである「セントポール(Our Boys Will Shine Tonight)」のアレンジが気に入り、こちらも手に入れておこうかと思案しているところだ。
個人的には阪神のヒッティングマーチというよりは柳沢慎吾の横浜高校ネタが思い浮かぶ。

「Ⅱ」になると曲づくりが少しこなれてきて、チップチューン黎明期の素朴な感じが薄れたと思った。

(了)


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