シャニアニを見てからenzaのコミュを見た人の感想【アンティーカ感謝祭】
お世話になっております。のなめです。
先日、シャニアニ2nd第2章先行上映を見てきました。
enza版のコミュの映像が来るというのが予告からわかっていたので身構えていたのですが、それでも映像や演技に圧倒されてボロ泣きしていました。
表題にもある通り、私はenza版の当該コミュを見ないでシャニアニに臨んだため、こんな話の原作を読んでいないことに少しばかり後悔がありました。そしてこれを機に原作であるコミュを読んでみようと思い立ったのです。
今回はそんな逆パターン人間の感想をお伝えできればと思います。
まず初めにシャニアニの感想から。
もうめっちゃよくて……
孤独に苛まれながらもその弱さをみせまいと気丈にふるまう咲耶さんとか、そのかすかな揺らぎを感じ取って何かできないかと模索し、最終的にはドストレートに思いをぶつける三峰とか、直接話す機会は少なかったけど心配してたのが伝わってくる霧子や摩美々とか、泣き崩れそうな咲耶をやさしく抱き留める恋鐘とか、アンティーカ全員よくってぇ……
というところで、構成が感謝祭の話ではなく、ハロウィンライブの次のライブの作戦会議にスポットを当てた脚本にしていましたね。あくまでシャニアニ時空での大きな流れのうちの一幕、といった具合に落とし込んでいた印象です。
30分(EDを抜けば20分強程度)という短い時間の中で、咲耶をキーパーソンとして据えることで咲耶の課題の提示~解決までをきれいに描き切った、という印象です。その過程で外せない部分を残し、そのほかはカットするというのは尺の都合仕方のないことと言えます。
あえて問題点を挙げるとすれば、夏目P影薄すぎ問題でしょう。正直挟み込めるスペースがほとんどなかったとも言えますが…
あと新曲はやく音源ください…お願いします……
そしてその後に原作であるenzaコミュを視聴。
当然ながら時系列的にはこの感謝祭コミュの収録のほうが先であるため、序盤のアンティーカを取り巻く空気にはどこか軽さを感じました。汎用BGMだったりと、見慣れた光景がシリアスさを弱くしていたのも影響しているのかもしれません。
ただ、中盤以降の展開はシャニアニと同じくらい盛り上がりました。特に三峰の訴えかけるようなセリフ回しがめちゃくちゃよかった。
ここからシャニアニと同じような展開になるわけですが、enza版はこの先にプロデューサーの言葉があるんです。
ここはご存じの方も多いと思いますが、未読の方は是非その目で確かめてほしいです。感動します。
ということで2つの作品を見た上で、感じたことを書いてみます。
まず総評ですが、これは似て非なる別の作品だと思いました。
そう感じたのにはいくつか理由があります。
まず、enza版をアンティーカとPの物語とするなら、シャニアニは白瀬咲耶の物語であること。
enza版は濃淡があるものの5人それぞれにスポットが当たるシーンがあり、それを観測するPが話し相手としてサポートをする構図になっています。シャニアニには描かれていないエピローグ
それに対しシャニアニはキーパーソンを咲耶に絞ることでストーリーの整合性が取れる範囲で全体を圧縮しています。ただしenza版のPのセリフが一部カットされるといった弊害もありました。
また、シャニアニは咲耶の「聞き分けのいい良い子だが、実は寂しがり」というバックボーンの補強材料として咲耶STEPを引用しています。enza版には咲耶の父のセリフが出てきますが、その名は???で伏せられています。個人的には幼い咲耶に声をかけるあのシーンがあったおかげでシャニアニの物語に没入できたと思っています。
以上からシャニアニは感謝祭シナリオ+咲耶STEPで構成された作品であり、enzaのコミュとの単純な比較はできないと感じました。
enza版はやっぱり重厚なシナリオが魅力ですし、シャニアニは映像と音楽の訴求力を再認識しました。それぞれの強みがあって、その違いを楽しむのも面白いと思います。この機会に、またコミュを読み直してみてはいかがでしょうか?