
挫折と再起【さよならカイト】
お世話になっております。のなめです。
先日、パラコレの芹沢あさひが実装されました。
ビジュアルの激変っぷりはもちろんのこと、あさひの言動やコミュの内容など、かなり考察しがいのある内容だと感じました。
さて、今回はそんなパラコレ芹沢あさひのコミュから感想を書いていきます。こんな考え方もあるのかな、程度に読んでいただけたら幸いです。
※ネタバレあります!読む際はご注意ください。
コミュに入る前に。
みなさんは、緩やかな挫折を経験したことがあるでしょうか?
何かを達成したい、こうなりたいという目標が漠然とあって、がむしゃらに走ってみたはいいものの、どこへ向かえばいいのかわからずに少しずつモチベーションが削がれていく……
そんな、決定的なきっかけを持たない挫折が誰しもあると思います。
あの時空の芹沢あさひも、そうだったのかもしれません。
物語は、あさひが2年半の海外活動を経て日本に帰ってくるところから、日本でPと再会し、芸能活動を再開するというもの。
高校中退からの2年半、おそらくは18~19歳になったあさひは別人のように大きくなり、言葉遣いもPが驚くほどに違うものになっていました。海外で一人で戦ってきた経験は、あさひを大きく成長させるには十分だったようです。

ただ、急にあさひは帰ってきました。
Pと再会後、芸能活動再開の段取りをする中で、こんな言葉を発します。

彼女が帰ってきた理由を彼女自身も掴みかねていました。
海外は身軽で楽しかった。ストレイライトで環境からくる重力を疎んでいた彼女からすれば理想的な環境であったにもかかわらずです。
その後、何か飛んでいるものを見つけるあさひ。Pが見に行くかと誘うも、話が終わってからと断るあさひ。以前のような己の好奇心に従って一直線に行動していた彼女を知っていれば、これがどれだけ衝撃的なのかがわかると思います。
話が終わってから見に行くも、カイトは飛んではいませんでした。ここで選択肢になるのですが、個人的には【Wintermute,dawn】の内容が反映されている右が好きです。

ここまでで感じたのは、あさひの海外での活動は思ったよりも過酷なものだった、ということです。
好奇心の赴くままに海外へ飛んでみて、そこには海外のルールという重力があって、その重力に適合することがまず関門であること。
さらに言えば、海外での活動はPというあさひの最大の理解者が不在の中での挑戦だったということ。
そして日本という柵を超えた先は日本以上の実力主義の世界です。いくら突出した才能を持っていたとしても、それは海外では特別なものではないというのは想像に難くありません。
結果として、身軽に過ごせた楽しい時間だったと本人は言っていますが、身体の成長とともに「社会性」を身につけなければならなかったほどに見えない努力や苦労を重ねていたのだと思います。ケガをして休んだから身長が伸びたというのは本人の弁ですが、これも真相は闇の中…ということなのでしょう。
舞台は変わって河川敷。あさひとPはカイトを揚げる集団に出会います。

今度は後悔しないように。
物怖じせずにカイトを借りて飛ばしてみる2人。なかなか思ったようには飛ばないものの、あさひは別の手応えを覚えます。

あさひが帰ってきた理由。それはPと一緒に困難に立ち向かい、突破するという「過程」の楽しさです。海外では一人ぼっちで、結果がすべての厳しい世界を生き抜いてきたあさひにとって、「過程」を楽しむという一番あさひらしい部分はいつしか埋もれてしまっていたものだったのではないでしょうか。Pだけでなく冬優子や愛依といる時間も、ステージで完璧なパフォーマンスを見せるために切磋琢磨した「過程」こそが今のあさひには欠けていたのです。だからこそ、その楽しさを再び見つけた瞬間が、あさひが帰ってきた瞬間なのだと思います。

そして、日本にはストレイライトを待ち望む声が多いというのも間接的な要因になっていると思います。日本で積み上げた実績は、ふらふらと帰ってきたあさひを迎え入れる「家」となっているような気がしました。
そうしてやっと日本に帰ってきたあさひは、Pにハンドルを託します。

感想として。
めっちゃよかった………
【Wintermute,dawn】からつながっていくパラレルとしては、これ以上なくいい結末だったと思います。
283で頑張っていた時間があさひにとってかけがえのないもので、それを思い出してくれたことがうれしい。この先はソロで活動を続けて、他のアイドルたちの目標になっていくのかもしれないし、ストレイライトを再結成するのかもしれないですが、それは皆さんの想像で描いてほしいと思います。
ここからは自分語りです。
自分は学校を卒業してから、実家から遠く離れた場所で一人暮らしをしながら仕事をしていた時期があります。
最初の1年くらいは見るものすべてが新鮮で楽しく、仕事仲間と一緒に遊んだりすることもありました。しかし翌年くらいから、仕事を頑張っていくにつれてそういう生活の楽しさは失われていき、何のために仕事をしているのかわからなくなって精神を病みました。
そんな時に学生時代の友人とたまたま会う機会がありました。
当時の思い出とか仕事のつらさを話していた中で、「ああ、自分はこういう関係に飢えていたんだな」と思い、情勢の転換期であったことも相まってその友人がいる地方に転職しました。
今回のあさひとはまた違う状況ではありますが、遠い地で一人で頑張っていると、時折自分が何で頑張っているのかわからなくなってきます。明確な目標があればそれが支えになりますが、すべての人がそういうわけではありません。
そんな時は一度立ち止まってみるのもいいのかもしれません。自分が本当にやりたかったことは、案外近くにあって見えにくいものであったり、手放してみて初めて分かるものです。ひとりで頑張る時間は確かに必要ですが、それ以上に、自分のやりたいことを見定めて、そこに身を置くことも大事なことなんだなと思いました。
それでもやりたいことがわからない、という人は身近な人に会ってみるといいと思います。あさひのように思いがけないヒントが得られるかもしれませんよ。
話が脱線してしまいましたが、今回はこの辺で終わりです。
また気が向いたら書いていこうと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。