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Day6: ストーリープロトSTEP1「物語概要」
この記事は何?
こちらの記事は、北海道上川町役場とデザイン会社グッドパッチが行う、「2050年の暮らし」を手触り感のある形で上川町で暮らす方々と描き、そこから現在を思考する「No Limitsプロジェクト」の公式アカウント記事です。
今回の投稿では、6回目として動画コンテンツ配信した内容について共有します🎥
プロジェクトについて詳しくは、こちらのNoteをご覧ください。
1. Day6の概要
Day5の後、Day6からDay8までは、動画コンテンツをNoLImitsメンバーに配布して好きな時間に見ていただき、別途それぞれのメンバーと相談会を実施する形にしました。
各々仕事もあり忙しい中でミーティング日程を合わせるのが大変でもあり、また小説を考えていくフェーズにおいてはそれぞれの進捗の差もあったため、自分のペースで動けるように考えた結果です。
Day6は、そんな動画コンテンツの一本目。
ストーリープロトタイピングSTEP1として、物語の概要をつくる内容をご紹介します。
2.小説を書いていくためのストーリープロトタイピングのSTEP1・2・3とは?📗
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ここまでのフェーズでは、まずNoLimitsメンバーみんなで未来の兆しを集めました。そしてみんなでの共有を経て自分で考えたものや他のメンバーが見つけてきたものを使いながら、社会変化仮説を対話しながら育ててきました。
これまでも個人でやったことをみんなでシェアして共有して磨いていく、そんなセッションをしていましたが、ここからはメンバーそれぞれがストーリープロトタイピング、物語を作っていくフェーズです。
ただ、このフェーズでも、孤独にずっと一人でやっていくというよりは、ステップごとに考えたことを共有しながら、対話してより良くするためのアクションを取る方法を目指しました🤝
ステップは3つに分かれています。
STEP1:「物語の概要を決める」
どんなキャラが出てきて、どんなことをするお話ですよというのをぼんやり考えていく感じです。ここは完成させるというよりは、こんな物語を書きたいなというイメージをつくっていきます。
STEP2:「プロットを作成する」
物語の骨子であるプロット作成ということで、あらすじよりもう少し内容が深く分かり、これを読めば物語が全部が分かる粒度のものをつくっていきます。
STEP3:「物語を詳細に書く」
物語を詳細に書きます。お気に入りの場面や重要な場面などを選んで、細かく書いていきます。
3. STEP1:「物語の概要を決める」方法とは?
STEP1「物語の概要を決める」についての詳細をお伝えしていきます!💪
①自分がどんなテーマをこの先の物語の軸にしていきたいか。
まず、社会変化仮説を中心にインスパイアされた情報を集めて物語のテーマを決めていきます!✨
例えば、社会変化仮説の中には、移動の制限がなくなってノマド暮らしをするという仮説や、医療が高度に発達するので人間はロボットと違うぬくもりのある対話を求められるのではないかという仮説がありました。
「自分はこのテーマで書きたいな!」ということを決めていくのが最初に取り組むことです。
また社会変化仮説は、必ずしも自分が書いたものだけではなく、「他の人が書いたものを使っても良いし、掛け合わせても良い」ということが前提です!
さらには、足りなければ新しく情報を探し、未来の兆しとして集めた情報も使いながら、テーマを考えていきます。
ここで使うのがこちらの1枚目のシートです。
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自分が影響を受けたり、気になる情報、物語の源泉となるようなことを貼っていき、インスピレーションのベースをつくっていきます。
②物語のタイトルを考えていく
テーマが決まったら、次は、「自分はこんな物語を書きたいな」と想像力を発揮していきます。これから描いていく物語を端的に伝えられるようなタイトルと概要を考える内容です。
「②物語のタイトルを考えていく」と次にご説明する「③物語の概要を考えていく」はどちらから手をつけ始めてもOK🙆
両方を行ったり来たりしながらつくっていくのがおすすめです。
ここで使うのが2枚目のワークシートです。
タイトルと概要・物語化を通じて考えてみたいこと、そしてキーワード・使いたい要素を記載する内容です。
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タイトルについては、ぱっと見て物語の内容が分かるようなタイトルを考えてみて下さい。
さらに、概要・物語化を通じて考えてみたいこととして、例えば、ロボットの話であれば、「ロボットと人間が共生するってどんなことだろう?」といった、物語を通じて書いてみたい・考えてみたいことを書いていきます。
また、色んなキーワードを挙げておくと物語を作る際、「この要素を入れたいな、入っていなかったな」と確かめられます。
③物語の概要を考えていく
物語の概要として、物語のテーマに沿った登場人物、時代、場所、出来事などを考えていきます。
ここでつかうのが3枚目のワークシート。登場人物・時代背景・場所・出来事を記載して物語のつくり(設定)を書くシートです。
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登場人物:主人公はどんな人か。年齢・性別やアイデンティティはどうかという内容です。
「こういうタイプの考え方をする人だ」というようなことが書いてあると行動する理由になりやすいです。「この人はこういう考え方だから、こういう行動をする」より、「こういう考え方だけど、意外にこんなことをしちゃうこともあるよね」など。
その他、主人公と関わる周りの人たち。学校教育の話であれば、先生と生徒かもしれないですし。大好きな居酒屋さんのママも登場するかもしれませんね。
時代背景:例えば、今回は2050年に設定しています。年代以外にも技術的な進歩や変動がどうなってるかなど、物語に関係しそうな状況としての時代背景を簡単でいいので書いてください。
場所:例えば今回のプロジェクトでは基本、上川町を考えていますが、一つの場所に決めたとしても、メタバースや外からみた上川町、上川町と関係のある場所といったいろいろな場所の決め方があります。
また、例えば医療系だったら、場所としては「病院かあるいは学校保健室もしれないし。今はまだない医療関係の場所、今後医療が行われる場所になるかもしれない」といったように考えると幅が広がっていきます。
出来事:主人公、登場人物がこの時代で織りなす出来事です。大・中・小、命に関わるような大きなイベントがあるかもしれないですし、もしくは日常的な話もあるかもしれない。それが物語にどんな意味を持つかは、これから書きながら考えていくことなので、どんな出来事が含まれていると描こうとしている未来が伝えやすいかなということを考えながら書いてもらいます。
先に登場人物、場所などの具体的な要素を書き出して、端的に伝えるための内容を作っていくというのでも良いですし、逆に、概要を決めてからテーマと合わせて、主人公などの具体的要素を決めていくやり方もできます。
もしかしたら登場人物から考えていって、「出来事は何が起きるかな」、「場所はここを使いたい」という風に書いていくと概要が書きやすくなるかもしれません。
明るい未来を描くことは心に置きつつ、物語の形を作っていきます。
ストーリープロトSTEP1「物語概要」の例
ここで、もうすこしイメージをもっていただくために、コアメンバーの一人の例を共有したいと思います!
①自分がどんなテーマをこの先の物語の軸にしていきたいか。
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ロボットと人間の共生というところに非常に興味があるので、すでにこのロボットが人と暮らしを一緒にしている仲間だという自分が立てた仮説と、マインクラフトのように色んなものが簡単に作れるような世の中になっているということをベースに、皆が色んなものを作っていく町というコンセプトの2つをベースにしようかとおもっています。
一方、兆しのところで、別の方が、外国人がどんな田舎でも一緒に働いたりすることが当たり前にというところが描かれていたので、その部分もエッセンスとして入れています。
ARが日常化していくところを描いていた映画があって、その場面が印象に残っており、それもインスピレーションのもとになっています。
②物語のタイトルを考えていく
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「ロボットと人間が共生する」ことを物語を通じて書いてみたい、考えてみたいと思いました。
キーワードとしては、人口減少はするけれどもそこで産まれた余白をロボットとか移民の方とか今までとは違う方たちと一緒に共生することによって必ずしもネガティブではない状況がつくれるんじゃないかと。今現在、小学生の主人公が進歩的で調和的な優しい価値観をベースにして成長し、思いやりが満たされるようなコミュニティを書きたいなと思いました。あとはロボットが暮らしのパートナーとして存在しているので、それだけ高度な技術だったりとか、それを受け入れる文化もあるんじゃないかといったことを書きたいと思いました。キーワードはロボット・マインクラフト・みんながつくるという意味でクリエーターエコノミーという考え方も使えそうだなとか。移民、技術的な部分で言うと自動翻訳・XRなど、書きながら加えられるといいかもなと思ったことを書いています。
③物語の概要を考えていく
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主人公は、2024年現在、上川町に住む小学生です。両親が移住してきた移住2世みたいなところです。
2050年は26年後なので38歳になっていて、男女の双子でラノベ・アニメっぽい設定にしました。ロボットの世界で、颯真くんの職業はロボットエンジニア。咲良ちゃんは元Vtuberで、Vtuber事務所の社長。上川町育ちの男性の間に授かった娘とロボットの養女メロディちゃんと暮らしていて、その二人を上川発のアイドルユニットとして育てています。その他のロボットキャラもいます。
日本の人口は減っているけれども、色んな人工生命体や移民との暮らしで、楽しく過ごしている。人は思いやりとオープンさを兼ね備えていたり、そんな世の中になってたらいいなって。
上川駅の周辺にロボットの研究所ができていたり、アイドルたちがパフォーマンスできるように技術的に優れたホールがあったり。人がいる温かみのあるところを山田家のアイドルがライブするというビックイベントを軸に、出来事を色々書きました。
ここまでが例のご紹介でした。
いくつかの発想のベースを頭に入れながら楽しんで書けることが大事です😋
ここに書いたことがこのまま物語にならなくても構いません。ベースとして、まずは自分が今の時点で何を描きたいかというのを明らかにしておくと、これからの作業が進みやすくなります✍️
「基本的には一人一つ。もし決まらない、または想像力が溢れて止まらないみたいなことがあったら、二つ書いてもらっても構わない」ということにしました。
Day6の内容は以上です。
Day7では、ストーリープロトタイピングSTEP2:プロットについてご共有します☀️
最後まで読んでいただき、ありがとうございました✨
📣最後にご案内
1つ目の投稿がこちらです!
プロジェクトで目指すものや、「No Limits」というプロジェクト名に込めた思い、メンバー紹介をしています。
また終盤で、上川町とGoodpatchの紹介もしていますので、よかったら読んでみてください📕
2つ目の投稿がこちらです🌞
1回目のWS内容と、SFとは?SFプロトとは?について紹介しています。
3-6回目の投稿では、今回のDay6に至るまでのステップについて紹介しているので、ぜひ読んでみていただけると嬉しいです☺️
また、少しでも興味を持っていただければ、気軽にご連絡いただければと思っています✨!
「全部は関われなくても、ちょっとだけ関わりたいな」、「どういうことかいまいちわからないけど、興味がある気がするな」という方はぜひ、お気軽にX(Twitter)のDMよりご連絡ください✉️!!
北海道上川町役場とデザイン会社グッドパッチは、手触り感のある形で「2050年の暮らし」を描き、そこから現在を思考する「No Limitsプロジェクト」を開始します。 #kamikawa #Goodpatch #未来 #SFプロトタイプ
— No Limits by kmkw x Goodpatch (@kmkwNo_Limits) May 16, 2024