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インペイント/アウトペイントによる修正法を詳細にご紹介!【AIイラスト・チューニング_005】

さて、今回はphotoshop等のツールを使わず、画像生成AIのリペイント機能だけでイラストを修正する様子を段階的にお見せします。
かなり具体的かつ段階的に修正過程をお見せします。これが皆様のイラスト生成の一助になれば幸いです。

今回の使用生成AIはmid/niji Journeyです。それ以外のツールでは同じような修正はできないかもしれませんが、一部でも参考になれば幸いです。
なお、mid/niji Journeyは「Remix mode」を使用する設定を前提として解説しています。

こちらが黒猫さんがよく使うniji Journeyのセッティング

▶修正箇所をチェック!

今回、使用する元稿はこちら。nijiで生成したバニーガールちゃんです。

細かい部分はさておき、大きく気になる点はこの2つ。

うさみみが不格好なのと手です。手がグチャってるのは、ありがちというか、AIイラストの宿命みたいなものですね💦 
とりあえず今回はこの2点を修正します。

▶アウトペイントで余白を作る
まずはうさ耳の修正ですが、耳を伸ばしてやるのはちょっと余白が足りない感じがします。そこでまずアウトペイントで余白をつくります。

使うのは「Custom Zoom」です。「Zoom Out 2x」や「Zoom out 1.5x」だとちょっと余白が大きくなりすぎてしまいます。そこで「Custom Zoom」を使います。ボタンを押すと、プロンプトウインドウが立ち上がります。

その最後尾に「--zoom 2」というというパラメータが付加されています。これはズームアウトの倍率を設定するパラメータで初期値として2が入っています。これを「--zoom 1.1」などに変更することで、ズームアウト率を自由に設定できます。今回は「--zoom 1.2」で余白を生成しています。
余談ですが、ここではzoom 値以外のプロンプトを変更することができます。黒猫さんはzoomと同時に「--ar」値を変更することがよくありますが、今回はzoom以外には手を加えません。

「Custom Zoom」でも4つのバリエーションが生成されます。「Zoom Out 2x」や「Zoom Out 1.5x」でもそうですが、新たに生まれた余白にはいろいろ勝手な絵柄が生成される場合が多いです。今回も右上の絵以外には謎のサインや謎のレリーフが描き足されていますね。

▶いよいよインペイントで修正するよ~🐾

このバリエーションの中から、今回は左下のものをチョイスしました。余白に新たにレリーフが生成されたバージョンですが、全体的な雰囲気は悪くないので、あえてこちらを選択していくことにしました。


修正は「Vary(Region)」を使います。修正箇所を選択して➡️ボタンを押します。 

このときプロンプトに変更を加えることもできますが、今回はなにもせず、そのままAIの判断で修正をしてもらいます。

「Vary(Region)」でも4つのバリエーションが生成されます。インペイント修正をした部分を拡大してみてると、それぞれ個性的にうさ耳が修正されてるのが確認できます。ここでどのバリエーションを選ぶかは好みの問題ですが、今回は右上のちょっと曲がった耳を選びました。

▶さらに手を修正

つづいて同じように手も修正します。複数箇所インペイント修正の必要な箇所がある場合は、面倒でも1箇所ずつ分けて修正をしていきます。機能的には何箇所も同時にインペイントできますが、それらの修正箇所が全部揃ってベストになる確率は低いため、面倒でも個別にインペイントしたほうが結果的に効率は上がります。 

とはいえ、指のリペイントは難易度が高いので、なかなかいいのが引けずにひたすらインペイントをくりかえしました。

mid/niji Journeyの生成履歴画面にずらっと並ぶバニーさん。手の生成はインペイント修正でもかなり苦労を強いられる。
左側が元稿、右側がインペイントで修正したのも

納得の行く絵はできてないのですが、キリがないのでこちらのバージョンで妥協することにしました。

▶とりあえず完成です!

というわけで、アウトペイント&インペイントによる修正の完成です。生成AI(niji Journey)のみを使って行う修正、いかがだったでしょうか。


▶おまけ

今回は生成AIによる修正というテーマで、「最低限」の修正点2箇所のインペイント修正をお見せしました。
しかし、ちゃんとしたイラストにするにはまだまだ修正箇所は多く、実際のところインペイントの修正だけでは満足行く完成度に持っていくには時間と手間が掛かりすぎてしまいます。
現段階のAIの生成クオリティでは、やっぱり最終的な仕上げは手描きによる加筆・修正が不可欠だな、と痛感させられます。
というわけで、最後に手描きによる加筆・修正を加えた完成版のイラストを載せておきます。細かい部分含め、ものすごく複雑に手が入っています。

インペイント修正版と完成版の比較。首、胸あたりの背景や造形をかなりスッキリさせている。うさ耳やしっぽにも手を加え、よりバニーさんらしさが出るようにしている。他にも髪や手など、かなりの箇所に微調整を加えている。まだまだ修正したい箇所はあるがキリがないので、とりあえずはこんなところで。


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