【プロンプト付き】AIイラストの表現力、半端ないって!【黒板アート編】
黒板アートは、黒板にチョークで描かれるアート作品です。白やカラーのチョークを使い、独特の質感と柔らかい表現が特徴です。
チョークの線は少し粗く、ぼんやりとした輪郭や陰影を持ち、温かみのある雰囲気を生み出します。アートとしての黒板デザインは、カフェのメニュー、学校の掲示板、店舗の案内などで使用されることが多く、手描きならではの親しみやすさが評価されています。
▶えっ黒板アートをデジタルで!? できらぁ!
アナログ手描きの極致のような黒板アートを生成AIで再現しちゃおうっていう発想はちょっと面白いと思いませんか。
そんな発想を形にする手段はきっとあります。イラスト生成AIは、工夫次第でなんでも描ける可能性を秘めています。その秘めた力を引き出すために知恵と工夫でプロンプト・エンジニアリングに挑戦していく。それこそが生成AIの醍醐味なのです。
▶黒板アートはけっこう難しい
黒板アート生成のキーワードはどストレートに「blackboard art style」、と行きたいところですが、これだけだとあまり上手く黒板アートが生成されないと思います。
こんな風に絵の描いてある黒板の前にいる犬や猫の絵になってしまったり、黒板そのものが絵の一部になってしまうことが多いです。ときどき黒板アートぽくなってはくれますが、かなり打率の低いプロンプトです。
そこで「Picture drawn with chalk on a blackboard(黒板にチョークで描いた絵)」という一文を付け加えました。
AIにやってほしいことを伝えるときは、単語の羅列より文章で書いた方がより鮮明に伝わる場合があります。同じ内容でも表現方法は何種類もあるので、いろいろな書き方のプロンプトを試してみるといいと思います。
ようやく黒板に絵を描いてくれるようになりましたが、いまひとつ黒板アート感がありません。そこで先ほどの文を少し変えて「Picture rough sketch drawn with chalk on a blackboard(黒板にチョークで描いたラフスケッチの絵)」としてラフな感じで描くよう指示を加えてみました、
まずまずそれっぽい絵を生成できるようになりました。
▶スタイライズ[--stylize/--s]とRAWモード[--style raw]
ここでスタイライズとrawモードによる補正を入れます。
スタイライズ(--stylize/--s)は、イラスト生成にどの程度プロンプトを反映させるかを調整するパラメータです。1~1000の値で設定でき、数値が高いほどAIの独自スタイルが強く反映され、低いほどユーザーのプロンプトに忠実なシンプルなイラストが生成されます。
RAWモード(--style raw)は、AIによるスタイルの自動補正をほぼ排除し、プロンプトがそのままストレートに反映されるスタイルのモードです。通常モードでは思った以上にAIが好き勝手な補正をしてくれちゃいます。なので、プロンプトを活かそうと思ったら--style rawは欠かせません。
これは【子供の落書き編】でも使ったテクニックですが、ラフさを出したいときや複雑なプロンプトをできるだけ確実に効かせたいときなどはstylizeを極端に下げて(今回は--stylize 5)、さらに--style rawを効かすといいです。
これでかなり黒板アートっぽくなりましたね!
今回のようにstylizeを低めに設定し、かつ--style rawを効かすことで、よりプロンプトの注文(今回は”Picture rough sketch drawn with chalk on a blackboard”)をダイレクトに反映してもらえます。
stylizeやstyle rawに関してはそのうち別稿として詳しく解説しますね!
▶黒板アートのプロンプト
ここまで書いてきたプロンプトをまとめると上記のようになります。さらに黒板アートっぽくする演出法として「文字を描く」というのがあります。
▶黒板アートを演出する
文字を描くと一気に看板アートっぽさが上がります。”おめでとう”の文字と、さらにお花なども添えてみましょう。
さらにいろいろ工夫して楽しい黒板アートを作ってみてはいかがでしょう。
最後に、独自にプロンプトを練りこんだ作例を載せておきます。自作の参考にしてみてください。
ちなみにこちらは生成した黒板アートを、別に生成した黒板の背景に合成して教室っぽく仕上げたものです。背景素材として無地の黒板おいておきます。この画像に限りご自由にお使いください。