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未だにカラーレスメイクから抜け出せない、あゆど真ん中世代が本気で語る、『M愛すべき人がいて』(ドラマ)レビュー

一説によると、女性のメイクというのは10代後半〜20代の時のトレンドの影響というものを最も強く受け、その後はなかなかアップデートすることは難しいらしい。

2000年当時のあゆメイクを施された安斉かれんは令和の今見ても美しく感じられた。
あゆのメイクは今見ても素晴らしいというのもあるけれど、自分の美的基準や価値観がこの頃から抜け出せていないことをほろ苦く思った。(赤リップより、ファンデで唇の色を消してMACあたりの透明グロス塗り塗りするほうがしっくりくるのです。やらないけどね!)

初めての電話は受話器を
持つ手が震えていた
2回目の電話はルスデンに
メッセージが残っていた
7回目の電話で今から会おうよって
そんなふつうの毎日の中始まった

かのappearsの歌詞である。
(この歌詞をそらで入力できてしまった自分に呆れる) 

 https://youtu.be/BnHyvXA7n7c

第1話で良かったところは、原作本の中でも丁寧に描写されているこのエピソードを、余計な演出をせずに見せたところ。
ちなみに、マサからの初めての電話をとったアユの手がちゃんと劇中でも震えていたんです。そのお芝居の細やかさに私も震えました。
そうそう、高橋克典演じる社長の車に乗せられる場面。車窓に映るあゆの画角がMVっぽいのも良かった(確かLOVE〜Distiny〜に似たようなカットがあったような)

良かった点は以上です。

マサ役は適任だったのかとか、田中みな美演じる秘書のブッ飛んだ演技とか、高橋克典VS高嶋政伸の大河か! っていうギラギラ演技については散々他でも語り尽くされてるので、他に譲ります。個人的に安斉かれんの台詞の言い回しはあゆのボソボソ喋りに通ずるものがあってさほど悪くないと感じました。
とはいえ気になったのは某TKを彷彿とさせる人物。
これだけ濃いメンツ揃いの中で、彼くらいもっとあっさりとした演出でも良かったのではと思いました。ご本人は圧倒的に「静」の印象の人なだけに、違和感を余計に覚えました。

さてそんな私が思わず、画面を二度見したのが最後の場面です。
「俺の作った虹を渡れい!!」
おそらくキムタクが言ってもサマにならないこの台詞。
鈴木おさむ氏、いくら何でも筆がノリにノリすぎだよ!! 筆がEZ DO DANCEかよ!!

原作を読むとわかるんですけど、内容はセンセーショナル(といいつつファンの間ではわかりきってたことなのですが)だけど、作品としては結構まともなんです。だからもう少し綺麗にまとめることもできたと思うんです。

ここまでやる必要がある? とも感じたのですが、
その答えは脚本の鈴木おさむ氏のコメントにありました。

アユとマサの物語「M」。夢をみなければ何も始まらない。この原作に大映ドラマのような衝撃なキャラクターも登場するオリジナリティーも足して、新たなシンデレラストーリードラマとしてお届け出来ると信じております。 鈴木おさむ

山口百恵と三浦友和の赤いシリーズでお馴染みの大映ドラマ! 目指す方向性はそこだったのねと目から鱗です。
大げさな演技に現実離れした台詞の数々に戸惑っていたけど、全て笑わせる前提で製作してるんです。
大いに笑って見ればいいんだなとわかりました。
田中みなみの眼帯にみかんの皮かよ! 最中かよ! っていうツッコミが出ることまで想定済。台詞や小細工がすべて「フリ」になっていて、視聴者のツッコミがあってはじめて完成する「ツッコミ待ち」の作品なんだなと。そう解釈したら腑に落ちました。
笑いつつも当時のヒット曲を懐かしみ、「今聞いてもいいよねー」と言い合うくらいの楽しみ方がちょうど良いのでしょう。

しかし、今回の第1話に最も貢献したのは、演者でも脚本でも楽曲でもなく……。
間違いなく、max松浦の大麻使用を報じた週刊文春でしょう。

https://bunshun.jp/articles/-/37224?page=1

ドラマオンエアの数時間前にダイナマイト級のご祝儀の文春砲!!
ここまで来ると嫌がらせを超えてもはや、愛されているとしか思えない。
こんなの見せられた後で、
「俺は神様ではない。しかし、神様の声は聞ける」
なんてマサの台詞をどういう顔して見れば良いのかと。神様の声が別の何かに思えて困ります。 

 とはいえ。
当時みんなが憧れてなりたかったあゆ。
カラオケで新曲を競い合うように歌って、マルキューでたむろしていた同士よ。
私たちのあゆがこんな描かれ方でいいの?

私たちの“あゆ”は、ファンにも手に負えない
モンスターになってしまったね。

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#M愛すべき人がいて #浜崎あゆみ #max松浦 #ドラマレビュー #TVドラマ #鈴木おさむ

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