努力していくこと
キタリナQの店員としてなってないながらも頑張っているところですが、最近折に触れて思い出すのは自分の師匠との思い出です。同人業で師事を仰いでいたものの本職は料理人でしかも結構ええところの坊ちゃんだったと聞きます。
ある時たまたま飯をおごってもらったときのこと。ワンプレート500円のなんてことはないランチでした。二人きりで飯なんてことも珍しかったので自分もはしゃいでいたのですが、師は出てきた飯に何となく難しい顔をしていました。普段うまいもの食ってる人はこういうのいやなのかなと思ってうっかり「おいしくないですか?」って聞いてしまったのですがそこからでてきたのは自分も思いもしてない言葉でした。
「いや、いろいろ考えているなと思って」
なんのことかわからなかったので聞き返すと「ほぼすべてのメニューの食器を統一してる、これはコストが落とせるし管理も楽。木のプレートは傷みが早いが割れないし、逆に衛生的かもしれない。この紙も皿を傷めない工夫なんだろうな」みたいな話をあれこれしてくれました。
自分の父親がだされたものにケチをつけるのが当たり前の人だったので何気ない食事のよいところを見つけられるその姿にとても感銘を受けました。(そもそも普段は結構口の悪い人だったのもあったので) そして最後にこう付け加えました。
「頭が悪いと、それだけで人の努力に気が付けない」
当時はなるほどなぁくらいでしたが、今になって痛感している。人の好い所を見つけるのは本当に難しい。理由は自分に引き出しがないからだ。いろいろな障害を乗り越えて店に来た子に少しでも優しい言葉をかけてあげられるようになるにはやはり勉強や努力が必要なのだなと、ひしひし感じている。
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