Catoクラウドが、ガートナーのシングルベンダーSASEでリーダーに選出
いつもご覧いただきありがとうございます。
今回は、2024年7月3日にアメリカ調査会社ガートナー(Gartner)のシングルベンダーSASEのマジック・クアドラント(Magic Quadrant for Single-Vendor SASE)が発行され、真のSASEである Cato Networks 社の Catoクラウドがリーダーに選出されたことについてです。
シングルベンダーSASE市場は、引き続き活況で、現在利用可能な製品が増えています。ガートナーは、このリサーチレポートを使用してベンダーを選定する際のマーケティングの誇大広告を見極めるべきだと記載しています。
そして、2027年までに、新しいソフトウェア定義WAN(SD-WAN)購入の65%が、シングルベンダーSASEとなり、2024年の20%から大きく増加すると予想しています。
SASEの標準機能
プロキシを介した安全なウェブアクセス(SWG)
インラインSaaSアクセス制御(CASB)
プライベートアプリケーションへのID、コンテキスト、およびポリシーベースの安全なリモートアクセス(ZTNA)
アプリケーション(IP/ポートではなく)に基づいて複数の物理的に接続されたWANインターフェイスからの動的トラフィックステアリングをサポートする拠点アプライアンス(SD-WAN)
ファイアウォールサービス(FWaaS)
SASEのオプション機能
リモートブラウザー分離(RBI)、ネットワークサンドボックス、DNS保護、SaaSへのAPIベースのアクセスによるデータコンテキストおよび構成情報、ウェブアプリケーションおよびAPI保護などのセキュリティ機能
強化されたインターネットおよびプライベートバックボーントランスポート、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)、外部DNSサービス、クラウドオンランプ(パブリッククラウドネットワーキングサービスとの統合を簡素化および自動化)、または拠点ルーティングなどの高度なネットワーク機能
マジック・クアドラント(Magic Quadrant)
Cato Networksについて
Cato Networksは、シングルベンダーSASEマジック・クアドラントでリーダーです。
Cato Networksの市場における主要な提供サービスは「Catoクラウド(Cato Cloud/Cato SASE Cloud)」で統合されたSASEプラットフォームです。
サービスの展開は、主に北米、ヨーロッパ、アジアで行われています。
顧客はすべての規模になりますが、中規模企業が集中しています。
将来の投資は、セキュリティポリシー管理の簡素化、AIの活用、オンプレミスのセキュリティの強化に焦点を当てると予想されます。
Cato Networksの強み(Strengths)
統一されたプラットフォームを介して提供される単一でシンプルなUIを提供します。
市場を牽引した早期のパイオニアであり、計画された革新が市場の形成を継続すると期待されます。
本調査の他のベンダーと比較して、顧客体験が平均以上です。
マジック・クアドランド(MQ)の考察
日本国内で最もメジャーなリサーチレポートであるガートナーのマジック・クアドランド(MQ)で、真のSASEであるCatoクラウドがリーダーに選出されました。
過去の海外リサーチ結果については以下を参照ください。
特に、日本のお客様は、ガートナーのマジック・クアドランドのリーダになっていないと納得がいかない方が多いので「やっとか」と言う思いです。
今回リーダには、Cato Networks以外に、Palo Alto Networks、Netskopeの3社が選出されていますが、それぞれの注意点としては以下が述べられています。
Palo Alto Networksの注意点(Cautions)
顧客のフィードバックとガートナーの分析に基づくと、Palo Altoの提供はこの調査の他のベンダーと比較して高額です。
他のベンダーと比較して、非英語のUI、ドキュメント、および技術サポートのサポートが限られています。
新しいStrata Cloud Managerは、以前のユーザーインターフェースよりも直感的ではありません。
やはり、Palo Alto Networks の Prisma Access を中心とした Prisma SASEシリーズは非常に高額です(※ちなみに Prisma SASE という製品はありません)
契約更新の都度値上げが行われるため、別製品への乗り換えも増えてきています。
また、ご存知の通り、各機能はM&Aで買収しているため、コンソールはバラバラで統合されておらず、直観的ではありません。
特に、お客様ご自身で設計/導入(設定)するのは非常に難しく、インテグレータへ依頼するケースが殆どです。
自社の内製化を検討されているお客様には不向きと言えるでしょう。
Netskopeの注意点(Cautions)
プラットフォームの完全な機能にアクセスするためには、複数のコンソールを使用しなければならない。
一般的に利用可能な(GA)製品として市場に遅れて参入したため、他の評価されたベンダーと比較して経験が不足しています。
ベンダーに関する財務情報が限られており、長期的な存続可能性に対する不確実性が生じています。
Netskopeは、今回初めてシングルベンダーSASEのマジック・クアッドランドに選出されました。
SD-WANの Infiot を買収し、Netskope One SASEとしていますが、自らをCASB(SSE)として謳っているため、SASEとして採用(利用)されている例は殆どないです。
以前から指摘されている財務面でのリスクが、今回ガートナーからも指摘されています。
財務面を補うためからか、ZscalerやPalo Alto Networksと同じく(またはそれ以上に)契約更新の度の大幅な値上げがあるため、別製品(SSE→SASE)への乗り換えも非常に多くなってきています。
その他のリーダ以外のSASEベンダーについては、今回取り上げるのはやめておきます。というのも、今回のガートナーのシングルベンダーSASEのマジック・クアドラントについては、今後、Cato Networks社が日本語に翻訳し無料で公開を行う予定とのことですので、実際のリサーチレポートが公開された時に、改めてご紹介します。
いずれにせよ、SASEは、シングルベンダーSASEを選択されることをオススメします。