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「多才なマルチアーティスト」作家紹介③ Kojiさん

こんにちは、文芸部員の百瀬七海です。

私が大好きな作家さんのひとり、Kojiさんを紹介させて頂きます。

文学とアート。
言葉で世界を書き、イラストでその世界を魅せる。
書くこと、描くことで、奥底までその心を表現していく、まさにマルチアーティスト。
そしてその才能は、手作りブックカバーのお店、「心象風景」でも愛されている。

私がKojiちゃんのことを知ったのは、この「心象風景」のnoteでした。
そんなときに始まった、Kojiちゃんの名付け親企画。この企画で公開された5つのイラストを見た私は、心が震えました。書きたいという気持ちが溢れすぎて、止まりませんでした。

Kojiちゃんの才能は多岐にわたっています。
イラストで感じる世界。
見る人によって、感じ方は人それぞれだと思いますが、そのイラストに添えられたエッセイや小説を読むと、どれもが深く心を揺さぶります。そして、涙が溢れてしまう。悲しいとか、切ないとか、そんなひと言で片付けることのできない、心の奥底から溢れ出す感情。
Kojiちゃんの言葉に触れ、ふたたびイラストを見ると、最初にイラストを見たときの感情が、より深く胸に刺さるのです。
その胸に刺さったものは、とても鋭いのに、温かくて優しい。傷つけられた痛みではなく、刺さった場所から、自分が抱えていた負の感情をそっと流してくれる。

それでは、私が勝手に選ぶKojiちゃんのオススメ10選。
まずは、イラスト&エッセイから。




「朝」
私の大好きなイラストであり、エッセイだ。
朝がくることは、当たり前なのか?
太陽がのぼれば、それは朝なのか?
待っている「朝」は、「心の朝」なのだ。

強くもなりたくないし、弱くもなりたくなかった。涙も流さず天井ばかりを見ていた私は、窓から差し込む光を見て、ようやく泣くことができた。そして、笑うことができた。

この言葉が、胸にささった。
朝を信じ、泣けたこと。朝を信じ、笑えたこと。
「心の朝」は、毎日変わらずやってくるものではない。大切なものを守りたい、信じたい、そう想う確かな気持ちが、朝を連れてきてくれる。


「ことばの海」
こんな海があったら、私はそこで、溺れていたい。そう思いました。
「ことばの海」というタイトルも素敵だし、書くことを大切にしている私たちにとって、ぜひイラストを見て、エッセイを読んで、感じて欲しい。
広くて深い海には、自分の知らない世界も、見たことのない世界も、きっとたくさんある。
そこに浮かび、そこに沈み、溢れ出る想いを言葉にする。

言葉は大きな海からいくらでも作り出せるもの。

言葉が溢れ出すとき、私も海を感じることがあります。想いを言葉に変換するのが追いつかないときほど、海を深く感じます。
このイラストのブックカバーは、私の大切な世界を、そっと守ってくれています。


「色渡り」
好きな色が、その時々で違うという感覚。
マルチアーティストKojiちゃんならではの感覚なんだなと思う。
そもそも、好きな色なんてひとつに決められるわけがない。私だって、雲ひとつない真っ青な空色も好きだし、濃紺とオレンジの混ざる、夕方の空色も見ていて飽きない。
優しい若草色にも心惹かれる日もあるし、朱色をした月の色にも惹かれる。
その感覚が、たくさんの言葉を生み出していく。

世の中には、本当にたくさんの色がある。「たくさん」という言い方も陳腐に感じるほどに、その種類は無限だ。
そんな無限の世界において、自分を表現する色を1つや2つに絞ってしまうことは、私にとってかなり勿体無いことだった。

私も昔、オレンジ色の傘が欲しいと言ったときに、「オレンジが好きなの?」と不思議がられたことがある。それくらい、私の持ち物にはオレンジ色のものは存在しない。実際にそのときに使っていた傘も違う色だった。
でも心を明るくしてくれるような、そんなオレンジ色の傘を求めてる瞬間があった。その感覚、大切にしようと思います。


「砂の雫」
伝えたい想いを言葉にするとき、それを100パーセント、言葉に変えることはできないと思う。
その想いが深ければ深いほど、ひと言では伝えられない想いがあり、言葉にはできない感情をそっと自分の心に抱きしめてしまうことも、少なくないと思う。

自分の砂も、誰かの砂も、私はきっと拾い続けて、想像して、文章にして、時に苦しみながらも、そして、最後には微笑みながら物語にしていくだろう。

そんな感情を大切にしたい。
抱えきれなかった想いを、ちゃんと抱きしめてあげたい。
それも私の感情だから。


「心声-おと-」
見えないふりをしたい現実もある。知らないふりをしたい現実もある。
それは、きっとそう感じた時点で、自分のことを幸せにはしてくれない。
だから、自分の心の声にフタをして、なかったことにしてしまえば、楽なのかもしれない。
でもそれは、自分の心を深く深く裏切る行為だ。欺く行為だ。
自分の心の声を聴くことができるのは、やはり自分だけなのだ。周囲にいる大切な人も、気づいてはくれるかもしれない。だけど、心の奥底に閉じ込めようとしている感情に、素直になることができるのは、最終的には自分だけなのだ。

何も考えずに目を背けるのだけはやめてほしい。背けるかどうかは、一度その"気持ち"を考えてみてからにしてほしい。

ちゃんと、自分の幸せを考えて欲しい。
心の声に、耳を傾けて欲しい。
あなたは今、幸せですか?
そう、問いかけて欲しい。


Kojiちゃんの手作りブックカバーのお店「心象風景」への想いを綴ったエッセイ 。
大切なもの、大切な想い、さまざまな葛藤、苦悩。
Kojiちゃんの描いたイラストに、なにか感じるものがあったら、ぜひ「心象風景」を覗いて欲しい。
世界一のブックカバーじゃなくて、たったひとつのブックカバーなのだ。それを届けるたいというKojiちゃんの想いは、優しくて温かい。


毎日を充実させるって、なかなか難しい。
日々の限られた時間は、本当に一瞬だ。待ってはくれない。

だから目標は本当のゴールではない。私たちの本当のゴールは共通して「死」だ。それまでの道のりというのは、ずっと旅なのだ。

人生は旅そのもの。
刻々と過ぎていく時間の中で、私たちは自分の旅をしている。
小さな幸せを感じながら。今日も小さな幸せに出会えたことに感謝しながら。
毎日の確かな道のりが、私たちの人生を彩っていく。
心が潤うエッセイです。


言葉について書かれた小説だ。
Kojiちゃんの書いた小説は、Kojiちゃんにしか書くことのできない、そんな色がある。
口先だけの言葉は、相手の心に届かない。
私たちは、そんな言葉をきっと毎日使っている。そして心の底から溢れ出す言葉は、優しさにも凶器にもなる。

本当の声は、他人に合わせて”出す”ものではなく、自分の心から自然と”出る”ものなんだ。

自分の心を言葉で伝えることの大切さを改めて考えさせられた。


全11話の小説、背仲。
生きていくこと。
私たちは、生活をする上でいろいろな方の背中を見ることがある。
小さいころ見た両親の背中はきっと広くて、歳を取った両親の背中は、きっと小さく感じることだろう。
この物語でKojiちゃんは、そんな背中のことを「背仲」としている。
背中を抱きしめる。それは寄り添い、心を通わせようとする、ふたりの仲をこの二文字で表現しているのかもしれない。
人と人は、完全には分かり合えないかもしれない。でもその背に触れるという行為は、信頼の証、そんな風に受け取った。
私の陳腐な言葉よりも、ぜひこの小説を読んでほしい。


Kojiちゃんの想いが詰まった、たくさんのイラストギャラリー。
このたくさんのイラストたちが私たちに与えてくれる想いは、きっとひと言では言い表すことができない。
直感でなにかを感じることもあれば、ただただその雰囲気に惹かれることもあるだろう。
それはKojiちゃんのエッセイや小説を読んで、深く深く何かを感じさせてくれるだろう。
Kojiちゃんの世界を存分に味わう前に見て、味わったらもう一度覗いて欲しい。


Kojiちゃんの世界は、優しさを教えてくれるだけじゃない。
飾らないその世界観が、Kojiちゃんの心を表している。
たくさんの悩みや葛藤を抱え、Kojiちゃんは表現し続ける。
だからKojiちゃんの描く世界は、心惹かれるものが人それぞれ違うし、私たちの心に大切なことを教えてくれる気がする。
「マルチアーティストKoji」は、これからもその色を世界に魅せてくれる。
私たちの感情を、揺さぶり続けてほしい。


◇◇◇


* 手作りブックカバーのお店「心象風景」はこちら *

現在お店は一時休業中(準備中)。2月1日から再開予定とのこと! 
楽しみだね! 待ってるね!





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