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タイ人大学生のペットに対する価値観~手放すなんて日常~

「子供が生まれたら犬を飼いなさい」

このイギリスのことわざは、犬は子供のよき遊び相手、理解者となり、自らの死をもって子供に命の尊さを教えるということだ。現代ではペットは家族の一員である。どんなことがあろうと見捨てない、これがペットを飼う人の覚悟だと思っていた、タイに来るまでは

友達の家にいた一匹のかわいい猫。
ある日、その友達の家に遊びに行ったらその猫はいなかった。
「あれ?猫は?」
「もう友達にあげたよ」
「え、、、、、、」
言葉を失った。ペットをあげるってどういう事だ?!そこからタイ人のペットに対する考え方に違和感を感じるようになった。また違う友達は
「来月から授業忙しくなるからFacebookに投稿して売ったよ」
大学生である彼らは来学期のカリキュラムを把握してるのにも関わらず、忙しいという理由だけでペットを手放す。

タイのFacebookにはペット売買専用のグループがあって、そこに投稿されてるのは
・「来月から忙しくなるので、引き取ってくれる方DMで」
・「卒業して実家に帰るので猫引き取ってきれる方探してます」
・「エサ代、トイレ代が高くてこれ以上養えないから新しいオーナー探してます」
・「この猫の彼氏(彼女)を探しています。子猫が生まれた後の交渉などはDMで」

投稿の一部

このような投稿が非常に多く見られる。中には生まれた子猫を少しでも高く売って、生活の足しにする学生も少なくない。
この場ではタイ人の大学生に限定して言うが、彼らにとってペットとは寂しさを埋める存在であり、時に人から注目を寄せ付ける、言わばアクセサリーのような存在で、家族という概念はないように思える。ナイトマーケットを歩けば、猫用リュックを背負いながら歩いてる人を多く見かけるし、公園にいけば、リードをつけた猫をたくさん見かける。引っ越しや新しい環境を嫌う猫にとってはストレスフルに違いない。

このことについてある友達は、「タイでは昔から害虫に穀物を食べられないように猫を飼ってたから、欧米みたいなペット文化がまだタイでは根付いてないの。」この言葉を聞いて、自国のペット文化の常識を外国にも当てはめるというのも野暮だと思うようにもなった。例えば、多くの国で飼われてる大人気の猫種の【スコティッシュフォールド】は、ベルギーのある地方では折れ耳の猫の繁殖と販売が禁止してる。その他に、野生動物としての本能が強く、人間社会での飼育には適さないと考えられてる動物の飼育はその国の法律、規制、動物保護のための施策次第による。

様々な角度から彼らのペットに対する振る舞いを理解しようと試みたが、一度飼うと決めたペットを簡単に手放す彼らにはやはり賛同できない。これが今の私の正直な気持ちだ。


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