編入合格体験記 岐阜大学 電気電子・情報工学科

はじめに

岐阜大学、電気電子・情報工学科に合格をいただきました
岐阜大学は、願書提出時に募集要項を取り寄せないといけないので注意が必要です(今後変更になる可能性あり)
直接岐阜大学に行って、募集要項を貰うことも可能です

岐阜大学について

岐阜大学は駅から遠いが、岐阜駅から名古屋駅までは20分で行けます。
バスは長蛇の列のため一限は30分近く並ぶ必要があります。おそらくこのアクセスの悪さが岐阜大学1番のデメリット。

下表は、名古屋駅からそれぞれの大学まで何分で行けるか示したものです。
(名古屋駅から)
名工大   200円 15分
岐阜大学  840円  1時間4分
三重大学  1210円 1時間16分
豊橋技科大 1770円 1時間31分
静岡大学  6970円 1時間32分

岐阜大学周辺(徒歩15分圏内)にアパートが沢山あり、同じアパートがほぼ岐阜大生です。
家賃がとても安く、三万程度でも、家賃の割にいい物件があります。

大学にありがちな理系だけ離れた場所にキャンパスがあるような大学と違いワンキャンパスです。
(ワンキャンパスなので、単位認定されなかった場合でも、二つのキャンパスを行き来する必要は無いです)

岐阜大学は、工学、農学、医学の理系が強い大学であり、特に農学は、中部地方で名大に次ぐ2番手。
獣医は、中部地方唯一の国公立大の獣医学科

名古屋大学と法人統合したため、名古屋大学の授業を受けられたり、図書館を使えたりします。

単位変換について

https://www.eng.gifu-u.ac.jp/file/r2syutokutani.pdf

岐阜大学の電気電子コースは、単位認定が最大111単位認定されます。
個別認定なので111単位認定されるとは限らないですが、全て認定された場合、残り21単位で卒業できます。
電気、情報、生命化学コースの認定単位数が多い理由は、必修科目以外の認定も認めているからだと考えられます。

機械コース、物質化学コースに関しては、88単位、生命化学コースは87.5単位一括認定です。
一括認定なら違う学部(文系など)から編入した人も単位認定してもらえるので安心です

個別認定の学科でも、1,2年次の必修科目に関しては一括単位認定してくれる場合もあり(詳細はリンク先の資料を参照)その場合には授業の時間が被ってて受けられずに留年するという心配がないです 

高専5年生の授業科目は大学3年次に開講されてる場合が多いため、編入後の単位認定のために無理して取る必要はありません。
なぜなら大学1,2年次の科目しか単位認定されないからです。

工学部便覧について

https://www.eng.gifu-u.ac.jp/file/2020binran.pdf

電気電子工学科は105ページ以降に記載されています。
教養科目、基礎科目、学科共通科目、コース科目から構成されています。
基礎科目は工学部共通となっていますが、学科によって必修科目が異なります。
また、コース科目の他に学科共通科目というものがあり、電気電子情報工学科の場合、電気を選択したとしても情報の授業も受けれるようになっています。

倍率(工学部)

令和4年から令和6年の平均倍率は
社会基盤工学科   1.19倍
機械工学科     1.52倍
化学生命工学科   3.50倍
電気電子情報工学科 3.15倍

社会、機械科はそれぞれ5人づつ募集しているのに対して、化学、電気、情報、物理科は全て合わせても募集人数が5人なので倍率が高くなっていると考えられます

倍率(電気)

受験者数 合格者数、入学者数(電気電子コース)
令和4年 5人   3人 2人
令和5年 11人 3人 1人
令和6年 10人 3人 0人
令和7年 9人   3人 未定

令和4年から令和6年までの電気電子コースの平均倍率は3倍です(情報コースが4倍、物理コースが2.3倍)
偏差値66の上位高専である岐阜高専の学生が沢山受験するため、それに勝てる学力が必要です。

また、名大、名工大の滑り止めにされるため、入学者が0人の年もあります。
入学辞退者を除いた倍率は、6.67倍なので注意が必要です。

受験者数にかかわらず3人しか取っていないため、ボーダー制の可能性は低いです。
また、これだけ合格者数が少ないと、受験者数、受験者のレベルといった運要素がかなり大きいです。どれだけ勉強しても落ちるときは落ちます。

試験当日

8時30分から、教室に入れます。しかし、試験を受ける教室は別であり、9時10分になったら移動するように言われます
服装はほぼ全員スーツでした
専門の試験が終わったら面接控え室に移動してそこで昼食を食べれます
控え室は同じコース(電気電子コース)の人しかいませんでした
面接は番号順で、面接の待ち時間もスマホは使ってもOKでした
試験室、面接控室はとても広い教室でした

試験について

電気電子コースの点数配分は、数学(100) 英語(100) 電磁気学(75) 電気回路(75) 電子回路(50) 面接(100)となっています

数学は50分しかないので、年によっては時間が足りなくなる可能性があるので注意です
線形代数では計算力を問うような割と難しめの問題が出ます。

成績開示は、入学後にしかできないため、自己採点です(実際の点数は自己採点より大幅に低い可能性があるため、あまり参考にしないでください…)

数学の試験 7~8割

大門1 3次元行列の問題
(3)の計算が複雑になりましたが、すべての要素を計算しなくていいことに気づき解けました、(4)は時間が足りなくなり解けませんでした。

大門2 定積分の部分積分の問題
(3)の変換まではできましたが、(4)の解法がわかりませんでした。

専門の試験(電磁気学) (部分点があれば)7~8割

大門1 微小立体角dwを用いて金属球殻内の電場を求める問題
初めてみる問題だったので、部分点狙いで解きました。
(3)に関してはわかりませんでした。

大門2 無限長導線の電磁力を求める問題
基礎的な電磁力の問題だったので解けました。

専門の試験(電気回路) 9~10割

大門1 RLC並列回路の電流と電圧の位相差を60度にする条件を求める問題
電気回路演習(上)に載ってた問題なので解けました。
tanの加法定理を用いて解きました。(電気回路演習(上)第2章問題55の類題)

大門2 RC直列回路の過渡現象に関する問題
電気回路演算(下)に載ってた問題なので解けました。
電源が2つあるため計算がやや複雑になります。

専門の試験(電子回路) (部分点があれば)4~5割

大門1 シリコンダイオードのVI特性 電圧の正弦波から電流波形求める問題 (1)は解けましたが、(2)はおそらく間違っています。

大門2 演算増幅器の問題(差動増幅回路)
差動増幅回路を知らなかったため、解き方を間違えました(ただ部分点をもらえた可能性はあります)

電子回路を出題する大学が少ない、配点が少ないという理由で電子回路に勉強の時間を割くのがもったいないと思い、あまり勉強していませんでした。
そのため、あまり点数が高くないです。

英語 TOEIC換算で10割

電子回路ができなかったため、落ちたと思いましたが合格していたため部分点が多かったのかもしれません。
白紙で出すと何も勉強してない人と同じ点数になってしまうため、
わからない問題でもとにかく解答用紙をすべて埋めると考え方が1部だけでも合っていれば、部分点を貰える可能性があると思います。
また、どのように解いたかわかるように適宜文章なども加えて書くようにした方がいいと思います。

面接

面接官3人の個人面接です。
一人当たり6分程度です。(移動の時間も含めたら5分程度)
口頭試問はありませんでした。
面接にも配点100点分ありますが、たった5分の面接で差がつくとは考えにくいため、成績証明書を見られているのかもしれません。
募集要項にも、面接(成績証明書は参考資料とする)と記述されています。(ちなみに私はGPA3.78でした)

【面接で聞かれたこと】
志望動機
(研究室を理由にする場合は、可能であれば他大学ではできない内容や、岐阜大しかだめな理由を述べると高評価だと思います)

卒業研究について
工夫した点は何か(卒業研究の深掘り)
〇〇は得意なのか(卒業研究の深掘り2)

学習面でアピールしたいこと(1分程度で)
〇〇は難しいものなのか(学習面でアピールしたいことの深掘り)

編入試験の出題範囲

数学

岐阜大の数学は、線形代数、微積分学のみで、確率、複素解析、フーリエ変換、ラプラス変換などは出ないです。
過去問を見る限り、偏微分、重積分は出ていますが、微分方程式は出ていないです。

電磁気学

過去問では、電界、磁界に関する問題がそれぞれ3回ずつ出題されており、電磁力、電磁誘導に関する問題がそれぞれ一回ずつ出題されています。
荷電粒子の運動に関する問題は出題されていません。

電気回路

過去問では、毎年過渡現象に関する問題が出題されています。
交流に関する問題が3回出題されており、そのうちの2回で位相差に関する問題が出題されています。
また、最大値を求める問題が1回出題されています。
相互誘導回路、二端子対回路、多相交流が出題されないため出題範囲は狭いです。

電子回路

過去問より、演算増幅器、接合型トランジスタに関する問題がそれぞれ3回ずつ出題されており、波形整流、電解効果トランジスタに関する問題がそれぞれ1回出題されています。

使用した参考書など

電磁気学

『大学生の電磁気学』という本がオススメです。
編入試で実際に出た問題のみを学べるため、余分な問題を解かなくていいため効率がいいです。
また、解く価値のある問題がとにかく多いです(個人的には1, 2万払ってでも買う価値があると思います)
86問にもかかわらず、編入試における電磁気学のほぼすべての範囲を網羅でき、この本一冊やっとけば電磁気学は大丈夫なレベルです。
この本は現在売られていませんが高専の図書館などにある可能性はあります。
岐阜大の入試に関しては、問70以降は解かなくてもいいです。
問13~16、49は難しいので解かなくても大丈夫です。

電気回路

電気回路演習(上)は第2章の正弦波交流、第3章のベクトル記号法
電気回路演習(下)は第4章の過渡現象
量が多いですが、岐阜大の入試に関しては上の範囲をやっておけば十分です。

電気回路演習(上) 第2章 正弦波交流で解かなくてもいい問題は、1〜21、26、37、47〜49です。
電流の位相差に関する問題はよく岐阜大学の編入試で出題されます。
この章では難易度の高い問題は少ないと思います。

電気回路演習(上) 第3章 ベクトル記号法で解かなくてもいい問題は、8〜10、15〜18、69、70、74、80〜82、94(難)、99〜103です。
因みに、51、53は少し難しいですが、岐阜大で過去に出題例がある問題です。
最大値を求める問題がメインの章となっています。

電気回路演習(下) 第4章 過渡現象で解かなくてもいい問題は、9(難)、11(複)、17、18(難)、21(複)、22(複)、36(難)、37(複)、41(難)、44(複)、45(複)、58(難)、59(難)、63〜69です。
(難)は難易度が高いため解かなくてもいい問題で、(複)は解こうとすると時間がかかるので読んで理解できれば大丈夫な問題です。
それ以外は試験で出なさそうな問題です。
岐阜大学では、相互誘導回路の問題は出題されていないので解かなくていいかもしれません。

電子回路

豊橋技科大の編入試問題の電子回路と似たような問題が出ます。
解答もあるため、過去問を持っている人はやっておくといいと思います。

数学

編入数学徹底研究で解いたほうがいい章は第1章〜第7章、第9章〜13章です。
編入数学過去問特訓で解いた方がいい章は、第1章〜第2章、第4章〜第6章です。
編入数学は、編入試用の参考書であり、既に解くべき問題が厳選されているため、解かなくていい問題は特にありません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?