【シリーズ連載】 監禁少年 #2-2
時間がまた動き出してから私の生活は一変した。
というより、私が元の私に戻ったという方が正しいだろうか。
残って欲しくないようなところばかりが色濃くなって。
あの人は相変わらず、
まだ掴み取れていないものにしか
興味がないらしい。
それを分かっているから
私も素っ気ない振りをする。
相手の好みに合わせて自分が変えられる感じが心底気持ち悪かった。
他の人には執着するのに
私が私であることには執着しないって、これどんなギャグ?
普通に待ち合わせして、ご飯を食べて、
どこかに出掛けようと言った時に
「家、どんな感じなの?」と聞かれる
来てみる?とだけ言うと
うん。と一言、すんなりついて来てしまった。
夜には帰ってもらおう。
まだ彼に私の心を消費されるわけにはいかない。
私はやらなくてはいけない事がたくさんある。
手のひらで彼を輝かせる、ただそれだけのために、肌を重ねても何も分かるはずなんてないんだからもっと人間として彼を理解するためにこの工程はどうしても必要だった。
もう私は止まれなかった、
動き出した時間は止まっていた分だけ
私を加速させた。
ブレーキなんてものは初めから
存在していなかった。
私は彼を以前よりももっと好きになっていた。
作家:かみさま
モデル:ミシェル
ロゴデザイン:育
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