【シリーズ連載】 監禁少年 #4-1
部屋の出窓に腰掛け、癖のようにギターを触りながら外を眺めていた。
どうしてこんな風になってしまったのだろう。
どこから間違えてしまったのだろう。
なんて、答えの出ない疑問に思いを馳せながら。
幼馴染の彼とルームシェアをし始めてから5年。
所謂ブラック企業に勤めた僕は、
精神を苛まれ1年足らずで退職してしまった。
そこからだ、
おかしなことになってしまったのは。
彼は献身的に面倒を見てくれた。
それこそ此方が心配になる程丁寧に、大切に、悪く言えば、過保護なくらいに。
彼は毎日仕事に行く。
きっかり、朝8時に家を出る。
生活のために、外に出る。
取り残された僕はこの部屋で、ただ時間が過ぎていくのを待つだけだった。
静寂のせいで孤独感が募っていく。
社会から切り離される感覚が心を蝕んでいく。
僕ら2人の安息地だったこの部屋は
今となっては 暗く 重く
冷たいだけの箱になってしまった。
写真:No,44
作家:rin
モデル:鈴木 裕大
ロゴデザイン:育