『異形頭さんとニンゲンちゃん』作者が語る、「一緒につくる」だけじゃないナンバーナイン編集部の強みとは【三毛たま×担当編集H】
このnoteでは、 デジタル配信サービス「ナンバーナイン」のサービスに関する最新情報や、利用していただいている漫画家さんへのインタビューなどをお届けしています。
今回は、単行本の発売を記念して『異形頭さんとニンゲンちゃん』の作者・三毛たまさんと担当編集・Hさんのインタビューを公開しています。
前編では、なぜ商業デビューも経験した三毛たまさんが「ナンバーナイン」で連載するに至ったか、その経緯を赤裸々にお話しいただきました。
後編では、普段の担当編集との打ち合わせの様子や書籍化の反響、今後の展開等々についても触れています。本インタビューを読めば、今、最も話題の異形頭×異世界転移系(?!)漫画『異形頭さんとニンゲンちゃん』本編もより一層楽しめると思いますので、是非ご覧ください。
「漫画を預けたら売れる」ナンバーナインの独自プロモ戦略でSNSフォロワー急増
ーー前編では三毛たまさんが「ナンバーナイン」で連載するに至った背景を伺ってきました。ここからは現在の漫画制作の様子についても聞かせてください。
担当編集・H
三毛たまさんとは週に1回打ち合わせさせていただいています。基本はオンラインで行っています。作品の展開のこと、販促やPRのことなどを中心に、ざっくばらんに話しています。
三毛たま
あとは、Hさんが花粉症に悩まされていた話とか(笑)。作品としてどうしていきたいかという話ももちろんしますが、雑談や身の回りの話で盛り上がることも多いです。
担当編集・H
僕が花粉症で悩まされていた時はおすすめのスプレーとかを紹介いただいたりしましたね。
ーー打ち合わせややり取りの中で、Hさんが心掛けていることはありますか?
担当編集・H
作家さんへのリスペクトを忘れないこと、そしてポテンシャルある作品の良さを最大限引き上げるという視点を大切にしていますね。
僕は、三毛たまさんがご自身の作家性を生かして漫画を描き続けてほしいと心から思っています。なので、作品に対して僕がめちゃくちゃ口を出すのはちょっと違うかなと。あと、本人もそう言われるのは好きじゃないと思うんですよ。商業連載時代のエピソードもありましたが。
とはいえ、あくまで足りてないところを補うという意味で、展開の相談をさせていただくことはあります。
三毛たま
作品やキャラの魅せ方や物語の持っていき方などいろいろ相談に乗っていただくことはもちろんありますが、特にSNSでの発信については本当にタメになっています。Hさんのおかげで、連載開始当初は数百人だったフォロワーが、「ナンバーナイン」での連載に切り替えてからはあっという間にフォロワー10万人を超えました。
ーーめちゃくちゃ伸びていますね…!
担当編集・H
ここは「ナンバーナイン」ならではかなと思います。以前、プロモーションについての記事をnoteで公開した時にも言っていましたが、「漫画を預けたら売れる」販促の仕組みが、SNSプロモーションを中心として徹底的に実践されています。
作家さんの中にはSNSが得意ではない方もいますし、創作活動に時間を割きたい気持ちもよくわかります。なので、ナンバーナイン編集部では、作家さんがしたいけどできていない部分を担当編集がプロモーションチームと連携してお手伝いをさせていただいています。
『異形頭さんとニンゲンちゃん』は、主人公・ラズとヒロイン・ちかのやり取りがニヤニヤ、モダモダしちゃうというところが読者にウケていて、特にSNSとの相性が良かったという点もあると思います。読者がずっと見たいと思える関係性を描ける表現力あってこそ、ですが。
ーーHさんもSNSは日常的に使われているんだとか。
担当編集・H
はい。僕は以前から漫画専用のSNSアカウントを作って、作品の情報を収集してリポストとかいいねをずっとし続けています。「尊い漫画をやらしい雰囲気にさせる人」っていうアカウントなんですけど。
ーーこのアカウント、見たことある!フォロワー数が11.8万人…!三毛たまさんはご存じでしたか?
三毛たま
ちゃんと聞いたのは初めてですが、実はなんとなく感じていました(笑)。
担当編集・H
本当はこの場で伝えてドッキリみたいにしたかったんですけど(笑)。
三毛たま
でもおっしゃる通り、創作活動をしているとSNSはなかなか時間が取れなくて、どうしても後回しにしがちなんですよね。私はただ描いてるだけなので、SNSを通じて世に広めていただいて、本当に嬉しいです。
“三方よし”ならぬ“三方楽しい”作品づくりを目指して
ーーそんな三毛たまさんから見て、Hさんはぶっちゃけどういう編集者なんですか?
三毛たま
心から頼りになる存在です!スケジュールを気にかけていただいたり、締め切りを知らせてもらったり。できないところを補ってくれる人が近くにいてくれることは頼もしいです。知識が豊富ですごいなと思っています。
担当編集・H
ありがとうございます。僕はどこの視点から立ってもいいと思える作品づくりをしていきたいと思っていて。作者が作るのも楽しいし、読者が読むのも楽しい。そして売っていきたいとプロモーションチームの方も思えるようなものを作っていきたいんです。
ーー書籍化も好評発売中で、なんと早速重版が決まった『異形頭さんとニンゲンちゃん』ですが、反響はいかがですか?
三毛たま
正直、まだ他人事というか、自分のことではないように感じていて、あまりピンときてないんですよね……。でも、これだけ多くの人に『異形頭さんとニンゲンちゃん』を知っていただけたのはナンバーナインさんのおかげです。描き始めた当初は紙書籍化なんて、全く想像していませんでした。
担当編集・H
僕は当然の結果だなと思っていますし、まだまだ行けると思っています。三毛たまさんは誠実でとても真面目な作家さんなので、自己評価が厳しいんです。そういう一面もありつつ、内に秘めた癖や溜め込んできたものがあると思うし、そんなカタルシスを作品から感じます。
『異形頭さんとニンゲンちゃん』は珍しいジャンルではあるものの、テーマのわかりやすさは担保されていると思っていて。だから説明しやすいし、誰かにおすすめしやすいんです。
人気になるエッセンスは抑えているので、まだまだ伸びしろがあると思います。その上で大事なのは、読者がどういう感情を持つのか。本で初めて手にとる読者の皆さんの感想が楽しみです。
ーー最後に…『異形頭さんとニンゲンちゃん』の今後の展開について聞かせてください。
三毛たま
結末はある程度見えていて、Hさんにもお伝えしています。ただ、そこに行くまでのルートでまだ迷ってる部分もあって……。
ーーたしかに、異形頭の世界観とか、ラズの過去の話とか、明るみになっていないことは少なくないなと読者としても思います。
担当編集・H
そうですね。異形頭の世界と人間世界の格差が大きく描写されているので、そこを乗り越えられるのかというのが一つの壁になると思います。そもそも世界構造の謎もあるので、どうラストに持っていくかはこれからですね。
ーーでも、二人の中では、完結までのゴールがもう見えているんですね。
三毛たま
はい。とにかく、うまく伏線を回収できるように描き続けます。
担当編集・H
ラストまで三毛たまさんが描きたいものを描き続けられる環境づくりをさせていただきます!
ーー三毛たまさん、Hさん、どうもありがとうございました!!
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編集・構成: ころく@ナンバーナインCXO
執筆: Moriya Ayuka
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