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生まれ変わるなら ~意味深な話~ #4
オレの名前は御手洗リュウジ。
生まれたときからオレの運命は決まっている。ある特定の任務をこなすためだけに与えられた命。そういっても過言ではない。
オレの任務は重大だ。オレがいなくなると多くの人が困惑するだろう。だから、オレは24時間体制で待機しているんだ。え?大変じゃないかって?そりゃあ大変さ。だが、頼ってくれる人のことを思えば大したことはないさ。
そんなことより、オレはフン慨している。誰に対してかって?中途半端にしか役にたてていない自分自身にさ。
今度は、中途半端で交換された挙げ句、暴行までされてしまった。しかも、兄弟もろとも。こちらが手を出せないのをいいことに、交換された後でボロボロにされ、転がされてしまった。
犯人は指紋を残さないように手袋をしていたようだが間抜けなヤツだ、証拠品を置いていった。だが、触りたくないから見逃してやる。まあ、触りたくても触れないのだが。
そこにクリオネ殿が現れた。
しばらくこの状況を観察したあと、ディスポーザブル手袋を鞄からすっと取り出し、おもむろに着用した。そして我々を立ち上がらせた後、あの汚ならしい手袋をつまみ上げてゴミ箱に放り投げたのだ。俺はその光景を棚のセンターから眺めていた。そう、クリオネ殿がそこに立たせてくれたのだ。"隅に置けないヤツ"を目指していた俺に、こんなにうれしい扱いはなかった。
クリオネ殿は、自分の着用したディスポーザブル手袋を、持参したごみ袋に入れて鞄にしまい込んだ。そして、踵を返すと何事もなかったように颯爽と立ち去っていった。
その所作、彼女は転紙…いや、天使。紛れもない天使だった。クリオネ殿に心から伝えたい。ありがとう。
センターに立つことは出来たが、オレはまだ芯のない未熟なヤツだ。生まれ変わるのはまだ先になりそうだ。
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生まれ変わるなら ~意味深な話~
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