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ドライブ
小学生の頃、夏休みに母方の実家に帰省することが恒例だった。父の夏休みに合わせ、家族5人で車に乗って。
ドライバーは父ひとり。まだ、それほど高速道路網が発達していない頃で、全行程10時間超だったと思う。今更だけど、大変なことだったろう。それを毎年毎年繰り返していたのだから。
当時所有していた車にはエアコンがなかった。楽しめるのものといえばラジオとエイトトラック。ラジオのチューニングはアナログで、ツマミとボタンで調整したように記憶している。
エイトトラック
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/8トラック
流れてくる曲は流行り曲などではなく、シャバダバダシャバダバダ〜♪が頭に残る“男と女“とか。完全に父の趣味。好きでもない曲を聴きながらどう時間を過ごしていたかというと、寝ていたり窓から顔を出して大声だしたり、太陽の光で常に形を変える車の影を観察したり。影は流線型でカッコよく見えたりしたから、その事を即興で歌ったり。
戻りは家族4人を残して、父ひとり。
ひとりの方が気楽でいいのかもしれないが、大変だった事に違いはない。
駐車場で仮眠していた時、車窓から見えた車の影を見て思い出した。
帰省出来なかった今年のお盆休み。
8月が誕生月の父親に、この事を絵手紙に書いて贈った。感想は「若いから出来た事だけど、まぁよく走ったなぁ」だった。
あと、「宛名はもう少し大きく書いてくれ」と言われた。