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極寒芸術祭2025(道東)
北海道・道東。弟子屈町川湯温泉街で毎年極寒の季節2/2-3/3に開催されている「極寒芸術祭」に参加しています。
私は10年前からほぼ毎年現地に通い、芸術祭の会場にある泊まれる美術館「Artinn」や広大な野外展示場「雪の杜美術館」で作品制作を行なってきました。
会場は東京からだと羽田空港から女満別空港へ向かい、バスで網走、そこから電車で川湯温泉街、さらにバス…と6時間ほどかかります。
関東圏や本州で活躍する若手アーティストから、国内外の芸術祭に参加するベテランの大御所までが集い、氷点下の極寒環境と対峙して制作した作品が並んでいる唯一無二の芸術祭。
更に、宿の中もさまざまなアーティストの作品が見渡す限り並んでいます。共有スペースから、露天風呂、宿泊部屋の中までみっちり。私の作品もたくさん飾ってもらっています。毎年どこかしらのレイアウトが変わるので新鮮です。
さらに近年はバーが併設された室内美術館までオープンしました。
敷地も展示作品も巨大で、私の写真センスで印象悪く伝わると申し訳ないのと、毎年のように来ているため最低限の写真しか撮らなくなってしまったという事情で、ここまで紹介しておきながら写真は自分の作品紹介だけになります。ご了承下さい。
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普段は日本画で制作していますが、道東では全然違う作品、というかやったことない制作ばかりです。
思いついたことを芸術祭のプロデューサーに提案し、「おもしろい!」となれば採用してもらえるのです。もちろん全力で取り組みますが、失敗もOKという寛容さ。
というわけで、今年はアクリル絵の具で地元の人を描いてみました。
私は普段殆ど人物画を描きません。大きな人物画も初めて(会場が広いので小さくみえますが)。アクリルだってあまり使わないです。方向性を見失ったと思われされそうなくらい普段と異なる制作で新鮮でした。
そのためひねりは全くありませんが、芸術祭作品に地元の方が干渉する事が少なかったので、絵に描く事で巻き込めたらと思い取り組みました。それにしても久々に人物画描くの大変です…
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去年は芸術祭期間中に滞在制作をしたのですが、その時の日本画作品も同時に展示されています。
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アイヌ文化研究家の更科源蔵氏が地元のアイヌから聞き取りを行った兎と鹿がお互いの脚を取り替える民話からイメージをふくらませ、日本画材で描い
た作品です。
私は道東に通う事でアイヌ文化に興味を調べた経験が一昨年のアイヌ絵本の受賞につながった経緯があります。芸術祭だと全くプッシュしてくれない、ので自分で補足。
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先の人物画と似ても似つかなくて別作者みたいですね。日本画作品の方は珍しく慣れた制作でしたが、それでも色を抑えて描くのはここくらい。
ちなみに、背景の一部に使用している「銀箔」は川湯温泉街に漂う硫黄に燻されて自然変色しています。この環境で銀箔を使うと一夜にして絵の様相が変化してしまう、絵が移ろいゆくというのが面白くて、何年か銀箔を使って遊んでいました。
自分の作品だけあげているので、実際のフェスが小規模にみえてしまうかもしれません(本当に申し訳ないです……)。ですが実際は北海道立近代美術館よりも広い敷地会場(らしい)ので、超巨大スペース。それでいて歩いて向かえる距離の中に会場が収まっているので、ハシゴする必要がないのが素晴らしいです。鑑賞料もかかりません!何より会場は温泉街なので慰安旅行としてもおすすめです。
今年の極寒芸術祭は3/3まで開催中。芸術祭期間外でも、建物中がアートでいっぱいの泊まれる美術館『ARtINn』は利用できます。快適で評判も良いので、アート抜きでも宿としておすすめです。
宿泊予約は以下をご利用ください。
https://www.booking.com/hotel/jp/artinn-ji-han-yi-shu-chuan-ran-zhuang-zhi.ja.html
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