北海道遺産シリーズ(24)~札幌軟石
北海道にだって歴史がある。そんな歴史をたどり、未来へ紡いでいく北海道民の宝物。そんな北海道遺産を自身の足(車)で巡り紹介しようとおもう。なお、記事作成にあたって、『北海道遺産 完全ガイド』北海道新聞社 を参考にさせてもらった。
25個めの紹介
札幌軟石は、北海道の札幌市周辺で産出する石灰岩で、白色や灰色など淡い色を持ち、柔らかく加工しやすい。明治時代から建築材料や彫刻に広く利用され、札幌市内には北海道庁旧本庁舎や時計台、北海道大学の正門など、札幌軟石で造られた歴史的建造物が多く残る。
この石は北海道札幌市南区で産出し、約4万年前の火山活動による支笏湖形成の際の火砕流が冷え固まってできた溶結凝灰岩である。明治時代から昭和初期にかけて札幌市や小樽市周辺の建物の建設資材として広く使用され、柔らかく切り出しやすく、耐火性や断熱性に優れている。札幌軟石を用いた建物は北海道の開拓と発展の歴史を象徴し、2018年に「北海道遺産」に登録された。
札幌軟石を加工する業者は、いまやひとつだけで、明治25年創業の辻石材工業株式会社のみとなっている。
ここでは札幌軟石が使われた代表的な施設を数件紹介するが、ほかにも札幌教会や、小樽運河の倉庫群、栗山町の小林酒造の酒蔵など多くの建造物が現存している。
以前紹介した北海道大学札幌農学校第2農場でも札幌軟石を使った建造物がみられる。
最後までお読みいただきありがとうございました。