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北海道遺産シリーズ(31)〜内浦湾沿岸の縄文文化遺跡群
北海道にも歴史があります。そんな歴史をたどり、未来へ紡いでいく北海道民の宝物。そんな北海道遺産を自身の足(車)で巡り紹介しようと思います。なお、記事作成にあたって、『北海道遺産 完全ガイド』(北海道新聞社)を参考にさせてもらいました。
はじめに
北海道の内浦湾沿岸は、縄文時代の人々が豊かな自然と共存しながら生活していた地域で、数々の貝塚や遺跡が残されています。これらの遺跡群は、北海道遺産に登録され、さらには世界文化遺産にも登録されるなど、その文化的価値が内外に認められるものとなりました。この記事では、今回訪問した、遺跡「北黄金貝塚」と「入江・高砂貝塚」を中心に、紹介します。もうひとつの南茅部地区「大船遺跡」や「垣ノ島遺跡」については、今後、訪問した際にアップデートを予定していますが、今回は概要だけ紹介します。
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北黄金貝塚
北黄金貝塚は、北海道伊達市に位置し、約5,000〜7,000年前の縄文時代中期の遺跡です。この貝塚は、縄文人が食物を調理し、道具を作り、集団生活を送っていた場所で、その生活の痕跡を今に伝えています。
環境と暮らし
北黄金貝塚は、内浦湾に面した場所にあり、豊かな海洋資源を背景に、狩猟や採集、漁業が盛んでした。特に貝類や魚類を中心とした食生活が営まれていたことが、この遺跡から出土した大量の貝殻や魚骨からうかがえます。出土品と文化の魅力
北黄金貝塚からは、土器や石器、装飾品などが多く発掘されています。特に土器には、独特の模様や形状が見られ、縄文文化の豊かさが感じられます。また、骨角器や漁具からは、当時の人々の生活の工夫や技術の高さも読み取ることができます。
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入江・高砂貝塚
入江・高砂貝塚は、洞爺湖町に位置する二つの貝塚から成る遺跡で、縄文時代後期の遺物が多く見つかっています。この遺跡からは、当時の人々の交流や儀式、共同体の生活に関する貴重な情報を知ることができます。
共同体の証拠入江・高砂貝塚では、複数の住居跡や埋葬跡が発見されており、縄文人の共同生活や宗教的な儀式が行われていたことが示されています。特に、同時代の他地域との交易も行われていたことが出土品からわかり、遠隔地との交流が活発だったことがわかります。
文化遺産としての価値この貝塚から出土した品々は、ただの生活の道具にとどまらず、芸術的価値の高いものが多く含まれています。土器や石器には、当時の人々が持っていた美意識や宗教観が反映されており、現代でもその洗練されたデザインには驚かされます。
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南茅部地区の大船遺跡と垣ノ島遺跡
函館市の南茅部地区にある大船遺跡と垣ノ島遺跡は、縄文時代中期から晩期にかけての大規模な集落跡を含んでいます。
大船遺跡
大船遺跡は、広大な集落跡が見つかっており、特に大規模な住居跡や貝塚が特徴です。この遺跡からは、貝塚以外にも土器や石器、骨角器など、多様な出土品が発掘されており、当時の豊かな生活を物語っています。垣ノ島遺跡
垣ノ島遺跡は、貝塚を中心に多くの住居跡が発見されている遺跡で、特に高い技術を持つ土器や石器が注目されています。これらの遺跡からは、当時の人々の高度な技術や文化が垣間見え、縄文時代の生活の様子が鮮明に浮かび上がってきます。
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こちらは、2023年に北海道博物館で展示されていた、南茅部地区で出土された中空土偶「カックウ」です。茅部の「カ」と土偶の「クウ」から愛称がついたとのことです。高さが40センチ前後ととても大きなものです。
終わりに
内浦湾沿岸の縄文文化遺跡群は、北海道の自然と人々の長い歴史を物語る重要な遺産です。北黄金貝塚や入江・高砂貝塚、大船遺跡、垣ノ島遺跡を訪れることで、私たちは古代の人々がどのように自然と共に暮らし、文化を発展させてきたかを学ぶことができます。
最後までお読みいただきありがとうございました。