北海道遺産シリーズ(10)〜小樽みなとと防波堤
北海道にだって歴史がある。そんな歴史をたどり、未来へ紡いでいく北海道民の宝物。そんな北海道遺産を自身の足(車)で巡り紹介しようとおもう。なお、記事作成にあたって、『北海道遺産 完全ガイド』北海道新聞社 を参考にさせてもらった
11/67個目の紹介は、日本国内で初となるコンクリート製の防波堤。場所は小樽港。明治時代の北海道近代化の一翼を担った、北海道の玄関口。開拓本府が置かれた札幌から一番近い港であり、港に近い手宮から幌内(いまの三笠市)までの鉄道が開通したことで、より重要な位置づけを持つ港だった。
小樽港が近代的な港湾として、発展するために必要だったのが、堅牢な防波堤。当時に日本には、堅牢な防波堤を作る技術が不足していたが、明治29年(1896年)に国内で初となる本格的外洋防波堤の着工が行われた。これが今の小樽港北防波堤で、廣井勇さんという若手土木工学者によって、指揮され明治41年(1908年)に完成した。
その後、第二期工事として明治41年に南防波堤の築造が始まった。工事の指揮にあたったのは、廣井さんの弟子であった伊藤長右衛門さん。大正10年(1921年)に完成。文字で書くのは簡単だが、両者ともに、内外の障壁に対して、卓越なる知恵を持って難工事を完成させた。偉業であると言って良い。
100年以上たった今も、現役で使用されているのが驚異的で、眺めているだけで感動ものである。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。