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はじめてのDAC〜FIIO KA3
「オーディオ沼だけには、入ってはいけない」 じーちゃんの教えである。というのは冗談で、カメラの世界でレンズ沼に半身浸かって、あっという間に資金難に陥った反省もあり、カメラよりもディープな世界(と想像する)オーディオ沼には決して近寄るまい。
と思ってたけど、BOSEのヘッドホンQuietComfort 35 wireless headphones II (以下QC35Ⅱ)を買い、SONYの完全ワイヤレスイヤホン〜WF1000XM4を買ってしまい、すごく音いいじゃん。と感心していたとき、DACというデバイスが存在することを知った。
DACとはデジタルオーディオコンバーター。デジタルの音楽データを人間の耳に聴こえるように、アナログ変換してくれるデバイス。イヤホン端子のついたスマートフォンにもDACは、搭載されているけど、専用と謳うデバイスなので、それは音楽再生に特化された設計で音が良いものらしい。
ただし、僕は、有線イヤホンも高価なものは持っていないし、QC35Ⅱ 、WF1000XM4にも満足していたし、縁がないと思ってた。
ところが、たまたまスマホのUSB-Cから、なんちゃってDAC経由、3.5mmヘッドホン端子接続で、BOSEのヘッドホンを有線で鳴らしてみたら、あらま、とっても音がいいじゃん。QC35ⅡはBluetooth接続前提の製品にも関わらず、有線の方が音がいい。音の厚みが増し、ダイナミックレンジが広がり、ドラムのハイハットもしっかり、鳴る。
Bluetoothだと、いまいち抜けが良くないと感じていただけに、ちょっと感動。
え?もしかして、これが本物のDACになったらどうなるの?と、興味が湧き、日に日に抑えきれず、とうとうメルカリで1万円ちょっとのDAC FIIO KA3をゲット。
繋いでみると、やっぱりすごく音がいい。有線のヘッドホンは前述のBOSE QC35Ⅱの有線接続と、ゼンハイザーの一番安売りCX100しか持っていなかったけど、CX100繋いでも、凄く良い。元々CX100は出張時にイヤホン持って行くのを忘れて、テンポラリーで5000円くらいで購入したもので、音質はクリアなものの迫力に欠けたため、ずっと、使っていなかったのだけど、KA3に繋ぐと、水を得た魚のように、見違えるような迫力サウンドに変貌。
低音、高音、ボーカル共に文句のつけようの無い音、というのは若干褒めすぎで、ちょっと荒々しい面はあるもののとても満足のいく音。3万円オーバーのWF1000XM4が一気に霞んでしまった。
見てはいけないものを見たような、踏み入れてはいけない世界に片足つっこんでしまったような。カメラも値段と写りは比例した。オーディオの世界もきっと比例する。いかん、正気に還らなければ。
イヤホンもピンキリで2000−3000円のものから、7、8万円まで、もっと上を見ると、20万くらいのものまである。
5000円で感動してしまった僕は、この上の世界がどうなって行くのか見たい衝動を抑えられない。