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北海道遺産シリーズ(29)~仙台藩白老元陣屋

北海道にも歴史があります。そんな歴史をたどり、未来へ紡いでいく北海道民の宝物。そんな北海道遺産を自身の足(車)で巡り紹介しようと思います。今回は、令和4年10月13日に第4回選定された6件の中からの紹介です。

1. はじめに

北海道の白老町には、歴史の一片を垣間見ることができる「仙台藩白老元陣屋」があります。この陣屋は、江戸時代後期に仙台藩が蝦夷地(現在の北海道)の防衛と開拓のために設置した拠点です。現在もその歴史を感じさせる遺構が残っており、歴史ファンや観光客にとって魅力的なスポットとなっています。

2. 仙台藩白老元陣屋の歴史

仙台藩白老元陣屋は、江戸幕府から北方警備を命じられた仙台藩が、安政3(1856)年に白老に築いた拠点です。幕末のロシア南下政策に対応するため、幕府は仙台藩に蝦夷地の防備を委ね、仙台藩はこの地で防備と行政機能を整えました。常時120名の兵士が駐屯し、防衛や開拓に従事しました。

仙台藩と同様の役割で、庄内藩、秋田藩が増毛町や宗谷地方、会津藩が網走北見地方の防衛を担っていました。当時のロシアの脅威が窺い知れます。

当時(幕末)の蝦夷地の様子


元陣屋は、戊辰戦争の影響で廃藩となり機能を終えましたが、1966年には国の史跡に指定され、以降、環境整備が行われて現在に至ります。

3. 陣屋の見どころ

現在、仙台藩白老元陣屋には、当時の建物や遺構が一部残されており、歴史を感じることができます。特に、敷地内にある土塁や内曲輪や外曲輪の遺構は、幕末の防備体制を物語る貴重な資料です。


土塁に囲まれた内曲輪


堀の跡


また、併設されている「仙台藩白老元陣屋資料館」では、仙台藩の歴史や当時の状況が詳しく展示されています。資料館では、元陣屋の役割や生活の様子を知ることができます。

仙台藩白老元陣屋資料館
元陣屋の資料


仙台藩と言えば伊達政宗公

陣屋跡地周辺には、藩士たちが故郷から勧請した塩釜神社や愛宕神社、さらに御霊堂や墓地が残されており、これらの史跡とともに散策できます。敷地内には、藩士たちが故郷から移植した巨大な赤松も残されています。自然に囲まれた静かな環境で、過去に思いを馳せる特別な体験を楽しめました。

塩竈神社跡


巨大な赤松

4. 陣屋周辺の観光情報

白老町には、仙台藩白老元陣屋以外にも魅力的な観光スポットが点在しています。その一つが、ウポポイ(民族共生象徴空間)です。ここでは、アイヌ文化を体験できる博物館や伝統的な家屋を見学することができます。アイヌ民族の歴史や文化を学ぶことで、白老地域の豊かな歴史的背景に触れることができます。

また、白老は豊かな海の幸で有名です。新鮮な魚介類を楽しめる地元の飲食店では、白老特産の鮭やたらこを使った料理が堪能できます。また、「白老牛」も全国的に知られており、その柔らかくジューシーな味わいは、一度は味わっておきたい逸品です。

5. まとめ

仙台藩白老元陣屋は、北海道の歴史と仙台藩の関係を深く理解するための貴重な場所です。歴史好きの方はもちろん、自然と歴史が交差する独特の雰囲気を楽しみたい方にもおすすめのスポットです。白老町を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってみてください。



本陣跡


内曲輪への門


御門


全体見取り図

最後までお読みいただきありがとうございました。

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