ストラスブール 日記①
昨夜、ストラスブール入りしました。
到着したのは21時過ぎ。もう日が暮れてしまって辺りは完全に暗かったけど、駅からホテルまでの徒歩移動わずか7分間で、風情のある石畳や教会、路面電車、橋を彩る花々に迎えられ、この街がアルザスを代表する美しい街であることがよくわかり、朝がきて散歩に出るのがとにかく楽しみでならない!
2016年に初めてパリを訪れた時、あまりの美しさに打ちひしがれ、帰国してしばらく東京の街が灰色に見えてつまらなくて、これからは毎年パリを訪れると共にパリ以外のフランスの都市も旅行しよう!…と決意を固くしたのに、限られた余暇の時間と予算に対して、行きたい場所もやりたい事も多すぎて、実現まで3年もかかるとは…
前回同様、今回もまたAir Franceの直行便NRT→CDGのフライト。
飛行機のお供は山崎豊子の大作『沈まぬ太陽』4巻。ちょうど出発前日に30数年前の日航機墜落事故をモデルにした3巻・御巣鷹山編を読んでいたから、飛行機が気流の悪いところを通る度にビクッとしてしまった。520名もの犠牲者が出た史上最悪と言われる航空事故。悲しみと怒りが爆発するご遺族の方々、運航には直接関わっていなくても『人殺し』と罵られながら対応に明け暮れる社員の人々…読み進めるごとに色々な人の大きな感情の渦にのまれ、与えられた生をどう全うするか。という壮大かつ卑近なテーマについて考えながら、フライト中に読んだ4巻では企業再建時の社員の在り方に感銘を受け、もうちょっと使命感を持って社会貢献できる人間でありたいな。と日常の自分を反省した次第です。
感情昂りながら読書したり、合間に急に襲ってくる睡魔に身を委ねて爆睡したり、機内食や提供される美味しいおやつを堪能していたら、13時間位?乗っていたけど、案外あっという間だったな。
ベテラン風の客室乗務員のマダムは、対応時にカタコトのフランス語で答えたら、夫には英語で私にはフランス語で対応してくれて、瑣末な事だけどこの人はお客さんをちゃんと覚えているんだな、と嬉しかった。日本式の丁寧だけど過剰とも言えるサービスではない、完結な対応の中に見たホスピタリティが心地よかった。若い客室乗務員の女の子達は、接客より最近見た映画の話で盛り上がることを優先していたから尚更。笑
CDG空港での入国審査は、えー?何か嫌なことあったのかい?と声かけたくなるくらいのアンニュイ青年が対応してくれたのだけど、私のパスポートチェックする前に長いこと自分の携帯みながらため息ついてたから、恋人と喧嘩したとか何か本当に嫌なことがあったのかもね。
入国審査やTGV乗り場までの移動時間を多めに見積もっていた割にあっさり終わったから、TGV発車まで2時間も時間があって暇だったけど、プラットホームの上階に陽射しが心地よく差し込む待合スペースを見つけて待機。ここではライトに中村江里子のパリ生活を綴ったエッセイを読んだり、調べ物をしたり、ただぼんやりと日光浴をしているうちにあっという間に時間は過ぎ去って行きました。歳をとるにつれて時間があっという間感じるって本当ですね。光陰矢の如し。
TGVは言わずと知れたフランスが誇る高速列車ですが、名前いつのまにかINOUIに変わってたのね。ネット予約時に少し戸惑ってしまったし、あんまり新しい名前が浸透している気がしない…むかしFMヨコハマがハマラジに商号変更して、不評すぎてすぐに元の名前に戻った事を思い出した。鉄道版のLCC的な格安高速列車OUIGOも購入検討したけど、そもそもフランス発行のクレジットカードを所有していないから購入できず。。
目的地行きの電車がやってくるまで、ホームのアナウンスを聞いていたのだけど、あれ地味に感動しました。DELFの試験を受けた経験のある方には共感してもらえるのじゃないかなー。あ!あのリスニング試験の本物だ!ってね。仏検は穴埋め式で、こんなん解けるようになったからって語学上達するかなぁ?と疑問に感じる形式が多いけど、DELFは何もかも実践的で素晴らしい学力査定試験だと思います。
いざ乗り込んだTGVは日本の新幹線みたいに座席が進行方向に必ず向いているわけではなく、私の取った便はほとんどの座席が進行方向と逆向きの配置でCDGからストラスブールまで約2時間、みんな一緒に高速で後ろ向きに引っ張られて行きました。
車中とにかく眠かったけど、ここで爆睡するとホテルで眠れなくて時差ボケに陥る…ことを恐れて必死に耐えてはいたものの、結局ウトウトしながら目的地に到着。
ストラスブール駅は古い建物をドーム状の新しい建築で包んである様な佇まいでとても面白い。
もう疲れたし明日に備えて足早にホテルにチェックインして荷物を置きに部屋に入ったら、愛らしい内装にテンションアップ!
なんですかねー、このセンス。オシャレ感と過ごしやすさを兼ね備えた素敵空間。決して広くはないけど、大きなスーツケースを余裕で2つ広げられる床面積があるから私には十分。フロントのお兄さんも笑顔で感じ良かったし、シャワーの水圧もトイレの流れも問題なくて快適な時間を過ごせそうな予感。
もう夕飯は食べずに眠ってしまおうと思ったけど、夜食を所望している夫とともに道すがら見つけたケバブ屋さんでプレートをテイクアウト。すごいボリュームのラム肉とたっぷり野菜、ポテトとパンがついて€9。2人で食べてお腹いっぱいになれる量だったから、かなり良心的な価格設定かと思います。ヨーグルトのソースが異国情緒溢れていてとても美味でした。
お腹も満たされたところで今日は就寝。
明日はなるべく早起きしてコルマールに向かいます。
※この日記は2019年9月に自身のfacebookに投稿した内容の転載です。
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