
「他の人も言ってます」という人の事業がうまくいかないたった1つの理由
「他の人もそう言ってたんだけど」とか「うちの旦那も言ってたんだけど」
という表現が苦手です。
特に、起業を目指す人や、起業家と名乗ってる人がこういった発言をしてくる時、この上ない「気持ち悪さ」を感じてしまいます。
今日は、なんでこんなに気持ち悪いのか?を心理学的側面から考察してみようと思います。
なぜ「他の人も言ってます」と言ってしまうのか?3つの理由
【1】意見の正当性を高めたい
私たちは他人の意見を参考にして、物事を判断します。これを「社会的証明」と呼びます。自分の意見に自信がない場合、他の人が同じ意見を持っていることを伝えることで、意見の正当性や信頼性を高めようとします。つまり、「自分一人がそう思っているのではない」という安心感を自分に与えるための手段なわけです。
【2】責任を1人で負いたくない
「他の人も言っている」という言い方をすることで、自分の意見に対する責任を分散することができます。自分が直接的に批判されるリスクを減らすことができる、いわば「心理的防衛」です。もしその意見が否定された場合、「自分だけではない」という立場を取ることで、心理的な負担が軽くなります。
【3】対立を避けたい
自分の意見を直接的に表してしまうと、相手と対立を招く可能性があります。「他の人も言っている」と第三者の意見として紹介することで、対立をやわらげる意図もあります。
この3つは、日本のように調和とか人間関係を重視する文化や環境においてよく見られる傾向かとは思います。ただ、「起業を目指してる人」や「自称起業家」がこれを言ってしまうと、その時点で試合終了です。
「他の人も言ってます」と言う人が事業がうまくいかない3つの理由
【1】自分の主張に責任を持てない
起業家は、自分のビジョンの実現に向けて主体的に行動する人。「他の人も言っている」といった表現を使う人は、自分の意見に自信が持てなかったり、他人に責任を転嫁しようとする傾向があります。この姿勢は、ビジネスにおけるリーダーシップや決断力に欠けていることを示しています。
【2】リスクをとらない態度
「他の人もそう言っている」と他人の意見に依存する人は、リスクを取ることを避ける傾向があります。起業はリスクを伴うプロセスだし、挑戦的な決断や新しいアイデアを試す勇気が必要です。リスクを回避し、他人の意見に依存する姿勢では、ビジネスチャンスをつかむことができません。
【3】自分を信頼していない
起業家には、他の人が何を言おうと、自分の信じる方向に進む力が不可欠です。合理的に考えれば考えるほど、起業なんてしないほうがいいという結論になるに決まってるからです。うまくいく確証なんてないし、普通に考えたらうまくいかない可能性の方が高いよねということを、自分を信頼して勇気を出すプロセスが起業だからです。「他の人が言っている」という姿勢は、独
創性や自己信頼の欠如を表しています。
「他の人も言っている」と意見を借りる姿勢は、主体的な行動や挑戦的なマインドセットとはかけ離れています。普段こういう姿勢を他者に対してとっている人が、ビジネスの局面だけ違った振る舞いができるわけがないんです。
私が尊敬している起業家精神ある人たちは、属している「場」「組織」「コミュニティー」をよくしていくために、自分は何ができるのか?そう考えて行動しています。
この人たちの口癖は「何か手伝えることありますか?」
お客様な態度なんて皆無です。
彼らは能動的に行動するし、普段から価値を創造する姿勢を持っています。だからこそ周囲にポジティブな影響を与えるので、結果として事業成功の確率が高まります。
誰でもコミュニティーに属しています。仕事仲間、友達関係、家族も最小単位のコミュニティーです。家族の中だっていろんなトラブルが起きるのに、他人が集まったコミュニティーでトラブルが起きないわけがありません。
完璧な人間がいないのと同じで、どんなコミュニティーも不完全で完璧になることなんてあり得ません。
それなのに、何か違和感を感じることが起きた時に愚痴おばさんに変身し、悪い面を「ねぇねぇ聞いてよ」といった具合にマイナス面を拡大させていく人がいます。こういう姿勢が、その人の人間関係や事業の成長に大きな損失として返ってきていることは外から見てるとよく見えますが、本人は残念ながら気がつきません。
場に貢献できる人は、事業がうまくいきやすい理由
逆に、「場」や「組織」を良くするために、自分がどう貢献できるか?を常に考える姿勢は、周囲から信頼されます。
事業とは、顧客や社会に対して価値を提供し続ける営みのことなわけで、普段からどんな状況であっても「価値をつくっていける人」がうまくいくのは当たり前です。
私たち起業家は、単にサービスを提供するだけではありませんよね?顧客の問題を解決したり、社会や組織にプラスの影響を与えたりすることが仕事です。
でもこれ、普段からやってないと出来ませんよ? 普段から自分がいる場所の問題を解決したり、プラスの影響を与える姿勢でいると、ビジネススキルも上がって、結果的に「ありがとう」の対価にお金をいただける状態になります。
あと、すごく大事なことは、短期的な利益や目先の成功に捉われず、長期的な視点で物事を見るということ。組織やコミュニティに対して継続的に価値を提供することで、長期的に信頼される存在となります。
自己効力感(self-efficacy)=起業家精神
起業家精神のある人たちは、「自分にはできる」という自己効力感(self-efficacy)がとーーーっても高いです。彼らは他者に頼るのではなく、自分ができることを常に考え、行動に移します。この高い自己効力感が、自発的に行動する力の源泉となり、新しい挑戦に積極的に取り組む姿勢に繋がります。
その結果、新しいアイデアやイノベーションが生まれ、社会のサークルにいる人たちとの協業も生まれ、ビジネスが成長していきます。
主体的に行動すると、成長の機会を見つけやすく、失敗や課題にも積極的に取り組むことができます。結果として、自己成長と共に事業も成長します。
自分の原体験をもとに、社会のお役に立つことを仕事にしていきたい。社会起業家になりたい。そう思っている方は、他人の意見を盾にするような姿勢はやめましょう。
その責任感の欠如や、頼りなさゆえに人間関係を悪化させてしまいます。し、次第に協力やサポートを受けられなくなります。
他人ではなく自分の意志と行動が、あなたの事業を前進させます!この3つの言い換え、ぜひ試してみてくださいね!
「他の人も言ってます」
→「私はこう感じています」
「もっとこうしてくれませんか?」
→「私にできることはありますか?」
「ねぇねぇあれおかしいよね?」
→ 「この状況をどう改善できるか考えたいです。
どうしたら良いと思いますか?」