厨房の哲学者 脇屋友詞著を読む
先日テレビで脇屋氏が出演しているのを見て、脇屋氏の著書「厨房の哲学者」を読んだ。
中学卒業後、すぐに有名中華料理店で働き、厳しい世界の中で生きてきた。
周囲の友人は高校に行き、高校生活を楽しんでいる中、脇屋氏は親元を離れ寮生活をし、毎日毎日膨大な数に中華鍋を洗う日々を過ごしていたという。
しかもそれは自分から選んだ道ではなく、占い師である父親に勝手に選ばれてしまった。
「お前には食神がついているから料理人の道に進め」と。
アドバイスとしてくれるならわかるが、勝手に就職させる。しかも高校も行かせずに中学卒業後にすぐ働かせるという、今では「虐待」とも捉えられてしまう行為だ。
幼少期から辛い日々を過ごしていた脇屋氏だが、今は中華料理で知らない人はいないほどの巨匠、鉄人となっている。
この本の中で特に印象的な言葉が以下だ。
「この道より我を生かす道なし。
この道を歩く」
この言葉は短いながら、とても重い言葉だと思う。
自分の人生を決断する。
もしくは
自分の人生を諦める。
というニュアンスを感じる。
人それぞれ理想があると思う。
ああなりたい。
こうなりたい。
理想や希望を思い描いたらキリがないほどある。
でも、その全てを叶えることは難しい。
そうなると、何かを諦め、何か一つを選ばないといけない。
選択したものが自分にとって一番嫌なものであっても
それを貫かないといけない。
人生は何かを諦め、何か一つを選ぶことで
良い方向に進むのだとこの本で学ぶことができた。
「決断」
決めて断ち切る。
まずはたくさんある選択肢を断ち切って、
たった1つに決め、それを貫いていく。
以下は心に残った箇所
何にでもなれるのは何も選んでいないから。
どこかにたどり着くためには一つを選び、その道を歩き続けること。
つまり、他のものはすべて捨てること。
汚い格好をさせるのはその人に傷をつけさせること。
後輩や従業員には綺麗な格好をさせプライドを持ってもらう。
自分で全てやれば成功する。
でも、成功することしかやらなかったら人生は面白くない。
自分が今できないと思っていることに挑戦するのが人生の楽しみでもある。