ジンジャエール
「 みずだけが好きやし、みずが一番大事やで」
私を抱きしめて絞り出すようにそう言うと私を残して夢の中に入ってった。
きみは普段愛を言葉にすることが少ない。だけど私の愛にはいつも言葉とその腕で返してくれるからそれでいいと思ってた。だけど狡い。沢山愛を伝える私より、滅多に愛を伝えないきみの言葉の方が重く感じるでしょう?狡い。
長いまつ毛を眺めながら彼の言葉を反芻した。テレビから笑い声が聞こえる。どんな夢を見ているの。その夢に私は登場できているの。
大事なら傷つけないで。バレないように傷つけて。
私は自信が無い。