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いなくなる人について
こんにちは、新人VTuberの名梨ナイです。
普段は旅のようなことをしています。
今日はいなくなる人について書きます。
旅をしています。
そうすると、出会いとかお別れとかが当然多くなる訳です。
いなくなる人って言うのは、ある日突然だったり、挨拶をしてからだったりします。
突然いなくなるというのは、驚くし悲しいし、なかなか、受け入れがたいものがあります。
またね、ならいいのに、さようなら、だともう本当に悲しくて、そういう日はなるべく甘いものを食べるなどして対策をとります。
「それが本当の別れだとしたら、君はどうする」と言ったのは、電車のボックスシートで、斜め向かいに座る男の子でした。
彼は窓際で肘をつきながら、早く速く後ろへ流れる景色に目をやっていました。
「どう、って。どうも出来ないと思うんだけど……」とナイは返しました。
「どうして?」
「だって、さよならって、お別れって、その人が一方的に、渡してくるものだから」
「だから?」
「え、あ、だから……だから……」
「受け入れるってこと?」
「うん、まあ、そう……」
男の子とは道中一緒になって、目的地が近いことが偶然わかったからなんとなく話していたのです。
彼はわたしと同じくらいの年齢で、なんか全体的に青い人でした。
彼は自分を『探偵』だと名乗りました。
「別れはね、受け取る側にも残るから別れなんだよ、なにも残らないようじゃ、それは忘却なんだ」
「むずかしいことをおっしゃる」
「難しくはない、当たり前の事だ。忘れないから別離なんだ。君と僕がこうして分かれている意味は、別れると残るから。
そうして一つになって、その繰り返しで自己が形成される」
「う、うん」
「もちろん、それが全てではないけどね」
「なるほど?」
「君も僕もこれから別れは経験していく、その分出会いもするだろう。
もしも君が……」
「わたしが?」
「君が、困ったら、年に一度くらいは、特別料金で依頼を引き受けるよ」
「じゃあ、お願いしとこうかな」
「任せてくれ、僕は《名》探偵なんだ」
電車の外は夜空をうつしていたのです。
今日は眠たいので、ここまで
2022年3月31日