日々 #1 休職にいたるまで
最近いたるところで聞く「自己肯定感」ということば。
わたしは、この「自己肯定感」が著しく低下して、ゼロどころかマイナスになってしまっていたように思う。
自分の殻にとじこもって周りが見えなくなっていたし、自分のことも客観的に見ることができていなかったと思う。
と、休職して少し落ち着いた今だからこそ、そう思える。
落ち着いて考える余裕すらなかった。とにかく、目の前の問題をどう解決するかに終始してしまっていた。そもそもの自分の気持ちが置き去りになっていた。
「ありのままの自分を愛そう」という月並みなことばを借りて。
ありのまま感じたことを言語化する練習も兼ねて。
初回ということもあり少し長め。
一度目の休職
休職を経験するのは、はじめてではない。
一度目は、新卒で入社した会社で4年目に入った頃だった。
自分の今までやりたかった仕事をやらせてもらえるようになり、嬉しくて舞い上がっていたのかもしれない。その代わり手放さなければならなかった仕事があったのに、手放しきれなかった。
当時特殊な立場にあり、人事交渉はいくつも回らなければ解決しない。当時のわたしにはうまく交渉することができなかった。
今思えば、愛嬌を持って交渉ができていれば、もっとうまく立ち回れたのだろうと思う。(…思っても、性格上できなさそうだが。)
当時は「男尊女卑」の考え方がまだまだ色濃い会社だった。新卒から入ったからこその「悔しい」気持ちを持ち続けながら頑張ることができていた。反面、仕事に直接の関係がない、考え方のズレに対しての疲弊は大きかった。
資格を取ったらこの会社を離れようとはずっと思っていたが、資格を取ってからもしばらく在籍していた。いい機会だと思い、「退職」の旨を伝えた。
初めての転職
初めての転職は、勇気のいるものだった。
体調不良で仕事を退職したという理由もあり、「休みがちゃんと取れる」とか、そういった保守的な観点で職探しを始めた。
初めて転職サイトに登録して、血の気のないままエージェントと会話し、面接に行った。
そのエージェントが実は友人の友人ということが発覚し、後日3人でご飯に行った。「あの時と顔色とか表情とか全然違う…こんなに明るい人だったんスね、」的なことを言われた記憶がある。
保守的な観点で職探しをしたから、復活し始めてからは「ずっとこのままでいいのかな、私」という思いが強くなってきていた。
社長との出会いと、二度目の転職
そんな時に今の会社の社長と出会う。
こんな地方に、こんな革命的な人いる?
発想が豊かで、なんでそんなこと思いつくんだろう、とか、話を聞いていてとても引き込まれる人だった。
出会って1年ほど経ったときに、再会する機会があった。
「うちで働かないか?」と誘ってもらえた時は、めちゃくちゃ嬉しかった。
厳しい道になるであろうことは想像がついていたし、現状の安定を捨てることも勇気がいった。
それでも、やってみるなら今しかない、と、あの時そう決断できた自分を褒めたい。
環境の変化と、会社の成長と、自分の気持ち
絶対に結婚しないだろうと思っていた自分が、まさか。結婚した。
主人は、いわゆる大企業に勤めるサラリーマンなので、個人事務所に近い会社で働くわたしとは環境が全く違う。
今までの経緯も全然違うので、世間一般にいう「ブラック」的な要素については理解が難しいようだ。立ち上げ間もなく、人数も少なく、やることはたくさんあることを説明しても、なかなか考え方の差は埋まらないものである。
時が経って、理解をしてくれることも増えたとは思うが、まだ理解し難い部分も多いのだと思う。
家にいると、家での役割が発生する。会社にいると、社員としての役割が発生する。
どちらも自分なのだが、どうしても「仕事」側のわたしが、「生活」側のわたしを圧迫する。
主人からクレームが発生することも多くある。それに、主人自身の気持ちの整理がつかなくなってしまうこともある。
わたしは、相手の感情に影響されて同調してしまうタイプなのだと思う。主人が負の感情を持っているだけで、直接わたしに何かを言わなくても、自分の胃がどんどんキリキリしていくのがわかる。
社員の自分としてやらなければならないことも膨大で、とてもじゃないが時間内にやり切れるボリュームではない。
でも、この会社を成長させて、社内も働きやすい環境にする。今乗り切れば、未来は楽になるはず!と思いながら頑張っていたつもりだ。
どうでもよくなっていた直前期
休職にいたる前の2〜3ヵ月前からは、
「もう、どうでもいいや」
と思っていた事実がある。
わたしの意見は通らない。意見をいうための改善策を持って行っても全部否定される。あの人みたいになればいいんだよね?でもわたしには無理だよ。わたしが我慢して、言われた通りにやってれば全部解決するんだよね?じゃあ、もう、意見はあるけど改善策ももう見当たらないし、思いつかないし、そもそもそんな労力かけるくらいなら、我慢するわ。もう、どうでもいい。
この気持ちを持ち続けて仕事したのが悪かったんだよなー、と思う。でも、自分の気持ちもよくわかる。
というか、そもそもこの頃すでに体調が優れていなかったから、こんな発想に至ったのだと思う。(改善策も、自分が努力できることももっとあったと思うし、否定されてるわけでもなかったはずだが、とにかく余裕がなくなっていた。
"みんなができているのだから、私の努力と能力が不足しているだけだ。"
もうちょっと、もうちょっと、とやっているうちに、ある日突然頭がボーっとし始めた。"考える"機能が著しく低下した
運転している時に、一瞬だけれども普段はありえない判断ミスをした。あと1秒判断が遅れたら事故を起こしていたかもしれない。
その日は、すぐに家に帰った。
「あー、またやってしまった。あの時と一緒だ…」
このままでは、悪化の一途を辿ることが目に見えていた。仕事でもミスが増えるだろうし、休みがちになるかもしれない。
一旦、しっかり整える時間が必要だと判断し、休職を申し出た。
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