うちのめんこが死んじゃった話
こんにちは、nnsです。
タイトルを見て、メンコが死……?破けた……?と思う人もいるかもしれません。
めんこというのは可愛がってる存在に使う北海道の方言ですね。東北辺りでも使うんでしょうか?ちょっと分かりませんがメインの話じゃないので割愛します。
実家のめんこは、ヨークシャテリアです。その犬種の中でも細ちっちゃい子でしたが、年齢は16年くらい。大変長生きしてくれました。
長生きというワードからご想像できたでしょうが、その別れは唐突ではありませんでした。お盆に実家に帰ったとき、もうかなり危うい状況でした。
3日に一回くらいの頻度で点滴を打ちに行き(正直、通院費もバカにならなかったと思います)、たまに痙攣を起こし。再び家を離れる時には「多分これで最後だと思うから」と、何度も撫でました。
残念ながら私達のその予測は的中してしまいましたが、私の家族は最後まで面倒を見てあげたと思いますし、めんこも頑張って生きたと思います。
実を言うと私はこのめんこと一緒に暮らしたことがありません。私が上京してわりとすぐ飼い始めた犬だからです。
しかし、めんこが家に来てから、始めて実家に帰ったときのことを、私は今も忘れません。人見知りするかも?とかなんとか言われてましたが、なぜか「おかえり」という感じで接してくれました。母は驚いていました、「なんで嫌がらないの!?」と。普段は気を許すまで少し時間がかかるタイプらしいです。なんなんでしょうね、匂いが似ていたのでしょうか。とにかく、そうして初対面から再会のような調子で私達は出会いました。
年に2回しか帰りませんが、めんこは私が寝ていたらそばで丸くなって一緒に寝てくれました。妹が嫌がらせばかりするせいか(やめろ)、たまにしか会わないのに、相対的にやけにフレンドリーだったと思います。
きっとここまで読んで下さった方々は「大事にされて、精一杯生きたんだね」と思って下さったと思います。誰もが老衰まで寿命を全うしためんこの魂を讃えてくれると思っています。あとサポートした家族と。
だから私はあえてめんこの目を褒めたいと思います。めんこの目は、何年も前から病気で見えていませんでした。それでも、めんこの画像が送られてくるときには、いつもかわいいその双眸がこちらを見ていました。
耳も褒めてあげたいです。実家はバリバリの田舎で、家族達は生活音がわりとデカいです。一階から二階に大声で話しかけることはザラですし、父の趣味はオーディオです(ワンワンの耳終了のお知らせ)。真空管アンプを自作したりスピーカーをたくさん持ってたりとわりとガチな人。妹の趣味の一つにギター演奏があります。そして極めつけは私です。私の趣味はドラムです(ワンワンの耳終了のお知らせパート2)。部屋はドラムセットで占拠されており、実家に帰ったらそりゃ叩きます。めんこはそんなやかましい家族が発する音をずっと側で聞いてくれました。
全身が褒められて然るべきですが、やはり脚は外せません。田舎故に広い我が家を、懸命に移動してくれました。チャチャチャという足音を聞かなくなって久しいですが、今でも鮮明に思い出せます。ここ数年は自分でソファに飛び乗ることすら困難でしたが、何度も自分の中でタイミングを図って小さく跳ねる姿を、私達家族は忘れることは無いでしょう。
お口も褒めてあげたいですね。嫌々そうに食事をするくせにお菓子はちょっと食べる。そんなズルさと「いやそんなことしたら「じゃあご飯食べなさい」って怒られるよね」ってツッコミたくなる頭の悪さ、たまりませんね。可愛いのでついでに頭も褒めちゃう。
あと、もう一個だけいいですか。それは尻尾です。時に遠巻きに、時にその中心で、私達家族と共に過ごしてくれためんこ。いつもそのおしりでピコピコ動いていたのが尻尾でした。おしりも褒めてあげたいです、何故かポヨポヨしてて触り心地が良かったので。
めんこはめんこなので私にかかれば余裕で全身褒められちゃいます。
そのめんこの最期に立ち会えた家族はいませんでした。私はそれを聞いて、とても悲しみました。きっと大好きな母の膝の上で最期を迎えたかったろうに、と。母は昼夜問わずめんこの面倒を見てあげていたのに、どうしても外せない用事のためにいなくなった一時間ほどの間に息を引き取ったのです。
しかし数時間後、私は謎が解けたような気持ちになりました。めんこにイタズラばかりしていた妹が仕事に行く前に「いない間に死んだりしないでね」と声を掛けたそうです。
めんこ、最後に「死んだろ(笑)」ってイタズラ仕返したんじゃないかなって思ってます。コラッ💦💦って感じですが。そうだったらいいなって思います。寂しい気持ちじゃなくて、笑って逝ってくれてたらいいなっていう、見送る側のエゴですが。
目が覚めたら側にいてくれたことも、ムスッとした顔の父に抱っこされてた光景も、チーズ食うか?と訊かれた時にする首を傾げる仕草も、何もかもがまだ鮮明です。
めんこは、きっと幸せだったと信じたいです。これを読んでいる皆さんのめんこも、幸せな生涯を送れますように。
サポートして下さったらそれは全て私の肉代に消えます。