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一日の終着点で見上げる空

自宅玄関の少し前で立ち止まり、
首の据わっていない赤ちゃんのように
こてんと上を向く。

空だけを見て、息を吸って吐く。

今日も生きてるなぁって思う。

幼い頃から家に帰ってくるとよく空を見上げていた。理由はどこよりも星が綺麗に見えたから。田園風景が広がる町で街灯も家の周りには無くて、星を見るには絶好の場所にある。

成長してからも家に帰ってくると何となく空を見上げていた。友達と遊んで帰ってきた夕方、部活帰りの夜空、試合に負けて帰ってきた青空、仕事から帰ってきた雨空、
嬉しいこと、楽しいこと、辛いこと、悔しいこと、どんなことでも肯定してくれて、私のことを見守っていてくれた気がする存在だった。

玄関の前で見上げる空は特別。
一日の終着点で
一日が終わりそうな空を見上げる。
今朝、家を出てから起きたことが走馬灯のように脳内を駆け巡るときもあれば、
あれ?今日は何してたっけって思うときもある。
一人の時間の中で、息を吸って吐いて、頭の中に少し冷ややかな空気を入れる。

何かあっても、何もなくても今日一日生きてた。

そして、今日も家に帰ってきた。

頑張った。

今日も私は生きていた。



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