テレワーク時代のユーザーテストに最適💻 Clarityでユーザーのイライラを把握してUXを改善しよう(概要編)
今回はMicrosoftが提供する無料のUX解析ツール『Clarity』を概要編と実践編の2回に分けてご紹介します。
概要編ではClarityの全体的な概要や使い方を、実践編ではDATA STRAPに導入してどのような改善に繋がったかをお伝えしたいと思います。
Clarityとは?
Clarityとは、Webサイトを訪れたユーザーの行動を把握できる解析ツールです。公式サイトはこちら
ユーザーのマウス操作を動画で再生したり、ヒートマップでページ内のどこが最もクリックされているかをビジュアルで確認できたりと、ユーザーの行動を丸裸にすることができてしまいます。
しかもこれが無料で使えてしまうというMicrosoftだからこそできる寛大なサービスなんですね。
Google analyticsをもっとコンパクトにしてビジュアルで分析できるもの、とイメージすると分かりやすいかもしれません。
レコーディング
ユーザーのマウス操作を動画(厳密には動画ではありませんが)で記録し、それを再生することでサイトをスムースに使いこなせているかどうかが分かります。セッションを基準にしているためユーザーがページ間を遷移している様子も記録されており、一連動作がシームレスに見られるのが面白いです。
●どのナビゲーションを使って遷移しているのか
●問い合わせフォームの項目で悩んでいる様子
●クリックできない要素をクリックしてしまっている
●クリックすべきボタンを見つけられずに右往左往している
ヒートマップ
ヒートマップはページを基準にした記録です。
クリックとスクロールの様子を温度で示していて、どの要素がユーザーの興味を引いているかが見て取れます。
LPのお問い合わせボタンのクリック数、ページ下部はちゃんと閲覧されているかといった効果測定がビジュアルで判断できるので、数字ばかりの解析ツールが苦手な人にも簡単に使いこなせそうです。
ダッシュボード
Dead clicks(無意味なクリック)やQuick backs(すぐに戻ってしまった)といった指標があり、これらは全てダッシュボードのグラフで一覧できます。当然細かなフィルターも搭載されているので任意の絞り込みも自在で使いやすいですよ。
ユーザーのイライラを把握する
私がClarityの面白い点として挙げたいのは表題の通り、レコーディング機能によってマウスの軌道が可視化されることでユーザーのイライラしている様子が把握できる部分です。
特定の箇所を何度もクリックするアクションをRage clicks(怒りのクリック)、本来のページの長さ以上にスクロールを試みたり、何度も何度もスクロールを繰り返す行為をExcessive scrolling(過度なスクロール)という指標で表現しており、どちらもその生々しい動きを動画で見ることができます。
👇Clarityがデモ画面を提供しているので早速見てみましょう。👇
(画面下部の再生ボタンを押すと動きます。Skip inactivityにチェックを入れると無動作時間をスキップできます。)
🤓一人目😗
https://clarity.microsoft.com/demo/player/3t0wlogvdz/1j9evsh/2ebpn7/1
この方は開始5秒ほどで26回も連続でクリックしています。
『working smoothly and where people get stuck.』というテキストに恨みでもあるかのような波状攻撃です。
🤓二人目😗https://clarity.microsoft.com/demo/player/3t0wlogvdz/ss5opd/nbqago/1
この方は特に謎行動をしています。
開始15秒あたりでテキストの左右を反復横跳びするかのように何度もクリックしています。
そして33秒あたりで何度もページを上下にスクロールしています。見てるこっちが混乱しそうなまでに。
最後に
ここまでの強力な解析機能が無料で利用できるなんて、さすがMicrosoftですね!
ヒートマップを有料で提供しているサービスにとってはかなりの驚異でしょう。
次回はこのデータを活用してユーザーがどこでどう迷っているのかを読み解く方法の解説と、DATA STRAPで実際に導入し、改善施策に繋げた事例をご紹介したいと思います。
追記: 実践編はこちら