【マレーシア】初めての海外登山を軽い気持ちで決めたコタキナバルの旅 #2
人生初の海外登山、壮絶かつ最高の思い出となった2日間の記録です。数えきれないほど心が折れて心底自分の甘さを痛感した訳ですが、山頂で拝んだ壮大な景色はまっじで最高だった。(語彙力喪失)
こちらは事前準備編#1でございます
Day 1(登山開始~山小屋到着)
兎にも角にもキナバル自然公園へ向かわねば。何の手段も持たない我々は公園入口までシンプルにGrab配車。朝5時半頃の出発でGrab捕まるかちょっと心配だったけどスムーズにPick出来ました。女二人で登るんか!とドライバーに驚かれながら2時間のドライブ、爆睡。
事務所にて順番に手続きをしていきます。これ地味に時間掛かりました。
・諸経費の支払い
※確りリンギットを持って現金払い出来るよう準備しておくのが一番ですが、一部クレジットカード決済が可能な項目も有りました。
・登山宣誓書の記入、健康に対する質問への回答
・パスポートコピー提出
・ランチBOXと水の受取
・ポーター(ガイドさん)の紹介、合流
今更ながら、キナバル山に登るには団体・個人問わずガイドさん(ポーター)との帯同がマスト。これかなり心強かった、まじでポーター居なかったら確実に登頂出来てなかった。我々のポーターは21歳のイケメン君。ありがとう、それだけで力が湧いてきた。
事務所からポーターと一緒に相乗りバンに乗り、登山入り口まで10分くらい移動。時刻は9:30am、ここからスタートです。明日笑顔で戻れているのだろうか。グッドラック自分。
スタート直後、いきなり階段を下る。思ってる以上に下り続ける。体力もまだまだ有るし余裕ぶっこいて飛ばしながら下っていた開始5分の自分、2時間後くらいから痛い目を見始めます。そして何よりこの時はすっかり抜けていたけれど、下山では最後の最後にこの階段を上らないといけなくなるんですね、鬼すぎる。
ざっくり1kmごとに設置されている休憩所。山小屋まではまず6kmなので、本日のゴールまでに計6回、このような休憩所で少し休むことが出来ます。お手洗いも完備されていて結構しっかりしている。
時刻は13.00pm、4km地点の休憩所でランチBOXを平らげつつ、休憩。そして食虫植物・ウツボカズラ氏にも遭遇。赤道に近い東南アジアでしか見られないこの方、この時自分はいま熱帯圏に居るんだということを思い出します。とにかく歩いている間は500mおきの標高ボードはまだか、しか頭に無かった。
スタートからペース配分を若干間違えて飛ばし過ぎたことも有り、実はすでに足がかなりパンパンに。ここまでずっと晴天で半袖でも暑いくらいだったけれど、4kmを超えた頃から急に冷たい風が吹いてきてウィンブレを羽織り始める。この時点で標高は3,000m近いところまで来ているので、そりゃそうだよな。富士山でいったら8合目くらいに既に達してるってことだもんな。
最後の休憩所5km地点を超えたあたりで漸く森が開けてきて、しっかり山肌が見えてきます。ここまでずっとジャングルの中をひたすら歩いてたからね、そうじゃんこれが登山じゃん、と思い出す。確実に空気が薄くなっていて、とにかく呼吸が大事。呼吸して。です。
時刻は15:30pm、漸く山小屋に到着。約6kmの距離を6時間掛けて登れました。1km1時間のペースで、と言われていたのでまあまあ上出来なのでは。この時点で標高3,272mです。一気に標高が高くなり、物凄い角度で登っていたんだな、と。富士山よりも上がる標高に対する距離・時間が圧倒的に短くて、これ高山病は大丈夫かしらと若干不安になりつつ、まずは黙ってチェックインです。
Day 2(山小屋滞在~下山)
久々に椅子に座れる喜び、そしてとにかく寒すぎて無料飲み放題のコーヒーが心と体に染み渡りまくる。ありがとう、本当にありがとう。明日の出発時間などをポーター君と打ち合わせして一旦解散、チェックインして部屋に向かいます。
2人部屋の個室、山小屋を超えて普通にホテルライク。シャワーに水洗トイレ、タオルやアメニティまで完備されていて驚きと感動。まだまだ寒いので暖房のスイッチを探す。無い。どこを探しても無い。まさかと思い、お湯が出るまでシャワーを流し続ける。永遠に水のまま。いやあ、まさか、暖房が無いとは思わなかった、流石に。標高3,200m超えの山の中で暖房が無い、1ミリも想像してなかった。ウルトラライトダウンしか持ってきてない。(富士山の山小屋、めちゃくちゃ暖かかったから、、涙)圧倒的な防寒装備不足に撃沈。
仕方ないからとにかく食事で暖を取る。温かいご飯、温かいスープ、コーヒー、本当にありがとう。何とか身体を温かくして無理やりベッドインして寒さを耐え凌ぎました。食堂では17時頃から夕飯、2時に朝食を取って、いざ山頂アタックです。
2:00am、アタック開始。実は見事に高山病になり重めの頭痛を引きずりながらの立ち上がり。真っ暗の中、ひたすら宿から裏道へ出た階段を上り山頂を目指しました。とにかく星空が綺麗だった、しかし感傷に浸る余裕は一切無し。
最後のチェックポイントを超えてからのラスト1時間半、ひたすら岩場を登る。ゴツゴツした岩場ではなく、真っ平で緩やかな上り坂というイメージ。花崗岩による独特の岩場が広がっているのがキナバル山山頂付近の特徴なんですね。一見易しく見えるこの平らな岩道を地面に張ってあるロープを掴んで登る。山頂近いので強風吹きすさぶ中、ロープを引っ張って身体を支えながら登る、満身創痍には相当しんどくて、まじで何度も立ち止まってしまった。全然思うように動いてくれない身体、呼吸もまともに出来ず、最終的にポーター君とずっと手を繋いで引っ張って貰いながらラストスパート。
半泣きになりながらただ地面を見続けて足を動かし続け、気付いたら到着していた山頂。そして何とか日の出前に間に合い、綺麗な朝焼けを拝むことが出来ました。
マジックアワーみたいな色の空、朝にも見れるんだ。。空が本当に幻想的で永遠に眺めていられた景色。そして日が昇っていくにつれて徐々に見えてくる自分が登ってきた山道の全容。ねえ、とんでもない場所登ってたんだね?これはまじで自分を褒めてあげたいね??
ということで自分の頑張りにホクホクしつつ、ゆっくり下り始めます。朝日を浴びながら黙々と下る。平らな岩道は下りに優しい。これは富士山との大きな違い。
綺麗な景色を眺めながら優雅に歩けていたのもここまで、大量の階段・岩場エリアまで戻ってくると、ひたすら足への負担が掛かりまくるターンへの突入です。序盤で軽く足を捻った私は完全にパワーダウンし、相方のポールを借り、何なら若干足を引きずりながらゆっくり下ります。。地獄の下山。
何とか宿のラバンラタに戻って少し休憩・チェックアウトをして再び下り、掛けること6時間半、、漸くスタート地点まで戻ってきました。そう、初日には全く気付けなかったこの開始直後の階段、最後の最後に登らされる鬼設計。残りの体力を全て注ぎ込んで何とか足を上げて半泣きで上りました。ずっと後方から見守るように並走してくれたポーター君(21歳イケメン)、本当にありがとう。
無事戻ってこれた安堵感で一杯。ボロボロの身体を引きずりながら送迎バスに乗って公園事務所戻り、登頂証明書を受け取りました。いやーまじで頑張った。というかよく戻ってこれた。ポーター君様様。
さて、ホテルに帰ってシャワーを浴びよう、コンビニでお酒でも買って部屋で打ち上げじゃ、ということでホテルへ戻る足を確保しなければならない。薄々勘づいていたものの、とりあえずGrabを呼んでみる。待てど暮らせど1台も現れない。夕方に公園近くでフリーになる車なんて居ないよね、そりゃそうだよね。団体客や送迎サービス付きホテル宿泊客たちが順々に帰っていく中、永遠に帰れない我々。最大の落とし穴はここに有った模様。
仕方なしに公園事務所のお姉さんに泣きついた結果、1台バンを用意してくれてまさかのチャーター帰宅。我々をDropした後に再度公園に戻るって言ってた、これ私用車だったのかな、、ありがとう、本当にありがとう。色んな人たちに感謝の気持ちで一杯になった人生初の海外登山、これにて、完。
海外登山初心者に最適!と言われるキナバル山、確かに危険度は低いし体力さえ十分にあれば問題ないと思います。兎にも角にも体力。ノリと勢いで登頂できるほど自分はもう若くないことをすっかり忘れた結果、なかなかに壮絶な2日間だったけれど、最高の経験になりました。軽い気持ちながら決断した自分、グッジョブ。そして同じテンション感で一緒に挑んでくれた相方、後半ずっと手繋いでくれていたポーター君(21歳イケメン)、公園事務所の優しいお姉さん、山、空、地球、世界、ありがとう!
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