ジェット7を引き当てろ!
今年1月に「さんふらわあ あいぼり」、4月に「さんふらわあ こばると」、そして5月に「ロイヤルウイング」(元「くれない丸」)が立て続けに引退し、国内に残る元関西汽船の船は4隻となった。
そのうちの1隻が東海汽船の「セブンアイランド愛」。
関西汽船(※1)時代の名は「ジェット7」、1987年から2000年まで阪神-高松のジェットフォイル航路に就航していた。
※1 所有権は共同運航先の加藤汽船と関西汽船で1/2だったらしい。
そんなわけで関西汽船(ジェット7)を求めて熱海へやって来たのだが、ひとつ大きな問題がある。
東海汽船はジェットフォイルの配船を公表していないのである。
東海汽船には4隻のジェットフォイル(愛・友・大漁・結)がいるが、どれが来るかは直前までわからないのである。
もはやガチャである。
確率25%のジェットフォイルガチャだ。
さあ、運命の時…
果たして配船は…
愛!
愛!!
ジェット7!!!
思いが通じたのか一発でお目当てを引き当ててしまった。
見ましたか?これが運命力ってやつですよ…
轟音と共に、ド派手なピンクのジェットフォイルが入港してきた。
おや?船首あたりをよく見ると何やら文字のようなものが…
完全に「ジェット7」ですありがとうございました。
いやいやいや…まだこんなもの残ってのか…
思いがけぬ発見に少し取り乱してしまったが、気を取り直してさあ乗船…
あれ?
船体にも文字みたいな跡が見えるんですが…
わかりにくいのでなぞってみました。
どうみても「jet line」ですありがとうございました。
塗装こそ変わっているものの、その下地は関西汽船時代のままのようだ…。
ナニコレ最高すぎる…。
今度こそ気を取り直して乗船。
隈なく探したわけではないので断言はできないが、船内には関西汽船時代の痕跡は残っていないようである。
天気は快晴、まるでかつての職場・瀬戸内海のような凪の海を飛んで行く「セブンアイランド愛」。
熱海から50分ほどで「さるびあ丸」と「セブンアイランド大漁」が待つ伊豆大島・岡田港に到着。
かつて阪神高松を2時間弱で結んでいた俊足は、今も健在のようだ。
私はここで下船。
船体を観察…する間もなく、乗降が終わると、轟音と共にそそくさと神津島へ向けて出港して行った。
1987年の来日から今年で36年、長寿揃いのジェットフォイルの中でも大ベテランの域に突入しそうな「セブンアイランド愛」だが、派手なピンクの塗装の下に隠した関西汽船(と加藤汽船)の魂と共に、末永く活躍してくれることを願っている。