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Canada : Peach Pit

2021年、夏。

私はカナダのインディーポップバンド、Peach Pitにお世話になった。

初めて彼らの楽曲を聴いたのは1年前の秋頃だっただろうか。この曲を聴いた瞬間、かつて訪れたお気に入りのビーチまで、脳だけが旅行へ出かけた。

濃い青の空も、陽の光も、波の音も、すぐそこにあるような気がした。

気温は違えど、私が愛してやまない夏の情景がたやすく脳内のスクリーンに映し出され、その楽曲の持つ適度な切なさと同時に流れた。


ただ、今年の夏はもう彼らを知っていた。
友人たちとビーチへ行ったときも、休日の陽が傾き始める時間帯に公園のベンチでアイスコーヒーを飲んでいるときも、破壊力バツグンのメロウなサウンドやギターソロが、脳内の全てを侵食した。

"心地良い"という状態も、いきすぎてしまうと身体が動かなくなってしまうことを知った。



彼らの楽曲は、夏やその終わりがよく似合うと感じる。

夏が私たちの生活から去ろうとしているときも、数ヶ月の記憶が走馬灯のように駆け巡るようで、季節に対しても最大限の敬意を払えたような気がする。

実際私はこの曲を聴きながら、ただ夏に感謝をしていた。


冬に向かって気温が段々と下がっていくこの季節に再び、今年の夏とPeach Pitに感謝を伝えることにする。


また来年、どこかのビーチで聴けることを祈って。

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