パニック再発の危機 その2 精神病院の面会室#39
精神病院での面会
なぜ急に?
そう、ウサツキが精神病院の面会へ出向くまでに至る経緯がいろいろとあり、これがまたドラマ並みにパニックだらけでしたが(また、別の機会にでもお話しできたら…)、最もやばいと感じたのが、この面会時でした。
妹がひとり旅の最中に突然入院。確かに少しそういう傾向があったことはあったものの、そこまでになっているとは気付かず、そんな状態でひとり旅に出たのが間違いだったんでしょう。国の陰謀論を言い出したら脳が物理的に壊れている可能性が高いです。是非、病院にかかることを勧めてください。そんなんじゃない!とはねのけられますが…。それは遠方の地で入院となった妹のもとへ、兄と一緒に会いに出かけたときのことです。
はじめての精神病院
面会が可能なくらいに落ち着いたことと、妹とは何度か病院の公衆電話からの連絡で話していて、だいぶと元気そうになってきているのがわかってからの訪問でした。それまでに精神病院の中へは足を踏み入れたことがなく、実家の近くに大きめの病院はあったのですが、窓に鉄格子がはめられていて、物々しい空気があり、遠い世界のものだとばかり考えていました。同じ人間ですから、いつ誰がどうなるかなんて分からないものです。まぁ、一番妹がそう思っているんでしょうが。ただ、ウサツキ兄妹が訪問した病院は明るく、普通の病院と変わらない空気があり、イメージと違うな〜と思いながらも、扉ひとつひとつが厳重で、閉所恐怖症のウサツキは妹のところへ近づくたびに外から遮断されて行く感じに息苦しく感じていました。
私がパニックってどうする!耐えろ!!
看護師さんと話をして、面会室に案内されると、そこは狭い部屋。こちらからの扉と、病室からの扉とがあり、部屋の真ん中に椅子。上の方に換気用の窓はあるものの、外が見えないすりガラスで、うっすらと格子が見える。
「ここでお待ちください。もうすぐ向こうの扉から来ますから。面会の間は何かあったらダメなので鍵を閉めますので、終わりましたらこのボタンを押してください。」ガチャ。
待って…、鍵、閉めるの?!こんな狭い、外の見えない部屋で??まじか、まじか、やばい、やばい。パニックーーになりそうなときに向こうの扉から妹登場。「お兄さんとお姉さん来てるよー。ゆっくりねー。」ガチャ。やっぱりそっちも鍵閉めるよね泣。
ただ、妹の申し訳なさそうな顔を見て、ここで私が錯乱している場合ではない!余裕な顔を見せねば!!と力づくでパニックを抑え込み、「大丈夫??びっくりしたね。落ち着いてきた?」と、いつもどおりを装いながら笑顔で会話し始めました。声を出したのと、妹の「早く帰りたいわ…」という辛そうな様子から、徐々に冷静さを取り戻しつつも、頭の中では、実家で話してると思おうと自分をだましだまし会話しました。
妹が置かれている環境の話を聞くと、閉所、暗所がダメなウサツキには耐えがたい内容で、私が入院になったら逆に悪化して出られないだろうなという恐怖を覚えました。真っ白でベッドしかない部屋にいて、ずっと監視されているらしく、何も出来なくて頭がおかしくなりそうだと。専門的なことは知らないので危険回避などいろいろ理由があるでしょうが、回復できるような環境ではないなと感じました。多分脳を休めるためなんじゃないのかな〜なんて話しつつも、頭では、その部屋きついーっっと思いながら話してました。きっと、少し落ち着いてからなんだろうとは思いますが、海や緑を眺めたりして回復したいなぁと。
あれこれ話しているうちに時間になり、近いうちに退院とのことだったので、次はおうちでね、と別れて病院を出ました。出た瞬間、「私…めっちゃやばかった!まじでおかしくなりそうやった!今でも心臓バクバクしてるし!」と兄に発散。そんな風に見えなかったと言われたのが救いでしたが、とにかく一旦忘れないと、後に響く!とそのあとは折角だしーと兄と観光して帰ってきました。
火事場のくそ力
やるしかない!となればなんとかなるもんです。あの面会室で発狂→妹が私のせいだと、さらに自虐的なる→悪化→退院できない→また面会室。これだけは絶対に避けねばならぬ!もう、火事場のクソ力を出すときは今!!これに尽きます。
ただ、家について、夫に妹の状況を説明していたら、涙がわらわら出てきました。まぁ、当然、心配ごとは消えたわけじゃないので、その後もハラハラすることは多々ありますが、この危機を乗り越えたのは大きな自信になりました。
やればできることもある!