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この1年もありがとう、2020新作映画ベストセブン

あっという間に年の瀬。
今年公開された映画を10本観る、というのが毎年の目標だったけど、2020年は残念ながら9本にとどまってしまった。急いで観るものでもないしね。

数少ない中ではありますが、とても好みだったものをベストセブンでご紹介します。でも、優劣ではありません。

①ストーリーオブマイライフ/私の若草物語

ジョーはマーチ家の個性豊かな四姉妹の次女。情熱家で、自分を曲げられないため周りとぶつかりながら、小説家を目指して執筆に励む日々。控えめで美しい姉メグを慕い、姉には女優の才能があると信じるが、メグが望むのは幸せな結婚だ。また心優しい妹ベスを我が子のように溺愛するも、彼女が立ち向かうのは、病という大きな壁。そしてジョーとケンカの絶えない妹エイミーは、彼女の信じる形で、家族の幸せを追い求めていた。
共に夢を追い、輝かしい少女時代を過ごした4人。そして大人になるにつれ向き合う現実は、時に厳しく、それぞれの物語を生み出していく。小説家になることが全てだったジョーが、幼馴染のローリーのプロポーズを断ることで、孤独の意味を知ったように─。自分らしく生きることを願う4人の選択と決意が描く、4つの物語。

グレタ・カーヴィグが描く世界がだいすきなんです…!
4姉妹それぞれの自分のなりたい姿と、それぞれを想う家族愛が本当にしあわせな気持ちになった。
人生におけるゴールの一つを結婚にすることって、全然悪いことでは無いと思うんです。男性も女性も。
でにそこに、自分の意思が、愛が、あるのかどうかが重要だと思う。
いつだって自分次第。少しの勇気。
大切なことがたくさんあって、迷った時にまた観たいと思える大事な映画。
あと、衣装が可愛すぎる〜。
シアーシャ・ローナンもエマ・ワトソンもティモシー・シャラメも美しすぎた。
秋みたいな落ち着いた色味の映像、ずっと観ていられる!

②ミッドナイトスワン

故郷を離れ、新宿のショーパブのステージに立ち、ひたむきに生きるトランスジェンダー凪沙。 ある日、養育費を目当てに、育児放棄にあっていた少女・一果を預かることに。 常に片隅に追いやられてきた凪沙と、孤独の中で生きてきた一果。 理解しあえるはずもない二人が出会った時、かつてなかった感情が芽生え始める。

かなしくてかなしくて美しくて、感情がぐちゃぐちゃになった。
バレエのシーンがきれいだったなあ。
登場人物それぞれみんな孤独に生きていて、とても泣きそうになった。
その中でも、泥だらけになりながら繋がりをちゃんと築いていて、とても美しかった。
愛とは見返りを求めない、これ以上にない究極のもので、なんだろう、言葉にはできない…。
一果ちゃんは太陽のもとでも、自分らしく生きていってほしい。
なぎささんには、どうしてもしあわせになってほしくて、悲しいことばかりが起こりすぎて、ほんとに世界はこんなに悲しいんだろうか…と、見終わった後はすこしだけ落ち込んでしまった。
その後にお友だちと話して、最後のシーンの意味に気付かされて、改めて良い映画だったと思えた。
理想かもしれないけど、みんなにとってやさしい世界になっていってほしい。

③ジョジョ・ラビット

舞台は、第二次世界大戦下のドイツ。心優しい10歳の少年ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)は、空想上の友だちのアドルフ・ヒトラー(タイカ・ワイティティ)の助けを借りながら、青少年集団ヒトラーユーゲントで立派な兵士になろうと奮闘していた。 しかし、ジョジョは訓練でウサギを殺すことができず、教官から”ジョジョ・ラビット”という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかわれてしまう。 そんなある日、母親(スカーレット・ヨハンソン)とふたりで暮らしていたジョジョは、家の片隅に隠された小さな部屋で、ユダヤ人の少女(トーマサイン・マッケンジー)がこっそりと匿われていることに気付く。ジョジョの頼りとなるのは、ちょっぴり皮肉屋で口うるさいアドルフだけ…。臆病なジョジョの生活は一体どうなってしまうのか!?

ジョジョ〜〜!めっちゃかわいい!
コミカルさのあるカラフルポップな画面で、すごく可愛世界なのだけど、それだけじゃないショッキングな現実が広がっていて、、。
戦時下のドイツという地雷みたいな難しいテーマを、重苦しくなく描いてくれたのだけど、しっかりと戦争は反対していて、そのバランスが秀逸。
(おそらく世間の雰囲気がそうさせた)ヒトラー信者のジョジョが、自分の力で大切なものを見つけていく姿に感動。何度も泣いた。
誰にだって弱さはある。けど、強くなることができる。

④パラサイト 半地下の家族

全員失業中で、その日暮らしの生活を送る貧しいキム一家。長男ギウは、ひょんなことからIT企業のCEOである超裕福なパク氏の家へ、家庭教師の面接を受けに行くことになる。そして、兄に続き、妹のギジョンも豪邸に足を踏み入れるが...この相反する2つの家族の出会いは、誰も観たことのない想像を超える悲喜劇へと猛烈に加速していく――。

とんでもない映画を観てしまった。
ものすごくスリリングで、画面に釘付け。
いろんな対比構造と階段のアップダウンでものすごく作り込まれてる映画だなと思ったけど、いろんなことを考えさせるスキもないくらい、のめり込んでいたなあ。
水とか音の一粒一粒がくっきり際立っていて、油断のできないかんじ。
そっか、水は上から下にしか流れないんだ。下から上にいくことは並大抵ではできない。
こういう映画体験は貴重でおもしろかったのでランクイン。
カラー版は見ずにモノクロを映画館で観ることに決めたけど、時代感がぐにゃりと曲がっているような不思議な感覚で、よかった。写真のように、写っていないところにも物語があるような気分になった。
パラサイトも、経済格差とか労働問題とかいろんな問題が含まれていて、この作品がアカデミー賞をとって、ロングランで上映されているということが素晴らしいことだと思った。
年始に地上波で見れるみたいで、カラーの吹き替え版どうなんだろう?たのしみ!

⑤TENET テネット

「その言葉の使い方次第で、未来が決まる」――主人公に課せられたミッションは、人類がずっと信じ続けてきた現在から未来に進む〈時間のルール〉から脱出すること。 時間に隠された衝撃の秘密を解き明かし、第三次世界大戦を止めるのだ。 ミッションのキーワードは〈TENET(テネット)〉。 突然、国家を揺るがす巨大な任務に巻き込まれた名もなき男(ジョン・デイビット・ワシントン)とその相棒(ロバート・パティンソン)は、任務を遂行する事が出来るのか!?

面白かった〜〜〜
いやいや、ノーラン監督は想像の範疇をひょひょいと超えてくるね。
現実の理が通用しない世界なんて誰が想像できただろう…。
しかも、これをフィルムで実写で撮るなんて狂気の沙汰…。
すごいエンターテイメントを楽しませてもらった。
ネタバレしたく無い気持ちもあってあんまり喋れないのもあるんだけど、この映画のことを言葉にするのがもはや不能。
未知の世界にお手上げです。

⑥ラストレター

裕里(松たか子)の姉の未咲が、亡くなった。裕里は葬儀の場で、未咲の面影を残す娘の鮎美(広瀬すず)から、未咲宛ての同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるために行った同窓会で、学校のヒロインだった姉と勘違いされてしまう裕里。そしてその場で、初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)と再会することに。
 勘違いから始まった、裕里と鏡史郎の不思議な文通。裕里は、未咲のふりをして、手紙を書き続ける。その内のひとつの手紙が鮎美に届いてしまったことで、鮎美は鏡史郎(回想・神木隆之介)と未咲(回想・広瀬すず)、そして裕里(回想・森七菜)の学生時代の淡い初恋の思い出を辿りだす。 ひょんなことから彼らを繋いだ手紙は、未咲の死の真相、そして過去と現在、心に蓋をしてきたそれぞれの初恋の想いを、時を超えて動かしていく―――

岩井俊二もだいすきなんです。。
透明な純愛の世界。儚くて、苦しくて、自然に涙が…。
あの傘のシーンの美しさは追随を許さない美しさ。ここは天国か?
ロマンチック街道まっしぐらな小っ恥ずかしくなるような(褒めてる)ファンタジー設定もやっぱりすき。
ダークサイドに偏ったトゲトゲの岩井俊二がすきな厨二病みたいな自分が足を引っ張って、この映画のことを1位にはできなかったけど。
全国規模(住んでる街のファミリー向け映画館でもやってたのすごい)で公開された岩井俊二映画だねってかんじです。それでもワールドは全開。

⑦劇場

夢を叶えることが、君を幸せにすることだと思ってた—
演劇を通して世界に立ち向かう永田と、彼を支えたいと願う沙希。夢を抱いてやってきた東京で、ふたりは出会った。中学からの友人と立ち上げた劇団「おろか」で脚本家兼演出家を担う永田(山﨑)。しかし、前衛的な作風は上演ごとに酷評され、客足も伸びず、劇団員も永田を見放してしま う。解散状態の劇団という現実と、演劇に対する理想。そのはざまで悩む永田は、言いようのない孤独を感じていた。そんなある日、永田は街で、自分と同じスニーカーを履 いている沙希(松岡)を見かけ声をかける。自分でも驚くほどの積極性で初めて見知らぬ人に声をかける永田。突然の出来事に沙希は戸惑うが、様子がおかしい永田が放って おけなく一緒に喫茶店に入る。女優になる夢を抱き上京し、服飾の大学に通っている学生・沙希と永田の恋はこうして始まった。お金のない永田は沙希の部屋に転がり込み、 ふたりは一緒に住み始める。沙希は自分の夢を重ねるように永田を応援し続け、永田もまた自分を理解し支えてくれる沙希を大切に思いつつも、理想と現実と間を埋めるよう にますます演劇に没頭していき―。

見終わってすぐは、よくわからなかった。なんなら、長くて途中で寝てしまった…。
けど、最後の方で泣きそうになった。ただ、なんとなく泣いてはいけない気がして堪えた。
永くんは、何者かになりたくて役者じみた性格を演じているけど、根は真面目で情熱があって、さきちゃんをすきな気持ちがちゃんとあって、それを伝えることも叶えて。
さきちゃんは、女優を目指して青森から出てきて、都会に合わせて演技のような日常を送っていて(その演技をしてる感の演技が絶妙)、永くんという存在によってかろうじて繋がっているけど、無理してるのがだんだん無理になっていって、これからの選択をする。さきちゃんはカットモデルみたいなことはしないし、お人形さんじゃない。

個人的には、さきちゃんの献身的になって、すぐに謝っちゃうところ、すごくわかる。
でも、共感する〜とかそういうのじゃなくて、
永くんクズだけどすきになっちゃうのもわかるけど、実際はそうでもなくて。
なんか、この映画はそういうのじゃないかなって思った。
ハッピーじゃないけどしみじみ終わる映画がすきだなあ。

ちなみに、後の2本は、スパイの妻とブックスマート。
こちらの2本も、素晴らしいエンターテイメントでとってもよかった!

未知に包まれた世界の中で、映画を公開してくれて、映画館をやってくれて、まだまだ新作の映画を撮ってくれていて、、
映画を観れるってしあわせだ。

本当に、優劣じゃなくてどれもすきだよー!
ありがとう!映画たち!

来年はどんな世界に出会えるかな。楽しみです。

ちなみに、おうち映画なら、映画館だったらなかなか見ないであろう作品を観られるのも魅力。
Amazon primeの超個人的おすすめはこちらの記事にて。

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