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愛おしい日々へ。

愛おしい日々へ。
この世界の温度が愛しくて切なくてたまらない。
ゆっくりと流れる時間。
夕暮れ時の虫の鳴き声、自転車のベルが段差で弾み鳴る音、玄関を開ける音、ただいまの声、空気の匂い。全てが切なくて愛おしい。

私はこの世界の言葉に傷つき、言葉に救われる。
不思議である。

間接照明をつけたこの部屋の温度と時間の流れが大好きでたまらない。
過ぎていく日々と時間を1日1分じっくりと染み込ませる。まるで本の一言一言をゆっくりと咀嚼していく時のように日々が流れていく。

無造作に畳まれた掛け布団、積まれた小説、レプリカの花、外から入る自然光、充電された後のコード、脱ぎっぱなしの靴下。全てが日々を感じている。

いつかは変わっていくこの日々を、私は今日もゆっくりとこの身に染み込ませ蓋をする。
愛おしくてたまらない、切ないこのどうしようもない思いをゆっくりと温めて大きくため息をつく。

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