自分の弱さを「守る」
私は1〜2ヶ月に1回ほど、電話でカウンセリングを受けている。
話す内容は概ね恋愛と仕事における人間関係、あとは過去の家族に関する話など。
「あ、今ちょっと精神がしんどいぞ」と感じたらサクッと予約して、1時間ほどカウンセリングを受ける。今の人にお願いするようになってから、もう2年経つ。とても信頼できるカウンセラーさんだ。
今日も、ついさっきまでカウンセリングを受けていた。
その中で、自分の中では衝撃だった気づきがあるので、今こうして記事を書いている。
気づきを共有する前に少し…
私は、自分のことをとても強いと思っている。自分の収入だけで自分の生活を回しているし、身体も心もまだ大きな病気にかかったことがない。学生時代は勉強も運動もそれなりにできて、人間関係で深刻な悩みを抱いたこともなかった。社会人になってからも、ありがたいことに職場では高評価をいただき、周りから頼られる場面も多い。恋愛に関しては、1人でも人生は楽しいし、でもいい人がいたら結婚もしてみたいなというふうに考えている。
つまりは自立している人間と自認しているのだ。
そして、あまりこれは言いたくなかったが、そうでない人のことを「弱い」と思っていた。
そんな日々の中で、職場の特定の人に対してもやっとすることがあり、今回カウンセリングを受けた。私は、いかにその人とコミュニケーションを取るのがしんどいかということを訴えた。
するとひと通り話を聞いたカウンセラーさんから、「人に合わせて嫌われたくなくてしんどいという自分に照準を向けてあげて」という言葉をかけられた。
それは多分カウンセラーさんが伝えたい言葉の枕詞的なもので、ご本人としてはそこにメッセージを込めたつもりはなかったと思われるが、私は衝撃を受けた。
「人に合わせて嫌われたくないと私は思っている…?」
「そんな、私が普段自認している『強い自分』とは真逆のことを…?」
「私は弱いということだろうか?」
そんな思いが頭を駆け巡った。
そしてそれと同時に、不思議なことだが、もう1人の自分が「やっと思い出せてもらえた」と言った気がした。
私は、小さい頃からずっと空気を読んで生きてきた。家庭でも、学校でも。
その場を平和に取り繕うため、空気を壊さないため、思ってもいないことを言って相手を喜ばせた。それで自分がすり減っていることに気がついてもいなかったと思う。
今回抱えていた悩みも、関わるのは嫌だ嫌だと思いながら、その人を失望させたくなくて期待に応えていっぱいいっぱいになってしまった結果だと知った。
なんたること。自分は自立したと共に意見も持つようになったし、はっきりとモノを言う強い人間になったと思っていたけど、その奥底では「人に嫌われたくない」と言う本心が存在していて、態度にまできちんと表れているということだ。
つまり「自認しているような強い人間として実際には振る舞えていない」ということと、「全然自分はまだ『弱い』ままである」ことに同時に気づいたのだ。
衝撃だった。あの時の弱い自分は、まだずっと自分の中にいて、私自身が気づかないふりをして存在を無視してたのだ。
衝撃を受けた脳で、少しずついろんな感情が芽生えた。
まずは、弱い自分として「見つけてもらえたこと」に安堵した。「辛いと思っていいんだ」と、安心した。ずっと「辛いと思ってはいけない」と自制してきたから。
そして次に、自分に対して申し訳ないことをしていたなと思った。
嫌だと思うことを何度も飲み込ませてしまったし、強い自分が無敵感を味わうと同時に無理をさせていたと思う。
私は、弱い自分を教育して強くしたいと思わない。というか、そんなことはできないと思う。
私の中には、弱い自分と強い自分が共存しているのだ。
これまで弱い自分には私という家を出てもらって、新しく強い自分を住まわせていたと思ったが、2人はずっと昔から共同生活をしていたのだ。
これまで無視していた弱い自分のための部屋を作ろう。ベッドを用意しよう。きちんとそこに「いる」ことを知って、認めて、一緒に生きていこう。
弱い自分を守っていこう。
そんなふうに思えた。
それをカウンセラーさんに興奮のまま伝えたら、「そういうふうに考えて落とし込めるところが、やっぱり強いですね」と言ってもらえた。勝負が好きで喧嘩っ早いところがあるので、強い自分もまた、偽りのない自分の姿なのだろう。
弱い弱いと連呼してしまったが、弱いことは悪いことではない。実際、私はこの「怖がりで、人に嫌われたくない」自分に何度も自分を救ってもらった。
本当にやばい人間と深く関わる前にフェードアウトできるのはこの危機察知能力が働くからだし、人に嫌われたくないという思いが0%で、他人にどう思われても構わないと思っていたら、今頃私に友人はいないだろう。
それなのに見ないふりをして、弱いことはかっこ悪いと思って蓋をしていてごめんね。弱い私はずっと私の中にいた。今度は必ず無視せずに守っていくから、これからも私を助けてね。
…という気づきを得た夜でした。早く言語化したくて少しグチャグチャな文章だろうけど、記事にできてよかった。
いやー、カウンセラーさんってすごい。本当にすごい。良い夜です。
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